最近絵画教室に姿を見せなくなっていた男性に,偶然町中で出会ったのでどうしたのか聞いてみたところ,「友人に誘われて俳句を習い始めたんですよ。何時何処でも出来て,こんな手軽な趣味なんて他にないですね。絵はこうはいきませんよ,とにかくお金がかかりますからね。で,まあ,絵の方はお留守になってしまったというわけですよ」。
俳句作り,と聞いてわたしは触手が動きました。今の若い人は知りませんが我々の世代は俳句などはごく身近にあったと思います。例えば忘年会などで年忘れ句会とかなんとか言って,最優秀句には賞品が出る時など皆大張り切りて作ったものです。それからハイキングに出かけた時なんかでも昼食後の休憩時間に幹事さんが頃合いを見計らって,「ではこれから30分のxxx山登頂記念句会開きます」となるわけです。皆で一緒に作って披露し合うのはとても楽しいものです。
一方,最近年を取って来たせいかいろいろ失敗談があります。そんな時ごく自然に五七五の句が浮かんでくることが多いのです。それらはほとんど季語が入っていません。そうだ! 毎日新聞には愛読者の川柳を載せる万柳欄がある! せっかくだからそこに投稿してみようということになりました。4,5句出来るとハガキに書いてポストに投函すること数回目,なんと私の句が載っているではありませんか! 驚くやら嬉しいやら。その翌週絵画教室に行った時です,仲間の一人が私の所に来て,「ひょっとしてあれ佐藤さんの句?」と言うのです。「そうなのよ」。そしてそこに居た皆から「わあ,すごい!」,「おめでとう!」,「おめでとう!」。
載ったのは 安売りの買い物重くタクシーに
でした。