origenesの日記

読書感想文を淡々と書いていきます。

岡野宏文・豊崎由美『百年の誤読 海外文学篇』(ぴあ)

2008-12-21 17:54:32 | Weblog
今回は海外文学編。ベストセラーを語っていくというよりかは、1901年以降の名作文学を語っていくような形である。チェーホフ『三人姉妹』、ゴーリキ『どん底』、ジャック・ロンドン『荒野の呼び声』といった20世紀の古典から(この辺は19世紀文学と勘違いされていそうだ)、シュリンク『朗読者』、ジェフリー・ディーヴァー『ボーン・コレクター』、イアン・マキューアン『アムステルダム』、クッツェー『恥辱』といった近年の海外小説まで、手広く論じられている。もちろん、ジョイス・プルースト・フォークナー(『八月の光』)といった大御所の作品も手堅く抑えられている。一作家一作品となっているが、有名どころはほとんど網羅されていると思う。中国の作家は魯迅、莫言、南米の作家はロルカ、ボルヘス、ガルシア=マルケス、レイナルド・アレナスとなっている。
本書の影響で読みたいなと思った小説としてはガルシア・ロルカ『血の婚礼』、カルヴィーノ『冬の旅ひとりの旅人が』、エーコ『薔薇の名前』、マキューアン『アムステルダム』あたりがある。

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