UENOUTAのお絵描きとかブログ

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転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路へご招待 36

2024-08-01 06:52:03 | 日記
 実際そうなのかはわかんない。もしかしたら、この目玉達は統率が取れてた下の階の方で見た奴らとは違う個体……なのかもしれない。なにせ同じような見た目に見えても、彼ら自身にはまったく違う……というのはよくあることだろう。
 私たちが同じ種類の魚の見た目を細かくわからないようなの物と同じかも。まあ実際確証はない。やっぱりこいつらは何かこれ以上行かせたくない理由があるのかもしれない。
 
「また……」
 
 そんなうんざりしたようなアイの声。そんなに嫌になるほどか? と私は考える。だってアイや勇者にとっては別にそんなに大変な相手ではない。だってここは船の中だ。大量の目玉に囲まれてやってもやってもどうしようもない数がいる訳でもない。
 それに沢山といってもそれは障害物がない外じゃなく、狭い船の中である。展開できる数にだって限りはある。せいぜい一斉に襲ってこれるのは二桁なんとか行くか? 程度だ。その程度なら、目玉に勇者やアイが遅れを取ることはない。
 攻撃を受けたとしても、そこまでダメージを追うこともないんだ。確かに何度も何度も来られたうんざりするのもわかる。でもそんな単純な作業は元がAIであるアイの方が得意だろう。
 なんで勇者よりも早く弱音を吐いてるのか? そんなアイとは対照的に、逆に勇者は結構ノリノリだ。
 
「来ます! 自分が前に出ます! ミレナパウスさんは援護を! ポニ子!」
「ポニニー!」
 
 ――となんかポニ子と楽しく目玉を狩ってる。ポニ子も掃除機で吸われた恨みがあるのか、やたら目玉には好戦的だ。まあだからってポニ子はそもそも戦闘向きな存在じゃない。けどそれを考慮したうえで、上手くこの狭い室内でポニ子を効果的に運用する方法を勇者は開発してた。
 それはずばり、ポニ子アーマーである。何をいってるのか? と思うかもしれないが、つまりはポニ子はその体の特性を利用して、勇者を包むようにその体の体内に収めるのだ。けどそれだけじゃ、とても戦闘では使えない。
 確かに攻撃はポニ子の体が受け止めてくれる。でも攻撃できないと意味はない。ネナンちゃんを守るためだけなら、ただその体で覆うだけでよかった。けど同時に戦闘をこなすとなると、ただのアーマーだといけない。それにそこらのアーマーなんて勇者には必要ないからね。
 ポニ子を纏うメリットが必要だ。けどちゃんとポニ子はそれを提供してる。