<読書会> おもしろ☆本棚

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2006・おも本会員の「ベスト本」はコレだ!

2006-12-21 18:40:05 | ・怒涛のベスト本

『早春賦』山田正紀  
地位や名声にとらわれず、権力にも媚びず、大地に自分の足で立とうとする
若者の生き方がすがすがしい。
 
『体の贈り物』レベッカ・ブラウン
ヘルパーが主人公で、訪問した先々の出来事について書かれているのですが、
淡々としていながら、ぐっとくる話でした。一話目が特に。
 
『椿山課長の7日間』浅田次郎 朝日新聞社

「死」というテーマをユーモラスにそしてポジティブに描いててよかった。
 
『夜の朝顔』豊島ミホ 集英社
 

『横浜狼犬? 死神鴉』森 詠 著 光文社文庫
 
『一瞬の風になれ』佐藤多佳子著(講談社)
先月読んだので覚えている。よくあるパターンの青春小説だけど、一気読みできた。
 
『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ 早川書房
子供たちの感性を見事に描いている
 
『マンガは欲望する』ヨコタ村上 孝之 著 (筑摩書房)
今年のベスト・・思いつかなかったので、「一番記憶に残った本」です。昭和時代の少年&少女マンガ作品を取り上げ、少女は「平凡」を理想とし、少年は「ヒーロー」を理想とする背景に潜む日本教育のイデオロギーとか、斬新な視点がいくつもあって、考えさせられました。その後「鴨川ホルモー」を読んだとき、まさにこの本に書かれていたセオリーどおりの展開に、「ストーリーの面白さ」とは何なのかナットクしました。

『アダムとイヴの日記』マーク・トウェイン 福武文庫
人類の始まりのアダムとイヴ。お互いがどういう生き物なのかを学習して行く日々がそれぞれの視点で書かれている。
男と女の特徴、特質がおもしろおかしい。マーク・トウェインがこんな小説を書いていたなんて知らなかった。

『風の影』カルロス・ルイス・サフォン 集英社文庫
→ 「失われた本の墓場」で見つけた一冊の本をめぐる少年の成長の物語でもあり、謎の作家の純愛が哀切であり、スペインバルセロナの生活などが非常に新鮮で、小説を読む楽しさを堪能したから。
「失われた本の墓場」の描写は「薔薇の名前」の図書館を連想させて、そんな場所がどこかにあったら・・・とわくわくします。
宇月原晴明「安徳天皇漂海記」やカズオイシグロの「わたしを離さないで」と迷いましたが、自分で買った本をベストにしました。
 
一番好きかなと思った本「ぜつぼう」本谷有希子(講談社)。一番一生懸命読んだ本「悲劇週間」矢作俊彦(文芸春秋)。一番泣いた本「オシムの言葉」木村元彦(集英社インターナショナル)一番楽しんだ本「風の影」(C.L.サフォン)集英社文庫結局1冊にしぼれない…。

『悲劇週間』矢作俊彦 文藝春秋 2,000
時代・歴史の連動性、環太平洋版。日本は世界との連環の中に存することを認識せよ、堀口君。うーんブンタイも変わりました。
歴史の連動性ということでは、ようやく読んだ若桑みどりの大著「クアトロ・ラガッツィ」も印象深い。「四人の少年の運命は日本の運命にほかならない」という天正少年使節はまさに世界との連関の中に生きて死んだ。果たして彼らはモントヴァでモンテヴェルディ(緑山さん)と邂逅していたのか?
あと食わず嫌いだった吉田健一の「金沢」も鏡花、百間(日は月ね)に連なる妖しの世界を紙片に現出させ酩酊小説の本領発揮。寝床の中でウィスキーのストレイトを片手にほろ酔い加減で読むのがよいでしょう。新刊では青山光二「食べない人」(筑摩書房 1,980)が楽しめた。

福井晴敏『op.ローズダスト』上下、文芸春秋
最近のハリウッド映画に代表されるCGをふんだんに使用したスペクタクル映画は、映像不可能といわれた小説の映画化を次々に実現しているし、その質も年々高まっている。表現媒体としての映像は、小説を超えたのだろうか。だけど、読む者の想像力を喚起させ、頭の中にそのシーンを鮮やかに映し出すことが出来る力こそ小説の持つ最大最高の魅力であり、また最後の砦でもあることを、この小説は教えてくれる。そして、ただ単なるアクションものと一線を画したこの小説は、戦後60年を経て、またぞろおかしな風潮が目に付くようになって来た今だからこそ、これからの日本と日本人にとっての「予言の書」となるのではないだろうか。

ドラマ・シティ/ジョージ・P・ペレケーノス ハヤカワ文庫 
年々読む本の数は減り、何をいつ読んだかも思い出せないこの数年。最近読んだ本の中から選びました。 動物虐待監視官と犬の物語。心理描写が丁寧に描かれ、いつも冷静な主人公もカッコいい。動物に対してやさしい作者の語り口も良かったような。

荻原浩「押入れのちよ」新潮社
短編集ですが特に表題作と「しんちゃんの自転車」がよかった。下に書いたシーンが印象的。日本のホラー(怪談)では人間と霊的なものは親密な関係を持ち得る。とか
不可思議なものは闇の中から現れる(夜の闇とか押入れの中とか)。なんてことも考えました。

迷わず「本格小説」水村美苗 (新潮文庫)です。
理由は本格小説だから。久々に、読書の幸福感にどっぷりと浸りました。ちなみに、
もうすぐ読み終わる「風の影」カルロス・ルイス・サフォン(集英社文庫)が2番目確定ですが、この2冊、時代も舞台も異なるけど、
ある部分似てるように思いました。

『イリアム』ダン・シモンズ(早川書房)
『ハイペリオン』よりもSF的なネタは少ないが、飽きずに読ませるストーリーテリングの名人芸は健在である。相変わらず長い(2段組800ページ弱)。続編の『オリュンポス』はさらに長いらしい。

『ミーナの行進』小川洋子 中央公論新社 本自体がきれい。挿絵もカラーで入っていて。お話はなつかしい感じがしてよかった。


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