旬な楽しさに勝るメーク率なし。
7/17(日)
BMXフリースタイル世界選手権 佐賀のRUN
20年以上の付き合いになるスキップさんの、例に漏れない手厚い歓迎は健在。
楽しい時間は自分で作るもの。
去年に訪れた際にお世話になったあれこれを当然忘れるはずもなく、今年も参戦だ。
いい加減(大会で)披露したい背面ダブル。
初メークより丸一年以上経過し、これでも相当上がってきている実感はあるのだが‥
火曜日にメークして以来、どうにもメークできない日が続き、結局最終確認もできないまま当日を迎えることに。
行きのフライトの途中、美しい天海を眺めながら考えたこと。
大会本番で決めることにこの上ないが、練習でもアフターでもとにかく佐賀に滞在中最低一回は決めよう。
勝ち負けではなく、「披露」するんだ。
その発想は、気持ちにいくらかの余裕を生み出せた。
再び降り立った佐賀の聖地。
九州はどこか自分の好きな風情に溢れている。
出走順はCグループの初っ端。
とは言え、Cグループのスタートは午後3時過ぎ。
梅雨明けも秒読み開始?か、猛烈な暑さに見舞われる中、朝一通り流した程度で後は体力の温存に専念した。
前回の小松に引き続き、予選絶好調病は一向に治まる兆しが見えず‥
1往復半ではあったが、シールドワイパーもなんだかんだ大会で決まったのは初めてかもしれない。
自分でも驚いたのは、ここ2~3日やっていなかったランニングレフトが僅か2回目でメークしたこと。
本番での臨場感は、ひとりではなかなか得られないパワーが一気に湧き出る。
旬なものを披露しろ
神の声か、背面ダブルがしばらくの間決まらないのも、これが答だったような気がした。
確かな手応えがあり、予選を3位通過。
だがここからが問題。決勝は大変苦手ないつもの「アレ」。
1 ミ ス 交 代
決勝10人が2グループに分かれ、5人中1ミス交代で2人上がり。
Aグループ
コオ君 ナオ君 タカ君 河童君 自分。
Bグループ
勇也君 谷川君 成一君 太郎君 祐二君。
この場の雰囲気、高揚感にあと押しされ、無意識に進入速度がいつもよりも速くなっている場合がある。
それで自爆‥なんて教訓を肝に命じ、とにかく落ち着いてゆっくり入ることに専念した。
落ち着き払って何本か綺麗にメークできたが、最後の回でやはり背面ダブルは出せず不完全燃焼。
ここにて敗退。
頭を切り換え、ここからはファイナルの応援を全力でしよう。
ライダー投票はものすごく迷ったが、やはりこの場を支配したナオ君に。
ナオ君優勝おめでとう。
バックワーズの回転軸、形、芸術の域に達していると思います。
旅の醍醐味、打ち上げ。
成一君、河童君、太郎君とのトークは盛り上がり、夜が更けても延々続く。
ぶつかり合うのは、真剣な証拠。共鳴するリスペクトの念。
やがて朝日が昇り始める頃、眠りに落ちた。
早くも佐賀滞在最終日。
睡眠もそこそこに、早く乗りに行きたくて仕方がない。ばたばたとチェックアウトし656広場へ。
着くなり、河童君、谷川君、それに勇也君率いる大阪勢が既にライディング中。
昨日大会で見せきれなかったもの、それプラスアルファが解放感からか次々にメーク。
そろそろ帰る、と言いながら始まるジャムセッション。
この後最低2時間は固いだろう。午前中のライディングの余韻に浸りしばし休憩に入っていた自分の傍ら、場を占めていたのは宮藤君、タカ君、卓馬君のリヤ御三家。
既に結構満喫モードだった自分はじっくり観戦を楽しんでいた。
順次ベストトリックのメークで一抜け、最後に卓馬君のハードトリック残し。
‥満喫?
いや、まだ遠征は終わっていない!
自分にはまだやり残していることがあるだろう?
思い出してみよう。来る時に悟ったことを。
ひとり残され、息も上がってしまいそうな卓馬君の間に飛び入り参戦。
しばらくのセッションを経て‥
背面ダブル、約1週間ぶりにメーク。
やっと見せることができた。大会後だろうが構わない、これで旅が締めくくれるというもの。
続いて卓馬君もベストトリック+攻めのコンボまでメークし、互いに安堵の思いでセッション終了。
太郎君を始めたくさんのライダーが讃えてくれて、最高の思い出はまたひとつ更新された。
昼下がりに切なくもお別れを告げ、空港に向かう列車に乗るため佐賀駅へ。
駅に向かう自走中の強烈な陽射し。
背面ダブルのスランプから抜け出すタイミングで梅雨も明けたのか?
溝がなくなり糸が出る直前のタイヤも、血だらけの脛も、すべて旅が嘘ではなかったことを示す証し。
回想はただただ、
繰り返し、
繰り返し‥
画像提供:野中涼平氏