UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第六話 Part1

2024-08-03 19:28:54 | 日記
「ふう……ん?」
 
 家に帰ってきた野々野足軽は扉に手をかけた。その瞬間に【観え】た。それは思念。強い思念が野々野足軽が玄関の扉に手をかけた瞬間に流れてきた。そしてそれは最悪な……いやまだ最悪ではない。
 だって取り返しがつく。最悪なのはすでに家族が犯人によって殺されてしまってた状態だ。いくら超能力の始祖と言っても、今の野々野足軽でも死者蘇生は出来ない。
 だからもしも、すでに家族が亡き者にされていたら、野々野足軽にもどうしようもなかった。せいぜい犯人に死ぬよりも辛い苦しみを与えるしかなかった。けど、まだ大丈夫だ。
 
『へへ、今度はここだ。この周辺、片っ端から行ってやる。たまんねえぜ、この力があれば、好き勝手にできる。国家権力の犬どもには俺を止めることは出来ねえ』
 
 そんなことを言ってるやつの思念が野々野足軽には流れ込んできた。明らかにヤバイ奴。そして何をしようとしてるのかもわかってた。奴は強盗だ。そしてその強盗は超能力に目覚めてる。
 目覚めた力は『壁抜け』だ。なぜにそれがわかったのかは思念に残ってたからだ。それに扉を開けずに入っていってるのも観えた。
 
(てか、そんな力が目覚めたなら、民家なんか狙うなよ……)
 
 そんな風に野々野足軽は思う。だってどうやらこの犯人の壁抜けはどんな壁も通り抜けられる感じである。ならばこんな民家を狙うよりも銀行に行け……と思うのは普通だろう。
 だって民家をいくら漁るよりも、銀行をハシゴしたほうが確実に大金を盗めるだろう。それに……だ。民家を狙うなら、こんな平々凡々な民家じゃなく、もっと高級そうな家を狙えばいい。
 野々野足軽の家は普通の中流階級の家だ。貧乏ではないが、贅沢はあんまりできないような……そんな普通の家。旅行だって、年に一回出来たらいいな……くらいである。
 そんな家を狙うよりも、年に何回も海外旅行にいってるような家を狙ったほうが実りだっていいだろう。
 
「さて、どうしようか?」
 
 野々野足軽は考える。はっきり言ってすでに盗んだ後なら実際楽だった。だって野々野足軽は思念を読める。こいつの思念はなんか強いから、より家の中に残ってるだろう。
 なら、追うのも簡単だ。今の野々野足軽なら日本全土から一人を見つめてるくらいできる。夏休みに入るまでの期間で更にその力を伸ばした野々野足軽ならね。
 だからさっさと取って、さっさと逃げててくれれば、人知れずに処理するなんて簡単だった。でもそれは出来ない。なぜなら犯人が余計な欲をだしたからだ。それによって自体は悪い方向へと向かったらしい。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 37

2024-08-03 19:22:34 | 日記
 ポニ子アーマーをまとった勇者はその弾性の高さを利用して攻撃を弾き、さらにはこの狭い船内でスーパーボールのように壁を縦横無尽に移動しながら、目玉たちを倒していってた。
 それにだ。さらにいうと、ポニ子アーマーは変幻自在なのだ。なので一部分を伸ばしたりもできるわけで、それによって伸ばした部分を壁にくっつけてそっちに強制的に引っ張る……とかいうただの人間型の体では出来ないような動きをできるようになってる。
 それにちょっと離れて油断してる目玉にポニ子アーマーの腕を伸ばして掴んで引っ張ってくるとか、逆にいっきに近づくとか……その応用性は無限大だ。そしてきっとそれが楽しいんだろう。勇者はかなりポニ子アーマーが気に入ってる様子。
 
「よし、これなら……ミレナパウスさんもどうですか?」
「私ですか?」
「はい。これなら安全に近接戦もできる思います」
 
 そんなことを勇者は言い出した。まあ確かに、ミレナパウスさんは元の世界の体のままだからね。はっきり言って私達とは比べるべくもなくその体は貧弱だ。今だってG-01によって作られた小型の空気清浄機というか? ミレナパウスさんの周囲だけに作用する特別な装置をその腰につけてもらってる。そうじゃないと、彼女は生きられないからね。ただ息をするのだって、世界が違えば死に直結する行為になるのだ。
 勇者とかはそんな自覚はないだろうが、それは私達と旅に出たときにはもう勇者の体はG-01によって作り変えられてたからだ。その体はもうほぼすべてが機械のようになってる。
 だから生身ではない。ほとんど勇者にはその自覚はないだろうけどね。元よりも数倍、数十倍は強くなってるのはそのせいだ。それにだからこそいろんな世界へと対応できるようになってる。
 
 けど生身だとそうはいかない。だって普通はその生命活動を維持する基準はその世界である。生まれた世界基準なのは当たり前だろう。その世界で生まれたのに、別の世界の基準の体を持ってたら……それはバグだよ。
 空気があって水があって……とかはどこの世界にもあるかもしれないが、その内容を精密に分析したら空気といっても成分が違う可能性はあるし、水だって含まれてる何かが違うかもしれない。
 そうなったらただの生身の体だと、どうなるかわかんない。だからこそ、生身で世界を渡る……なんてのは危険極まりない行為だ。まあそれでも、ここにある船は……
 
 とりあえずミレナパウスさんは私達基準ではぶっちぎりの最下位で弱いということだ。戦闘面でもそうだけど、ただ生きるだけでも……ね。そんな女性に戦闘を? ある意味で勇者は鬼か? と思うね。