遠くへ行きたい
いつだって側にいるパートナーと ただひたすらに
理由なんてない
旅の途中に見えるもの すべてが大切な思い出
もっとゆっくりして行きたい
もっとのんびりこの景色を眺めたい
記憶はいつも刹那的
景色はいつも流れるまま
でも、いや、一瞬だから思い出なのだろうか
思い出すことはできるが 見るのは一瞬
その日だけ
その一瞬だけ
そう、9月の連休のひと時
バックミラーに映る景色がみるみるうち離れる淋しさを振り切るように
楽しかった大阪を背に
真夜中に宝塚からのドライブ
向かうは小松
北陸道に入れば前後の車列はすべて消え
うっすらと空が明るくなり始めた頃
瞳に飛び込んできたのは 朝靄に霞んだ越前の情景
ゆっくり写真なんて撮れない
筆舌を超えた美しすぎる幻想的な世界
生きる日々もまた旅と同じ
一瞬、一瞬は 仮初めの旅の宿
我々は海から生まれ 我々は土に還る
我々の住むこの世は 黄昏の迫る世界