ミュージカル“ペテン師と詐欺師”を観劇しました。感想をシチゴ帳にまとめれば
面白うて やがて楽しき 喜劇かな
といった感じです。コメディーたるものこうでなくてはという舞台でした。鹿賀丈史フリークの漫画家さんの感想はこんな感じですが、彼女のように仕事中に鼻歌とまではいかずとも、ウキウキした気分で家路につく事ができます。
ペテン師も詐欺師も人を騙してナンボの商売(?)ですが、役者さんにしても役柄に合わせてキャラを作り、メークと衣装で他人に化けるのですから、本質的に騙してナンボの部分ではどちらも一緒です。今回はたいへん気持ちよく騙されてきました。
ところで、この舞台の中では、ペテン師だか詐欺師だかが己の哲学を語る台詞があります。この程度ならネタバレにもならないと思うので、ニュアンスだけ紹介しますと、「俺たちは相手が望むものをあげるんだ。俺たちの欲しいものが何かは問題じゃない」という感じだったと思います。
いやあ、なんてキザな台詞でしょう。現実の世界で時折目にする「お金は後から付いてくる」という言葉が、舞台という虚構の世界に上がると、このように変化してしまうようです。
ここで強引にオーマイニュース(以下OMN)と結び付けてしまいますが、OMNの場合、自らが求めているものは実にわかりやすく、4文字でぶっちゃけてしまえば安定収入です。その為に必要なのは広告主の確保。更に広告主の確保の為に必要なのは、高いレベルで安定したPVという事になります。
歴代の編集長の誰もが記事の質の向上を課題と発言したり、ソフト・ハードの両面でシステムの変更を行ったりしているのは、OMNが望むPVの向上を目的としたものだというのは、外から見ているだけでもよくわかります。その一方で、OMNは相手(市民記者や一般の読者)が望んでいるものが何か、しっかり把握しているでしょうか?
人一人騙すにしても、相手のニーズを把握しなければ、まず成功は望めません。OMNはペテン師でも詐欺師でもありませんが、成功のカギがニーズの把握にある点は、OMNにも当てはまる事だと思われます。
前述の舞台上の台詞をOMNに当てはめれば、広告主が望んでいるものは明らかですから、それを提供できればOMNは成功できる事になります。ですが、OMNが市民記者や一般の読者の求めているものがわからなければ、胸を張って広告主に提示できるだけのPVは、いつまでたってもOMNにもたらされないような気がします。
実際のところ、OMNにとってPVの伸び悩みは頭痛の種でしょう。どうにかしなければならない問題なのは確かでも、考え始めたらきりがありません。いろいろ考えてアタマがこんがらがってしまったら、騙されたと思って虎ノ門からほど近い日生劇場に足を運んでみるのもいいかもしれません。少なくとも、気分転換にはなるでしょう。
なお、日生劇場での公演は29日まで。2月から3月にかけては、名古屋・広島・北九州・兵庫の各地で公演が行われます。日程と開演時間は公式サイト(注:音が出ます)を参照して下さい。