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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第八話Part2

2024-08-13 23:54:08 | 日記
「おうおう、ようきたようきた。足軽も小頭も半年ぶりじゃな」
 
 そんなことを言って迎えてくれる野々野足軽の父祖。その人はかなりやせてるが、小麦色に焼けて体の割には元気そうだ。きっとさっきまで畑仕事をしてたんだろうというのが伺い知れる。暑いからさっきまで着てたであろう畑作業中の服を脱いで上半身は半裸だった。
 
「おじいさんなんて格好してるんです。せっかくカワイイ孫が来てくれたっていうのに! ほら、ふたりともかき氷食べるかい? 暑いでしょう?」
「婆さん! わしには!?
「貴方は麦茶でも飲んでなさい」
 
 そういってヤカンを渡す祖母。祖母は髪の毛は白くなってるが、それでも凛とした女性の雰囲気を醸し出す人だった。野々野足軽はよく「なんで二人は夫婦なんだろう?」と子供ながらに思ってる。
 伝え聞いた話によると、どうやら昔、紆余曲折の大恋愛の末に二人は結ばれたとかなんとか……まあどこまで本当なのかはわからない。けど二人は仲が良いのは確かだった。
 
「はっはー! これよこれ! 流石婆さん! わかっておるな!」
 
 そういってヤカンを受け取って祖父はヤカンの注ぎ口からドバドバと麦茶を煽りだした。そこは文句いう所じゃないんだ? って野々野足軽もそして小頭も思った。
 
「よし、儂は畑にまた行ってくるから、ゆっくりしておるんじゃぞ!」
 
 祖父はヤカン事再び畑へと戻っていった。家の周りはすべて山と畑みたいな場所だ。見える民家は数件だけ。そんなド田舎だ。
 
「ほらほら、二人共、暑いでしょ? 早くきてきて」
 
 そう言って祖母は二人を招き入れる。母親は早速祖母の手伝いを申し込み、父親は何やら準備して外に……きっと祖父の手伝いにいったんだろう。野々野足軽の父は田舎で農家になるのが嫌で都会に出ていったといってた。
 大学とかは出ずに高校を卒業してすぐに喧嘩別れみたいな感じで飛び出したんだとか。それから数年は全くもって実家に寄りつくことはなかったらしい。けど母と結婚となった時、やっぱり両親に挨拶はしないと行けないと母に言われて、数年ぶりに実家にやってきた。
 
 そこで何があったのかは野々野足軽は知らないがきっと和解したんだろう。だからこそこうやって実家に戻ってきてるし、そして戻ってきたらこうやって祖父の手伝いをしてる。
 
「うわ、おばあちゃんすごいねそれ」
「ふふ、インターネットで見たのを真似たのよ」
 
 驚いてる小頭の声。何だ? と思ってたら、出てきたかき氷で納得した。なんかテレビとかで見た子あるおしゃれなカフェとかで出てきそうな、大層なかき氷が出てきたからだ。