にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

これぞ市民記者の強み

2008-01-11 | オーマイニュース

今日は、最初に報告があります。先日のエントリの最後にちょこっと触れたオーマイニュース(以下OMN)の会社案内が、きちんと書き換えられていました。私のPC環境では魚拓の画像が表示されないのですが、地図もさりげなく修正されています。

さて、昨日OMNで、12月の週間および月間市民記者賞が発表されました。この賞の選考と講評が、記事上では平野日出木氏の編集長としての初仕事になります。平野氏が月間賞に選んだのが、渡辺亮記者のこちらの記事でした。

この記事の選出については、執筆者本人が寄せたコメント同様に、私にとってもかなり意外な印象を受けました。渡辺氏は、OMN創刊直後からC型薬剤にこだわらない幅広い視野からウイルス性肝炎についての記事を書き続けてきましたが、当初の編集部の評価は芳しくなく、ながらくたね記者四天王【註】の一角を占めていました。

それがOMNの編集長交代に伴う編集路線変更の影響を受けたのか、いつしか正式掲載される記事の比率が増え、コメント欄で有意義な議論が繰り広げられるようになり、今回の月間賞受賞に至りました。これは、度重なるたね送りにもめげず、編集部からの釣り師疑惑の指摘も華麗にスルーしながら記事を書き続けてきた記者へのご褒美のような印象があります。

OMNは、創刊以来苦戦が伝えられる中で、商業メディアとしていろいろな努力をしてきた事と思います。いろいろな方向を模索して動き続けてきた結果、少なくとも今は渡辺氏のような記事にスポットライトを当てる方向に進んでいるものと思われます。そんな中でも、市民記者の側がぶれずに記事を書いていれば、いつかは陽が当たるものなのだと思わされました。

そして、市民記者のマイペースぶりが遺憾なく発揮されたもう一本の記事が、今日さりげなく掲載されたシチゴ帳の中にありました。花嶋真次記者によるこちらの記事です。添付された写真が、何よりも記者本人の達成感をよく表しています。

ところで、花嶋氏がこの件についてOMNに投稿するのはこれが3回目になります。最初は2月が終わった時点、2回目は半年が終了した時点です。個人的に注目したいのは、記事の掲載方法が3回とも違うというところ。最初は一般記事として掲載、2回目はたね送り、そして今回はシチゴ帳での掲載です。

ここでは、執筆した市民記者がシリーズもののつもりで書いた記事でも、その都度編集部のさじ加減で掲載方法が変わってしまうOMNらしさと、シチゴ帳がスタートしてから、そちらへの投稿が目立って多くなった花嶋氏の投稿スタイルの変化を見ることが出来ます。

一連の投稿は、このようになかなか興味深いものでしたが、それを感じる事が出来たのは、やはり途中のたね送りにもめげず、8月から新たに設けられたシチゴ帳という場所に愛着を持って記事を書き続けた花嶋氏のおかげです。本当にいいものを見せてもらえました。

マイペースで一つのネタを追い続けられるのは、市民記者の特長といっていいでしょう。両記者の記事から、こういった特長をうまく形にしてサイトの看板にしていくのが、編集部の役目ではないかと感じました。


【註】他の3名が誰かは知りません。悪しからずご了承下さい。