きなこのひとりごと

きなこの平凡且つ多彩な毎日・・・

風の墓標 

2005年04月02日 | 本・映画
最近、日本船が海賊に狙われるという事件が多発しているようです。
ニュースでその事件を聞くたびに、平岩弓枝さんの「風の墓標」が思い出されていました。
書棚より探しだして久しぶりに読んでみました。


元和4年、朱印船に便乗して一人交趾(コーチ:ベトナム)へ旅発つ13歳の少年がいた。母の遺言で、外国商人の傭兵となった父をバタビヤに訪ねる、新太郎だった…。新太郎の波瀾の一生と、彼への愛を貫いて故国を捨てる乳兄妹・多美。南方各地に雄飛しながら、幕府の突然の鎖国令により、故郷との絆を絶たれ滅亡していった日本人たちの姿と、その癒しがたい望郷の情を、美しく描く歴史ロマン。

と、あります。

この本の中でも、貿易船が海賊に狙われ、貿易品の略奪や、日本人の拉致(日本人は器用で賢く誠実であるあたりが拉致するに値したらしい)が行われる。
今現在、現実にもこのようなことが起こっているのだろうかと思うと不思議でなりません。
海賊はともかく、遠い異国で母国を思い、両親を思い、恋人を思う。そうしながらも拉致や鎖国に苛まれて思いを遂げることができない日本人たち。いつまでも心の奥深くに残る本です。

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