Organic Life Circle

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野沢菜、山東菜、芥子菜

2006年04月06日 | 食 品


Nozawana

信州名物野沢菜は、京野菜から改良されたカブの一種。江戸時代中期、野沢温泉村の健命寺の住職が京都から天王寺カブの種を持ち帰ったもの。当時は根が大きく葉は小さかったものが、長い間に土地になじんで今のような葉菜になりました。信州菜、三尺菜とも呼ばれます。

長野県の山間部で、きれいな水が豊富な土地に育ち、秋の霧がかかるとおいしくなるとのこと。葉は大きくて紫色をを帯び、8~9月に種をまいて、60日くらいで長さ50~80cmになれば収穫。カルシウム、カロチン、ビタミンCが多く、漬物にしてもよく残ります。

11月頃収穫したものは、塩漬けにして野沢菜漬けに。別名「おはづけ」。さっと熱湯にくぐらせて塩水に浸け一晩置きます。容器の底に塩をふり、水を絞った葉をきっちり並べて押さえつけ、塩をふって昆布の細切りと唐辛子を置き、またはを並べて同じように繰り返します。家庭によっては、酒粕や柿の皮を使うこともあるとか。最後に塩を多めにふり、押し蓋をして重石をのせます。水が上がったら軽い重石に変え、早漬けは10日ほどで、普通はべっこう色になった古漬け独特の風味を楽しみます。重石を重くすればかたく、軽くすれば柔らかく漬かるとのこと。小さくかたい根は千切りにして天日で干し、切り干し大根のように利用すれば無駄になりません。


Santosai / loose-headed chinese cabbage

中国山東省の原産で、明治の初めに日本へ持ち帰られた山東白菜の変種。平べったくて真っ白な葉柄が直立していて、淡緑色のやわらかい葉は長円形。品種により、球になるものとならないもの、葉先の丸い丸葉と、縁にきざみがあって葉が縮れた切葉があります。暑さ寒さに強く、8~10月頃が種まきの時期。12月に収穫されたものは、白菜のように漬け物として利用されます。


Karashina/mustard green

中央アジアが原産といわれますが、インド、中国であるとの説も。中国では古くから栽培された野菜で、日本でも平安時代の「本草和名」に記録が残る古い野菜のひとつ。品種が多く、各地に特有の芥子菜があります。大きな葉が持つ高菜も芥子菜の一種。寒さに強く、晩秋に種をまきます。縁にぎざぎざがある葉は高さが1~1.5mにまでなります。

冬越しさせて、早春に60cmほどのやわらかい葉や細い茎を選び、お浸しや煮物、漬物に。漬物にする前にさっと熱湯を通すとピリっと辛味がきき、色もきれい。お浸しなどの場合も芥子菜には辛味が心情なので加熱しすぎないように。5月頃には黄色の十字花をつけ、実になります。種をとって粉末にしたものが香辛料の芥子粉。茎についた葉も野菜として収穫して、ピリリとした辛味と、ツンと鼻にくる香りを楽しめます。

(石川まりこ)

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