UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第九話Part2

2024-08-19 19:29:12 | 日記
「ねえ、何かやってよ」
「は?」
 
 いきなりそんな事を言い出した小頭。限界集落のこの場所にも電波はあるが、ずっとスマホを弄るのも飽きたのか、野々野小頭はそんなことを言ってきた。今は田んぼの傍にあった川にきてた。やっぱり水が重要なのか、綺麗な川が流れてる。そこまで大きくもなくて、水位だって高くない。夏の暑さのせいで水位が下がってるのかもしれないが、ちょっとした水遊びくらいはできそうだ。
 
(都会だと小さい川なんて臭いからな……)
 
 そんな事を思う野々野足軽。けどここの川は涼やかで気持ちよかった。変なにおいはしない。それに夏の日差しに対して水面がキラキラとしてる。これで時々パシャンと魚が飛び上がったりしたら、アニメで見たことある! とかできたんだが、流石にそんな事はなかった。
 
「せっかく川があるんだし、クマみたいに魚取れば? 私はそんなお兄ちゃんを撮ってあげる」
 
 そういって小頭はスマホを向けてくる。きっと動画モードにしてるんだろう。でも兄のそんな姿を撮ってどうするのか? と野々野足軽は思う。それに……だ。それに……
 
「川で遊ぶならそっちの方がいいだろ? きっと絵になるぞ?」
 
 そういって足軽もお返しだといわんばかりにスマホを向ける。なにせまさに「夏!」という格好をしてる小頭である。どう考えても足軽は自分よりも小頭の方が川にあってると思った。
 
「やめてよ。妹を変な目で見てるわけ? 最低ー」
 
 氷点下の瞳でそんな事を言ってくる小頭。酷い奴だ。ただ足軽はやり返しただけなのに。
 
「はあ、やっぱり田舎なんてつまんないなぁ……」
「なら爺ちゃん家にそのままいたらよかっただろ? 何もないなんてわかってるんだからさ」
 
 そうだ。そもそもが何回も来てる二人である。ここ数年は大体小頭はずっと家に引きこもってたはずだ。それこそもっと小さな……小学校低学年くらいの時は二人で周囲を探検したものだが、そんなのは大きくなるにつれてなくなった。
 外に出るのは足軽で、小頭はずっと家にいておばあちゃんの手伝いしたりしてた。なのに今回はなんかついてきた。何も面白いモノなんてないってもうわかりきってるのに……田舎の方には別に友達とかいないしさ。
 
 よく漫画とかでは田舎にも親しい友達がいたりするものだろう。田舎の元気な子で、一緒に野山を駆けて遊んでたけど、数年越しに会うと実はその子が女の子だったことを知る……
 
(そんな出会はなかったんだよな。現実って残酷だ)
 
 田舎には人がいない。人が居ないとどうなるのか……それは子供だって都会よりも少ないということだ。まあいるにはいるけど、歳が近いわけでもないし、一緒に遊ぶこともない。今や田舎でも駆け回って遊んでる子供なんてここではあまり観ないのだ。
 
 田舎で待っている美少女がいるなんて……そんな展開、全くないから現実の世知辛さを感じてしまう野々野足軽だった。そんなことを思ってると、なんか上流の方からハンカチ? みたいなのが流れてきた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 49

2024-08-19 19:23:56 | 日記
 ミレナパウスさんとポニ子の組み合わせでかなり安心できるということがわかった。カウンターというか反射なら今のしょぼいミレナパウスさんの動きでもどうにかなる。
 というか別に動く必要なんてない。ただだ攻撃を待ってればいいんだから、そこまで身体能力が高くないミレナパウスさんにはあってる。まあ身体能力が高くないというのも、私達基準でしかないけど……人間としてみたら巫女であんまり動いてこなかったであろうミレナパウスさんにしてはそこそこ高い。
 運動神経もよさそうだ。その筋肉のつき方とか……体の成長具合……それは……ね。
 
「ぐへへ、いい体じゃん」
 
 ――と言いたくなるくらいにはいい感じなんだよね。立派な双丘もお持ちだし? 全く羨ましいくらいだ。
 
「進みましょう」
 
 そんな風に行ってくるミレナパウスさん。私達はそんな彼女の言葉に頷いて改めてすすみだす。戦闘は主に勇者をメインにその補助としてミレナパウスさんに立ち回ってもらった。
 そしてアイは色々と分析してる。戦闘のたびに、色々とミレナパウスさんに質問して、戦闘のアドバイスをしてるようだ。まあそういうの得意だもんね。G-01の中にいるときはネチネチとよくやってくれてた。
 
 ミレナパウスさんは素直にそんなアイの言葉をありがたく受け取ってる。まあ実際、段々と回を重ねるごとに更にミレナパウスさんとポニ子アーマーは馴染んでいってる感じはある。
 それに私もアイに言われた物を作り出したりしてるからね。それは全面的に頼りたくなるような……そんな便利な武器や防具、アイテムではないが……ミレナパウスさんとポニ子との結びつき? をより強くするのに一役かってる。なにせ……だ。
 なにせ常にポニ子アーマーでいるのも大変だからね。緊張感が解けないと精神面での疲労がどんどんと蓄積されていってしまう。でも……だ。でもだからって戦場で一息ついたらさっくりと殺される……というのは往々にしてあるものだ。フィクションならないかもしれない。ご都合的な力が働いてね。
 まあ実際、今もそれはありえない。それは何故か? それはG-01が周囲を警戒してるからだ。百パーセントではないけど、不意打ちなんてありえない。でもミレナパウスさんにはそれを伝えてはいない。
 私達との旅での初めての戦闘なんだし、これから様々な世界を旅するにあたって常に一緒に居られるとは限らないからね。でもいつだって緊張状態なのはもたない。
 でも気を緩めるのも危険……そんな矛盾を解消するためにも、G-01の出番だった。今の所ポニ子の意思でアーマー状態に移行してるわけだけど、つながりを物理的につくることで、素早いポニ子アーマーの展開と解除、それをできるようなアイテムを所望されたのだ。
 なのでつくって渡してあげた。それはミレナパウスさんの首に美しいデザインの薄青色の輪っかとして装着されてる。我ながら懇親の一作となった。