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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第八話Part4

2024-08-17 19:19:31 | 日記
 ミーンミンミン、ミーンミンミン、ミーンミンミン――ダッ
 
「ちょっとお兄ちゃんはもっと夏を満喫してなよ」
「いやいや、もう十分夏を感じたし? やっぱりゆっくりとかき氷堪能したいし」
 
 野々野足軽と野々野小頭は縁側の風通り、そして扇風機の風、それに都会と違ってヒートアイランド現象が起こらないい田舎なら別にクーラーなんて必要ないだろう……と思ってた。それにかき氷は冷えてたし、縁側は家の中でも風通りがいい所にあるものだ。でもやっぱりなんか、ちょっとずつジンジン……というかモヤモヤ……というか? 熱が迫ってきた。昔は……それこそ野々野足軽達がもっと小さな時。それこそ小学生の時は、クーラーなんてなくても縁側で涼めてたと二人は思った。
 でもどうやら、地球温暖化は田舎までも浸食してるらしい。なのでやっぱり縁側で扇風機だけではつらかった。二人はやはり兄妹、同じタイミングで縁側から離れて居間の方へと入ろうとしてた。障子のスライドの扉を反対側から同時に開けた二人。すると扉は開いてるがそれは隙間と呼べる程度だったから二人とも入れない。
 なので二人は冒頭の言葉を言い合ってにらみ合ってた。
 
「レディファーストって知らないの? 女性を優先できないと、彼女に愛想つかされちゃうよ?」
「残念、俺の彼女はそんなの気にするような器の小さい人じゃないんで。それよりもちゃんと俺を立ててくれるようなそんな彼女なんだ。お前も勝気なだけじゃ、可愛げがなくなるぞ」
 
 そんな風にんぎぎぎぎぎ――と二人はにらみ合ってる。
 
「何やってるのよあんたたち。冷気が出て行っちゃうんだから、さっさと入りなさい。もう、お母さんすみません。しつけが行き届いてなくて」
 
 母親にそんな風に言われる足軽と小頭。気づくと祖母が後ろでニコニコとしてた。するとなんか申し訳なくなってとりあえず足軽が引いて、小頭の方から居間の方に入る。すると外よりも涼しい空気が肌にさわる。
 
「ごめんなさいおばあちゃん」
「すみません」
 
 二人はそんな風に祖母に謝る。けど祖母はずっとニコニコとしてる。
 
「ふふ、いいのよ。大きくなっても二人が仲良くておばあちゃんは嬉しいわ」
 
 そんな風に言ってくる祖母。その言葉に足軽と小頭は視線を交差させる。そして祖母に向かって同時に――
 
「いやいやいや。そんな訳ないから」
 
 ――と言った。すると祖母は「はいはい」といって嬉しそうに台所の方へと言ってしまった。まったくもって信じてもらえてない。すると祖母が台所の方へといったのを確認して、小頭がゲシ――と脛を蹴ってきた。


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