人はなぜ戦争をするのか

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集団的自衛権の行使を禁じた憲法こそが戦争の抑止力

2014年05月15日 18時48分44秒 | 社会
集団的自衛権の行使容認に向けた有識者懇談会の報告書が5月15日に安倍首相に提出されました。これを受けて安部首相は集団的自衛権行使容認の閣議決定を早期に目指す方針です。政府が集団的自衛権行使容認に踏み切る建前は、現行の憲法解釈では国民の生命と財産を守れないという国際情勢の変化にあるようです。しかし、集団的自衛権を行使可能にすれば本当にわが国は今より安全な立場に置かれるのでしょうか。仮に同盟国を守るために敵国と交戦状態に陥った時、宣戦布告とみなされて本土が攻撃を受けるような事態に発展しないと言い切れるのでしょうか。また、新たなテロの危険に曝されることはないのでしょうか。幸いなことに、これまでわが国はイスラム原理主義勢力などからのテロ攻撃を受けていません。わが国はアメリカと同盟関係にありながらテロ組織を武力で攻撃しないという暗黙の了解があるからです。しかし今後、集団的自衛権の下にテロ組織と交戦しなければならなくなった時、本土がテロ攻撃の脅威に曝される危険性は非常に高くなるでしょう。そう考えるとわが国を全面戦争やテロの脅威から開放できるのは集団的自衛権の行使を禁じた憲法第九条の理念です。戦争の抑止力は安部首相が言う武力行使を前提とした積極的平和主義ではなく、いかなる戦争をも容認しない立場を堅持するという道義的優位性ではないかと思います。


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