origenesの日記

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ディオニュシウス・アレオパギダ

2008-07-21 19:23:16 | Weblog
5世紀頃のシリアのギリシア語哲学者で、「使徒行伝」のディオニュシウスと別人であることからよく偽ディオニュシウスと呼ばれる(アレオパギダ本人からすれば迷惑な話だが)。彼は新プラトン主義から影響を受け、独自の神秘主義的神学を編み出したことで有名である。
特に日本のサブカル関係に影響を与えたのが、彼の天使論である。彼は天使を9段階にわけ、その一番上の段階をセラフィム、二番目をケルビムと呼んだ。セラフィムに属する天使は、乙女マリアにキリストの誕生を告げたガブリエル、サタンと戦ったとされるミカエル、三大天使に数えられるラファエル、ウリエルの四人である。この内、ウリエルはケルビムであるとも言う。
9世紀のアイルランド出身のラテン語神学者エウリゲナのラテン語訳後、彼の思想は広く受容されるところとなり、神秘主義を排そうとしたトマス・アクィナスと神秘主義者ボナベントゥラの双方に影響を与える。

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