20INCHERS

RIDING LIFE

bacovision

2010-04-29 23:14:23 | Weblog
4/29 航空公園。
珍しくライダーが多く集まる中、新緑の木々に囲まれ7時間程のライディング。


というのも、前回の記事でbaco5ネタに触れてから我慢しきれなくなり、夜な夜な往年の映像を見直してみたのだ。
その余韻に浸りながらのライディングは、想像を絶する覚醒力があり、自走中も無意味に立ち漕ぎになっていたり、baco4,5で圧倒的存在感を誇示しているvacuum scamのbgmが脳裏に深く刻み込まれ、ふと我に返れば無意識に口ずさんでいる始末。

また、bacoのシリーズの特徴として、ハンドレールのシーンが登場すると、その後もひとしきりあらゆるシチュエーションのハンドレールのパートが続き、見る側を釘付けにして放さない。
そして特筆すべきは、baco5のvacuum scamと絶妙にマッチした、超ロングスパンのハンドレールを鬼漕ぎでのグラインド。遥か先に見える着地点には、メークする期待を胸に熱く見守るbacoクルー。
見事に最後まで滑り切り、堂々と着地した瞬間の歓喜のどよめきは、今にも画面を凝視する自分の耳元まで聞こえて来そうだ。

近年の映像における構成として有りがちな、フラットランドのみ、ストリートのみ、ひとりひとりのパートといった単調な作りではなく、双方が歩み寄り、均等にバランス良く登場するからこそ、それぞれが、

「活きる」

のだ。




ハンドレールグラインドは、当然に自分の辞書には存在しない、夢のまた夢トリックであるが、あんな風に滑走できたらどんなに気持ちがいいだろう。ただ、映像等を見てもわかる通り、ミスをした時の代償となる痛々しさも他のどのトリックよりも勝るとも劣らない。

地元で昔からお世話になっているレジェンド、ヒッチハイカー日本人第一号である乙幡君は、その昔大阪城でライディング中、とあるスポットにハンドレールがあるらしく、果敢に挑んだところ、見事に顔着し頭蓋骨を割る大怪我をしたそうだ。なお、その場で一部始終を見届けていたE君が、ライダーの意地とプライドに賭け続けて挑んだところ、又しても顔着となり結局2人揃って頭蓋骨を割り、近くの病院へ2人で入院したという武勇伝を乙幡君から聞いたことがある。


大阪城にはライダー殺しの、


「鬼門」


があるそうだ。




そんなエピソードまで思い出してしまった、昭和の日のライディングは、初夏の陽射しを豊かな緑が優しく癒してくれた。
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jason

2010-04-26 23:51:14 | Weblog
約週一の更新頻度にも関わらず、毎日多くの方々からのアクセスがある。

そんな訪問者の皆様には日々申し訳ないと感じつつも、事実上、


週刊20INCHERS


は今週も恒例の昔話をお届けしよう。




老舗のビッグネームのライダーが、近年再び頻繁に名前を見かけたり、メディアに登場するのは実に心暖まるひと時である。
ブランクがあったライダー、ライディングはコンスタントに続けてはいたが、コンテスト等の第一線から退いていたライダーなど、事例も様々だ。

ただ、久しぶりに見れたこと自体は喜ばしいことだが、その多くは全盛期の勇姿が自分の大きな固定観念として備わっているせいか、どうしても無意識に当時と現在とを比較する視点で見てしまう。
それが嬉しくもあり、どこか切なくもあり、極端な場合はいろんな意味で凹んだこともあった。

写真はアメリカの一部で出回っていたインディーズフリーペーパーGROUND WORK。
誇らしげに表紙を飾るのはかつてX-GAME常勝のtrevor mayerだが、彼もまた自分の中ではbacovision5の時代の姿のまま、時が止まっているかのようだ。
アメリカ全土にある大手スーパーマーケットチェーンの殿堂、FOOD 4 LESSの巨大コンテナが背景に写る広大な駐車場で、キャッチーなthe muffsのbgmに合わせて見せる、ピンキースクエーカーとマックサークルといった、多彩なコンビネーションの展開から締めくくるダブルディケードは、まんまchaseのコピーとわかっていても、自分のライダー人生においてターニングポイントのひとつとなった。アクセントで見せる一発もののクロスフットストールディケードは未だに生で見たことがない。

因みにそのtrevorのパートに魅せられ、the muffsのライヴにも足を運んだくらい虜になったのを覚えている。

だが、時代と共にライディングも変化を遂げたのだろう。
先日見た恐らく最近のもので有ろうtrevorのライディングは、自分の知っている彼のスキルを思うとやはりどこか切なさを感じた。





また、身近な所では、かつて航空公園駅の構内で毎晩ライディングしていた時代に、地元でもないライダーが遠路はるばる愛車を飛ばし、毎日夜な夜なライディングしに来ていた。
毎晩8時過ぎには必ず彼から、


「今日は(乗りに)行きますか?」


と決まって着信があるため、こちらも仮に疲れていても休みにくい状況となり(笑)、日付が変わる間際に交わす帰りの挨拶はいつも、


「また明日!」


と、それはあたかも、


「明日も必ず来いよ!」


と言わんばかりの会話のキャッチボールが日課となり、ライディング中はお互い数時間一切口をきかないことなどざらだが、真冬の凍える夜中にライディングの合間、

「今はしんどいけれど、いつか絶対にうまくなって一緒に世界へ挑もうぜ」

と固く誓ったこともあった。

しかし、とある日のライディング中に彼は不慮の転倒により骨折と、皮肉にも強制的な長期休暇を余儀なくされた。
結局完治するまでには約一年近い日数を費やし、漸く念願のライダー復帰したのも束の間、間もなく再び骨折となんとも不幸な負のサイクルに支配されてしまった。

復帰直後にまさかの振り出しへの出戻り。
何者かの監視下におかれているかのような、あまりにも出来過ぎた偶然。それは恐らく、





の仕業だろう。
当然、彼と会うことも減り、次第にフェードアウトして全く噂も聞かなくなること数年間。

去年、地元のOBライダー達による宴に誘われ、数年ぶりに彼に会った。その宴の席には始めから居たらしいのだが、本気で気づかずに自分は非礼にも彼の目の前を華麗にスルーしてしまっていた。数年間という長い時間、時代は、彼の見た目から、オーラ、ライダーの匂いをも全て洗い流してしまっていたのだ。

再会を果たし久しぶりの会話を交わしても、何故か遠い距離を感じてしまうのが淋しくて仕方がなかった。




後半は典型的な凹んだ例。今自分が日々乗り続けていられるのも、単なる偶然なのかも知れない。



一回一回のライディングに、乗れる幸せを噛み締めて。
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river

2010-04-19 10:14:55 | Weblog
美しき清流を流れるひとつの球は、まばゆく光る水晶の如し。



美しき清流=助走の速度

球=滞空時間

水晶=メーク



2週連続の駒沢公園。
この日は何度決めてもやはりローレイドが最高に気持ちよかった。
今メークできる作品の中で断突の危険度を欲しいままにしている今日この頃だが、ライダー魂特有の無い物ねだりも甚だしく、何回メークしても決まって、



「まだ(進入速度が)遅い」



常に響いている「メークの向こう側」からの要求。
その繰り返しで日曜日は観測史上最速(前回比)の助走でメークすることができた。
しかし、その「自称メーク」の多くは跳ぶ瞬間にBMXごと浮いてしまっている。これは、とにかく必死に戻ろうとするが故に、一連の動作が雑になっていることの顕れであり、


ローレイド


の名前を語るには、やはりリヤペグから地面に接地しているリヤホイールの回転をキープしつつ、純粋に走りっ放しでメークさせることが鉄則だ。
先日skipさんが編集してくれた、先の湘南での大会映像に収録されている我がローレイドは、奇跡的にも理想形でリヤホイールが浮くことなくメークできている。

難しいのは、浮いた時は自覚があるのだが、浮かさずに戻れた時の感覚は実に曖昧であること。
だからこそ殊更、BMXが自転車として地面を転がるタイヤの回転を求めつつ、自分自身だけが宙を舞うのが、


清流を流れる水晶



と感じる。
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canpas

2010-04-12 06:57:06 | Weblog
ライダーとして育ててくれた母なる大地と掛けて、生まれ変わった駒沢公園と説く。

その心は。





神聖(新生)。





東京のBMX聖地駒沢公園の路面が、新たな舗装により甦った。
長年に渡るライダーの果敢な努力の賜物に他ならないが、年々アスファルトが劣化し、さながら鬼の洗濯板と言わんばかりのタイヤ泣かせな路面になっていた。

実際、自分が駒沢の大会に出始めた頃の映像等を見ると、かつて駐車場として利用していた時代の白線が写っている。つい先日に至るまでそんな白線など原形を留めることなく抹消されていた。

そんな折、方々から駒沢の舗装工事が始まるとの情報を小耳に挟み、また、最近その工事が終わり最高のライディングスポットとして生まれ変わったという話も聞いていたため、最近ずっと気になっていた。

4/11AM9:00
ついにこの目で確かめに公園内に入り、通り慣れた毎度のコースでいつもの場所へ向かう。すると、遠目に見ても何やら様子がおかしい。
次の瞬間我が目に飛び込んできたものは。



絶句。
正直かなり引いた。



あの広大なスペース全てが、生粋のフラットランドに。車止めやガードレールも全て撤去され、思いのまま乗れる環境としては、恐らく都内最強。

視界、オールクリアー。
今、目の前に自己表現に障害となるものは一切なく、心の赴くままに思い描ける自由なキャンパスが広がっている。



そんな聖地の復活を喜んだ、自分と同じ都下ライダー竹内竜男氏とも久しぶりの再会。
互いに好きな場所で自由に乗ればいいのだが、あまりの広さ故に拠点が定まらず、結局隅のスペースに落ち着く傾向があった。
そして練習の回を増す毎に、無意識に助走の距離、速度も増す一方。ふと我に帰り、仕切り直すこともしばし。





東京のBMX聖地=駒沢公園

神話は終わってはいなかった。
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1st contact

2010-04-10 05:52:54 | Weblog
さて、約一年弱に及ぶ取り組みが実った今日という日の喜びを、どこから綴って行こうか。



そもそも、バックフェースのブーメランを練習していたある日、たまたま勢いでバックライドのGターンが2周回って(切り返し4回)戻れたことがあった。
その瞬間を残しておくべき、G-TURN×4=720と書き残した数年前の記事がある。

その後、航空公園で埼玉のライダー達と練習していたライディングの合間にも、この動きをベースに、更にスカッフ以外の動力を加えることができないかと、素朴な夢を語り合ったのが懐かしい。
プロジェクトが本格始動したのは、2009年夏。平塚ビーチパークジャムでの動画で、自分のバックライドのGターンを繰り返し見て検証してみたところ、何度見てもやはり勢いを持て余しているように見え、それはその先の展開を見せられる可能性を、


「戻る」


という理由で力ずくに押し殺してしまっているように見えた。
その時に悟りを開いた。


「これはその先の領域に踏み出せという、神のお告げか」


やるならメークするまで本気で取り組む。他の練習のウェイトを削ってでも、それに集中する価値があるかどうか。
それを見極めた次の日から720は練習メニューの大半を占めるようになり、日々一進一退を繰り返す中、気がつけば2010年に。

1/2の初乗りでかなり720の動きは確立された手応えがあり、調子がいい回は720の後にバックフェースのブーメランまで回り始めるようになった。
空想から現実へまた一歩近づいた実感があり、日毎にブーメランが完全に1回転回りきるようになった上、あわよくば両足ペダルキャッチまでの仕上がりに。
2010年を迎え、乗れば乗った分だけ顕著に現れるファーストコンタクトに、心ときめく日が増えた。

それが、「今年の初メーク」という決定的な収穫となるまで4ヶ月を要した訳だが、この日の朝は、前夜の雨が22時の段階で降り続いていたため、明朝のライディングは絶望的と勝手に判断し、目覚ましをいつもより1時間遅い6:00にセットした。

明くる朝、妙な眩しさで目を覚ますと、そこには昨晩の雨が嘘のような澄み渡る青空が。路面も何等問題なく乾いている。
しかし、時既に遅し。
家を出る頃、時計の針は間もなく7:00を回ろうとしていた。判断を誤った自分に悔やみながら、渋々と出勤。

美しい青空、眩しい太陽は何故ここまでライディング意欲を掻き立てるのだろう。どうしても我慢ができずに、会社へ向かうコースを無意識にUターンしていた。

向かった先はいつもの駐車場。
毎度のノルマ全ては、時間的に到底熟せないが、許された時間は30分ある。ひとつの作品に集中するには決して無駄ではない時間だ。
720からのブーメランは80%~90%の仕上がりで早くも時間切れ。
続きを昼休みの30分に賭け、回転軸が定まらず苦戦しつつも、




初メーク。




喜びを心の中で叫び、誰もいない開通前のバイパス上で、失禁寸前となった。
思い描いたものを、この瞬間にまたひとつこの世へ生み出すことができた。





ファーストコンタクトはいつも呆気なく、それでいてごく自然だ。
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2010 1st

2010-04-08 12:45:21 | Weblog
back 720 to boomerang

たった今初メーク。
詳細は後程。
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dirty leg

2010-04-02 08:02:48 | Weblog
春風と共に、ある作品の初メーク秒読みの息吹も感じ始めている今日この頃。


今週に入ってからもその仕上がりは登り調子で、今日こそ初メークさせてから仕事に行こうと決意を固め、いつもより10分早く家を出た。
景気付けのノルマ6つを片付け、いよいよ一番のお楽しみである問題の作品に取り組むや否や、相変わらずの好調ぶりでテンションは上がる一方。
そしてこの時こそ、本日の最大瞬間風速、約99%の出来高を観測。


「あとほんの一歩」


「次の回で必ず決める」


麗しき宝石は、今、目の前に見え隠れし始めている。良い意味で最も練習に嵌まれるひと時であり、あたかも初めて自転車に乗れそうになった幼少時代の郷愁が甦った。
また、半ば勝手に手に入れたも同然と自惚れるもう一人の自分の存在を意識し始めた次の瞬間、





甘かった。


フロントタイヤバースト物語。






静寂な早朝の街を突き抜けるけたたましい破裂音。

確かに、タイヤを点とした軸に全体重をかけ捻り込む様は、タイヤのブロックパターンに対する容赦ない蹂躙。かつ、ハードなアスファルトが手伝ってブロックがピンポイントでえぐり取られてしまったのだ。
実に勿体ない。
全体的にはまだ3分山程度だが、作品の表現には十分なレベルだった。とは言え、やはり100あるうちの1が欠けても全てが機能しなくなるのは、無駄な存在などない証として心に響いた。




本気で挑んだことを物語る、血だらけの右足を引きずりながら出勤した、ある日の日記。
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