食堂かたつむり

『食堂かたつむり』読みました。　

失ったもの　：　恋、家財道具一式、声

残ったもの　：　ぬか床


料理の神様、たすけてください。　
ある日料理店のアルバイトから戻ると、家財道具もろとも同棲していた恋人の姿は消え、部屋はもぬけの殻になっていた。
衝撃的な失恋とともに声まで失った倫子は、ふるさとに戻り、実家の離れで小さな食堂を始める。お客は一日に一組だけ。
決まったメニューはなく、事前のやりとりからイメージをふくらませて、その人のためだけに作る料理。
食べたお客に変化が現れ、いつしか「食堂かたつむり」で食事をすると願いごとが叶うという噂が広まっていった。
一方、十年前に家を出るもととなった母親との確執は解消されず、依然ぎくしゃくとした関係が続いていたのだが——。　


この本には、こんな風に書かれた帯が付いてました。

「食べること」は愛することであり、愛されることであり、
つまり生きることなんだって改めて教えられる素敵なものがたりでした。　草野マサムネ

毎日口にするごはんにこんなに物語が詰まっているなんて気が付かなかった。
これからは大きな声で「いただきます」と言いたい。　岡野昭仁


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人間は食べ物で出来ています。
体も心も食べ物で出来てるんです。
毎日当たり前のように口にする食べ物、何をどのように食べているのか？
どう食べるべきなのか？考えさせられる本ですね。
とはいえ、私は食べることよりも作る側に注目しました。

私は、そう凝ったものは作れないけど、インスタントのお出汁を使っちゃうけど、
レパートリーは少ないし、発想も乏しいし、お料理上手でもないけど、
それでもなにか、きちんとお料理がしてみたくなりました。
きちんととは、お料理はもちろんのこと、素材選びや作る過程。
キッチンを整理して、早めに準備に取り掛かり、お料理をしながらも後片付けをやるような、そんな当たり前なきちんとです。

オットは気づいてないかもしれないけど、ココ最近きちんとやってます。
「お野菜、たかっ！」って思うけど、それにあう食材を買ってます。
今まで違うので代用したりしてたけど…。
お野菜がいっくら高くてもレタス一個が500円するわけじゃないし（500円になったらそりゃー買わないけど）、
スタバでコーヒーすると思えば298円のレタスだって買えないわけはないし、
うちは二人暮らしだし外食多いし、作るときぐらいはきちちんと材料をそろえて作ろうかなって。どうせ作るならって。

作るのも食べるのも毎回楽しくありたい。そんな風に思えた本でした。

この気持ち、いつまで続くかわからないけどね。　

そうそう食べることだけでなく、人とのつながりや母と娘の思い、命のことなどを思いながらサクサクと読める本でした。
お勧めです。