恥ずかしながらこのワタクシ、メンタルの弱さ、脆さは筋金入りです。
遠き在りし日、高校入試の時も面接官の前で目が回り平衡感覚を失いド派手にGを吐き散らかす、好きではない人と長時間同じ空間にいると悪寒を催す(これは現在も進行中)、等々、当時からぐいぐいです。
かつて大会に躍起になって出ていた時代も例に漏れず、かれこれ通算300回以上出ていても毎回極度の緊張との戦いでした。
緊張を通り越しストレスとなり身体に表れるため、立っていられないほどの腰痛に苛まされ、実際、一時車に戻り横になって出走順を待っていたこともありました。
それでいて自分のランが終わると何事もなかったように身体は軽くなるのです。
予選でも通った暁には、それこそecstasy、天にも昇れそうな気にすらなります。
そのメンタル、モチベーションの緩急があまりにも激しすぎて、自分自身に疲れるやら呆れるやら・・数値に準えるならば上がる時はプラス一億、落ちる時はマイナス一億・・
きっとそんな性格が災いしているのでしょう、日々のライディングも日ごとに自信が付く日、持っているトリック全てを失う日、まあ毎日忙しいです。
厄介な性格は僕自身が一番よくわかってはいます。ただ、今回は少々凹みました。
10年ほど前に一度は大会でも奇跡的に披露できたトリックがあります。
何かを捨てない限り次の場所には行けない、乗っているみなさんならわかりますよね?ライダー人情。
放置期間は約8年、その間にいくつも新たなトリックを手に入れましたが、放置していた時期でも忘れることはありませんでした。
もう一度リメーク版として取り戻そう
一年発起したのが去年の5/20(木)、とは言うものの8年間放置した代償は大きく、再び挑むも崩れるポイント、苦手なタイミングは当時と変わらず、調子が上がっては下がり上がっては下がり、数え切れない一喜一憂を繰り返し、とりあえず8年ぶりに再びメークできたのが先日の1/16(日)、航空公園でした。
本当に嬉しかったですが、あくまでもこれがスタートラインと言い聞かせ、舞い上がり過ぎないようメーク後もずっと反復を繰り返していました。
練習から苦しさが消える、決定的なメークが出なくとも楽しくてずっと繰り返していられる、何より失敗するにしてもいつもよりずっと踏み込んだ先の先まで行けるようになったことが嬉しくてたまりませんでした。
この感覚をとにかく身体に叩き込みたくて、忘れたくなくて、平日も夜な夜な航空公園で撮影しながら練習、どこを重点的に取り組む必要があるか検証していました。
まあ焦らなくてもこれだけの出来高がコンスタントにできていれば、あとはどんどん上がって行くでしょう、そう僕は高を括っていました。
・・ところが、どうしたのでしょう。
あれだけ平均的に踏み込めていた(と思っていた)ポイントに、どうにもこうにも手の届かないことが増えていってしまったのです。
時間のある週末に昼間じっくり打ち込んでみても、マシンは明後日の方角へ離れるばかり、再び練習は苦しいものに戻りました。
上半身はバーの真上、重心は高く、ペグにしっかり立ち上がること、それはこの練習を始めた26歳の時から言い聞かせていることです。そしてつい先日まで「できていた」時のやり方をいつ、何故やめてしまったのか?
約20年自問自答を繰り返しても身体は習得しない、できるものならこんなに時間はかからないのではないでしょうか?
でも現状できないからできるまでやる、練習量を増やすことが一番の近道。それとも中途半端で途中で投げ出してしまえばうまくなれるのでしょうか?僕にはどうしてもそうは思えなくて・・
あんなに仕上げたのに、この約1ヶ月で再びどこかへ消えてしまった。
今すぐにでも取り戻したい焦りからか、半ば意地になり徹底的にその練習ばかりしても毎日破滅に向かうだけ、あまつさえBMXに触れている気さえしなくなっていました。
毎日を共にする大切なパートナーを、僕はどこに置き忘れてしまったのでしょうか?
気分転換に他のトリックをやってみても、掴みかけて失ったものが目の前からは消せません。
ライディングから愉しさが消える、深い悲しみと不甲斐ない自分への怒りが込み上げるばかりでしたが、どこかでこの負のスパイラルから抜け出さなくては・・
2/11(金)
航空公園
乗りに行くも連日のポンコツ具合にいまいち僕のテンションは低め、それでも大切な休日ときたら極力努力は惜しみたくない、その一心で不動心を保つことを肝に命じ集中して乗りましたが、なんとも微妙な手応え、それともここまで来れても納得できないのは上達しているから、と考えるべきなのか?
3時間だけ集中して乗り、その場ではあたかも脱け殻のようにくたばりました。
車で一時間だけ思い切り休み、何かの転機が訪れたらいいなと壊れそうな身体に鞭打って向かった第2ラウンドは光太郎くんのご存じTYLER。
久しぶりに会うライダーと会話も弾み、気分転換にはこれっぽっちも時間はかかりませんでした。
メンタル、無意識にぶち上がっています。絶賛、覚醒中です。あんなに身体中痛くて乗れなくなっていたのが嘘のよう、先ほどまでは決して得ることのできなかったラインを夢中で支配しています。
身体がこのまま動かなくなってしまいそうな危機感などどこの空、連日凹んでいた自分が恥ずかしいです。
まあ、このトランス感もある日忽然と姿を消してしまうのでしょう。
ええ、そのくらいの腹は括っています。
今日はとにかく、たくさんのライダーに救われました。
楽しい休日が途方に暮れることなく。