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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第八話Part1

2024-08-12 19:43:40 | 日記
ミーンミンミン、ミーンミンミン、ミーンミンミン
 
「あつ……」
 
 野々野足軽一家は田舎に来てた。九州の長崎の方だ。そこに父方の祖父たちがいるのだ。だから夏休みに一年に一回父方か母方の田舎へと帰省する。それはローテーションで野々野一家の中では回ってる。だから正月は今度は母方の田舎に行くことになるだろう。
 
 因みにこの前に既に平賀式部との二回目のデートはこなしてる。二人のデートは今回は上手くいったと野々野足軽はおもってた。今でも世界中で超能力者は増え続けてる。 
 けど新たな策を野々野足軽はとったのだ。流石に物理的に考えてすべての超能力者を感知して介入するなんて野々野足軽一人では不可能だ。それに実際うまく最初からなじんだ力とかは野々野足軽だって感知してない。
 あの自宅に侵入してきた男の事だって野々野足軽は知らなかったわけだからな。だから下手に暴走しなければ別に野々野足軽がわざわざ出張る必要はなくなるのでは? と考えた。
 大体今まで野々野足軽が飛んで行ったのは超能力が暴走して甚大な被害を出してしまいそうな場所だった。てか暴走までするほどに力が高まってないと野々野足軽にもわからないってことだ。
 だから実際、野々野足軽が把握してないほどに超能力者は目覚めてるんだろう。でもその全ては暴走してないわけで……実際アメリカで数件、ヨーロッパで一件とか、中東でも一件の暴走事件が起こるだけで、その移動距離的にめっちゃ大変なんだ。
 流石に野々野足軽もワープまでは習得してない。けどもしかしたらそのうち、そんな力に目覚めた超能力者が出現する可能性はある。でも今はないから、飛んでいくしかない。戦闘機よりも速く飛べる野々野足軽だが、世界中を毎日飛び回るとなると、疲れてしまう。
 それに実際、一日たった数件の事件しか起きない……なんてのはなかった。暴走状態に陥った事件は十件くらいは毎日起きてしまってた。だからこそ、いつだって野々野足軽は寝る間も惜しんで世界中を飛び回る羽目になってた。
 
 でもそんな生活は長くは続かない。だからこそ、どうにかしないといけなかった。アースと相談して、野々野足軽はこの地球全体を覆うだけの結界的なものを張ることにした。
 今ならそれが出来そうだったのだ。そんな提案をしたアースによれば。それに実際、国ごとに……なんてのもやってられなかった……てのもある。だから地球を丸々囲い込む結界を構築したのだ。
 そしてそれが稼働しだしたことによって、突如発現した力によって心身のバランスが崩れての暴走状態になる――という事態は劇的に減った。何をやってるのか? と思うだろう。その結界はなんでそんな事ことが出来るのかと……
 野々野足軽とアースは結界の内部にある潜在的な力……それを抑えるような結界を張ってる。それは普通の人にはなんの影響もない。それに力が覚醒してない超能力者にも影響はない。
 だってまだ覚醒してない潜在的な力にしか影響してない、いうなればとてもうっすい力を地球全体にかけてるみたいなものだ。だから誰も気づきはしない。けど潜在的な力、それだけはいきなり飛び出るってことがなくなったのだ。
 
 いうなればその結界は栓なのだ。『正しい時』に力が『正しく発現』するようにしてる栓。それのおかげで野々野足軽の稼働は大きく減ったのだ。なにせ力が暴走するのはいきなり目覚めて、そしてそれに体がびっくりしてしまうからだ。
 だから力が目覚め潜在的な時間的猶予……それを作るための結界。それが野々野足軽とアースが作った結界だ。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 44

2024-08-12 19:36:36 | 日記
「私の魔法で……」
「でもその魔力をここで消費するのは」
 
 ミレナパウスさんはどうやら決定打に魔法を見込んでるみたいだ。まあけどそれはそうだろうね。だってミレナパウスさんが研鑽を続けてきたのは「魔法」だもんね。それならばその研鑽を続けた技術に希望を見出すのは何もおかなことじゃない。
 むしろ普通だ。当たり前といっていい。けどそれに対して勇者は慎重になる。
それもわかる。なぜなら、それはミレナパウスさんの魔力を心配してのことだ。なにせここはもう彼女の世界じゃない。つまりは……だ。つまりはその魔力を補充する手段が乏しいということになる。
 通常ならば、魔力とかはその世界に蔓延してたりする。もちろんその蔓延してる力をそのまま使えるわけじゃない。そんなのができるやつがいたら、きっと世界の英雄か、魔王とかになるだろう。
 
 けど大体はずっとその世界にいる中で馴染んでいき、世界の力を僅かずつでも取り込んで自身の「力」に誰もがしてる。つまりは周囲の世界の力を取り込んで自身の力に自然としてるのだ。魔力の補充とか、時間が経てば力が回復するとかは……そういうからくりがある。
 
 けどここは別の世界である。いや、世界ともいえない空間……か。つまりは馴染んでるわけはなく、外部からの魔力の補給はできない。高性能な勇者とかの体でも世界が変わればエネルギーの補給はG-01経由でしかできなかったんだから、ただの肉体しか持ってないミレナパウスさんが自然と周囲のエネルギーを取り込んで自身の力にする……なんてのは無理だ。
 
 まあ一応、魂から漏れ出る力――ってやつもある。世界から吸収する力と違ってその人の魂から生み出される力だから、それはどこにいようと世界が変わろうと自然と溜まっていく。
 でもそれは微々たるものだ。本当に微々たるものだから、あんまり当てにはできない。そして今は、それしかミレナパウスさんには魔力を回復する手段はない。いや、G-01で回復させる事できるけど……それだけに頼りたくないという思いもあるんだろう。
 
 そもそもミレナパウスさんは私……というかG-01のことを恐れ多い存在……と思ってるみたいだからね。
 
「いいえ、私が無理矢理ついてきたんです。ただ足手まといになんてなれません。やらせてください」
「なにか考えがあるんだね? 君の魔法は回復系が多かったと思うけど」
「そうですね。けど大丈夫です。やってみます!」
 
 ミレナパウスさんは聖女だった関係上、矢面に立つというよりは後方支援型の魔法タイプなんだよね。でもどうやらなにか策があるらしい。ならば見守ってあげるのも私の役目。
 どうせまたすぐに目玉はくるだろう……と思ってたら早速来た。ミレナパウスさん達も気づいたようですぐに構えを取る。