遺体屋の仕事

日常生活では見ることも聞くこともない「遺体屋の仕事」とは・・・

夏のなごりの話

2007-10-07 10:47:52 | Weblog
「髪をきれいにしてください」という納棺業務が入りました。
故人様は50代後半の男性。
ご葬家に伺って『あっ』と思いました。
地肌がすごい事になっています・・・フケで。

「夏は育毛の季節」だそうです。
ほかの季節より髪が伸びるのが夏は事実早いそうなのです。
日本全国今年の夏は異常な暑さでした。
そんな暑さの中、汗をかくけどシャンプーなんて出来る容態ではない闘病中の故人様は
まるで地肌に粘土をみっちりと塗りつけたような状態
でも体は清拭していたのでしょう。
さほど汚れていないので、より地肌の状態が際立っています。
浮き上がりそうな黄色いフケで白い地肌はまるで見えません。
髪の毛には細かくそして大きく所々にフケが散漫しています。
それからは必死です。

電車に乗ってても“加齢臭”で苦しめられる事があまりない気がします。
どの年代の人も毎日シャンプーするのは当たり前だし
ニオイのキツイ整髪量をつける人も少なくなったのでしょう。
故人様もさぞかし「頭洗いたいー」って思われたことだと感じられました。
湯灌じゃなかったのがとても残念でした。

限られた時間で髪の毛に櫛を通すだけで綺麗にするのは申し訳ないのですが限界がありました。
それでも前面の見えるところだけはなんとかして帰ってきました。
そして使用した櫛はタワシで洗ってやっと綺麗にすることが出来ました。







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