UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第七話Part3

2024-08-10 19:32:12 | 日記
「う……ん」
(お兄ちゃん?)
 
 小頭はかすむ視界の中で、兄の姿を見た……まるで恐ろしい存在の様な……怒気を放った足軽。そんなのは初めてで……それは……
 
「はっ!!」
 
 野々野小頭は目を開けた。大きく鼓動が波を打ってる。まるでさっきまで全速力で走ってたみたいな……そんな鼓動の速さだ。それに息も……「はっはっひふっひっひ」となんかおかしい。
 さらには小頭の目にはいつもの天井が見えてるのに、その天井に重なる様にある物がみえてた。それは大きな黒い男。それが小頭の上に覆いかぶさってくるような……そんな光景がみえてる。
 そのせいで、次第に息が上手くできなくなっていく……
 
「小頭、俺を見ろ」
 
 そんな優しい声。そして小頭の額にとん……と置かれた手。その手が不思議と小頭の中から悪夢というか不安というか? それを吸っているかのようだった。それになんか冷たいし……
 
(気持ちいい)
 
 ――と感じる。
 
「どうだ? 落ち着いたか?」
 
 なんか全てをわかってるような……そんな感じの野々野足軽の言葉に小頭はイラっとした。理不尽なのはわかってる。きっと何があったか野々野足軽はわかってて、だからこそ優しくしてる。まるで昔のように……けどそれが……
 
「うっさい、ばか」
 
 小頭は寝返りを打って足軽に背中を向けた。なんとなく名残惜しく感じた額……けどそれを振り払うように毛布を頭までかぶる。
 
「そうだよな……俺が家にいればあんなことには……ごめん」
 
 後ろの方でそんな後悔をにじませるような声が聞こえる。たしかに男性である野々野足軽がいれば、どうにかなったかもしれない。そもそも足軽がいたら、犯人が入ってくることもなかったかもしれない。
 
「怖かったよな……」
 
 ギュッと小頭は体を縮こませた。今も目を閉じるとあの光景が見える。足軽の手を感じてた時は思い出さなかったそれが、目を閉じるとよみがえる。
 
「……ん」
 
 ごそごそと毛布の中でやってた小頭。そして毛布の中から手をニュッとだした。それを見て足軽は何も言わずにその手を取ってくれた。
 
(なんで今更……中学に入ってからは私の事放っておいてたくせに……)
 
 小頭はそんな事を思ってた。何か言ったら付き合ってくれるが、昔のように四六時中一緒にいる……ということはない。小頭はわかってる。そもそもがそれは足軽も、そして小頭も成長したからだ。兄と……そして妹といつまでもべったりなんてしてられない。
 成長と共に、自然とそうなっていくものだ。けどそのズレ……成長のズレ。先に大人になっていく兄から先に妹離れしていくから、小頭は先に突き放されたって思ってる。
 だからこそ、今更……なんだ。優しくするなら、いつもしてなさいよ……それが小頭の要求だった。そこには今日のあの犯人の姿は一ミリも関係なかった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 42

2024-08-10 19:26:43 | 日記
「えーい! ていやあああああああああああああああああああああ!」
 
 わざわざそんな風に声を上げて、目一杯戦ってるミレナパウスさん。かなり大胆に戦ってるミレナパウスさんは、自身の被弾には目が言ってないみたいだ。まあ目玉の攻撃ならどうやらポニ子の弾力装甲の前で無力化されてるから問題はないから良いけどね。
 でもあれは実際、ミレナパウスさんが戦ってる……と言っていいのか? なんか解んなくなってくるというか? だってミレナパウスさんは結構へっぴり腰だし、殴るときは目を閉じてるし、そもそもが実際あんまり近寄ってないというか? いや、ミレナパウスさん的には精一杯近づいて攻撃をしてる……ってのはわかる。
 
 だって目玉達は結構不気味だしね。近寄るのは怖いだろう。女の子なんだしなおさらだ。私だってG-01に乗ってなかったから、あんなのに近づきたくない。私がこうやって呑気に講釈を垂れることができるのは絶対的に安全な場所にいるから……だ。
 
 そしてミレナパウスさんが奴らとなんとか逃げずに戦えてるのも、ポニ子アーマーという鎧を身にまとってそれが安全だとわかってるからだ。
 
 とりあえずミレナパウスさんのへっぽこな戦い方でなんとかなってるのはだいたいポニ子のおかげだ。あいつ自分ではあんな動きをしないのに、ああいう風に他者の介在があれば、戦闘ぽい事もするんだなって新たな発見である。
 だってポニ子ってそもそもがあんまり戦ったりしないからね。そういう役割を今まで与えたこともなかったわけだけど……大体戦う役目は勇者とか魔王にやらせてた。あとは自分自身……だからポニ子は護衛とか……そっちを任せてた。それにあいつ自身、そんなに戦いたくなさそうだったし……でも今へっぽこなミレナパウスさんをうまくフォローして立ち回ってるポニ子を観るに、案外戦えそうだなっておもえる。
 
 だって全く持って腰が入ってないミレナパウスさんのパンチもポニ子の腕がミョーンと伸びることでうまく目玉にあたってる。ときにはパンチに見せかけてその特性をうまく使ってクルッと目玉を巻き込んで、投げ飛ばす……なんてことも臨機応変にしてるし……慌ててるミレナパウスさんの動きに合わせて、うまくジャンプ力とか、自身の身体……つまりはアーマー部分を増減したりしてミレナパウスさんを守ってる。
 当然だけど、目玉達はポニ子アーマーに守られてる本体であろうと思ってるミレナパウスさんを狙ってその腕を使って攻撃してる。
 けどポニ子アーマーの中にいるミレナパウスさんは、一瞬大きくなったポニ子の中でうまく移動させられて目玉の腕を避けてる。ポニ子自身はその腕に欠損させられてるが、痛みなんてのはないんだろう。
 なんてポニ子アーマーは優秀なんだろう。けど……問題はある。
 
「決定打がないね」
 
 それである。