言の葉（聖書のはなし）。わたしたちはカインである。主イエス・キリストの御名によって。アーメン。

　　　　神さまは「あなたを殺そうとするものがいたら、
　　　　その人はあなたの倍もの苦しみを味わうだろう」と、
　　　　カインにしるしをつけ、彼をみつけたものが
　　　　神さまのしるしと気づいて殺さないようになさいました。

　　　　　　（「聖書のはなし・旧約聖書」岩村信二、山川道子訳監修
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ピッコロ版　創元社　）


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　有名な「人類最初の殺人」のはなしだ。
　主は弟を殺害してしまったカインに俗に言うところの「カインのしるし」を付ける。
　わたしはここに主イエス・キリストの限りないやさしさを見る。この「カインのしるし」は全人類につけられたとわたしは解釈させていただいている。
　わたしたち人間はみんな「殺人罪」を負っているのだ。誰もが加害者であるし、被害者はいとも簡単に加害者ともなりうるのが人間の生まれながらにして背負っている「原罪」だとわたしたは痛切に思う。その「原罪」を（すべての生きとし生けるものたちが背負っている「原罪」を）、主はわたしたちの代わりに背負い、当然わたしたちが受けるべき神からの罰をいわば消去してくださった。これが主イエス・キリストの十字架である。
　わたしたちは「聖書」を読むとき、よく自分の心の中にあるものを見据える必要性を感ぜずにはおれないだろう。アベルを殺害するまでに至ったカインの心理がこの自分の中にもあるのだと思える人は主に嘉せられる人である。正式に（？）洗礼を受けていなくても主に呼ばれた人である。このような人こそクリスチャンであるとわたしは言いたい。


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