家庭菜園一年生でも簡単に育てられてしっかり収穫できるのが、漬け菜と総称されるアブラナ科の青菜。アジア各地で気候や土に合わせて様々な形に育ち、日本でも各地域に独特の品種があります。4枚の花弁が十字架のように見えることから、昔は十字花科とも呼ばれていました。
バンクーバーの冷夏でもしっかり育ちますが、本来の旬は冬で、緑黄色野菜が乏しくなる季節には欠かせない野菜です。寒いほどコクと甘味が出るので、秋から栽培し、わざわざ霜にあててから収穫することもあります。生育適温は15~20℃で、0℃以下になっても枯れずに日当たりがよければどこでもよく育ちます。また、連作障害が出にくいので、同じ場所で20~30回続けて作っても大丈夫。場所が限られる家庭菜園の優等生です。
<代表的な日本の漬け菜>
小松菜、京菜(水菜)、壬生菜、蕪菜、野沢菜、大根菜、菜花、しろ菜、山東菜、広島菜
<栽培のポイント>
1. 畑の準備:
種をまく10日ほど前に、畑をよく耕し、完熟堆肥をすき込んで、
土を盛り上げ畝を作り、土を平らにならします。
2. 種まき:
種が小さく厚まきになりやすいので、互いにくっつかないよう、
間隔を2cmほどあけ、均一に、ていねいにまきます。
光を好むので土は薄くかぶせて軽く押さえます。
種をまばらにまいて間引きせず、いっせいに収穫する方法も。
また、プランターにばらまきし、本葉4~5枚の頃、畑に植えなおしてもいいでしょう。
根を傷めないように、まわりの土ごと移植するのがコツ。
3. 間引き:
4~5日で発芽。葉がふれあう程度に間引き、最終的に株間10cmくらいにします。
間引き菜も味噌汁の実に。
4. 水やり:
水が大好きな漬け菜類には、乾燥は禁物。乾いたらたっぷり水をやります。
5. 虫とり:
おいしい青菜は虫たちも大好物。葉に虫喰いを見つけたら、葉の裏を探します。
ナメクジは夜食い荒らすので、懐中電灯と割りばしを持って真夜中のハンティング。
つぶすのがいやならトイレットペーパーに包んで外のごみ箱へ。
塩をまいても効果は一時的ですぐに生き返ります。
家庭で食べるためなら少しくらいの虫喰いはご愛嬌。あまり神経質にならずに。
6. 収穫:
ナイフかはさみで刈り取って収穫。地中に残した根は肥料になります。
7. 菜の花:
冬を越し春を迎えたら茎を伸ばすので、つぼみのうちに花茎を切り取り、
お浸しや浅漬けにして味わいます。
(石川まりこ)