にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

コメント欄とコミュニケーションの話

2008-06-24 | オーマイニュース

オーマイニュース(以下OMN)の朴哲鉉記者が、自らのブログでコメント欄の運用について意見を求めています。

そういったエントリが出てくるという事は、朴氏が、OMNのコメント欄の現状に何らかの問題があると考えている証です。ブログではその問題点が書かれていませんが、こちらの記事の未登録者用コメント欄のやり取りを見て思うところがあったのでしょう。そこに答えが出てしまっているような気はしますが、自分なりの考えも書いてみようと思います。

・記事とは関係ないコメントの存在

これはある程度というか、かなりの部分まで許容されてもいいのではないかと考えます。誰がどう見ても関係ないコメントはさすがにどうかと思いますが、例えば執筆者についてのコメントは無関係とは言い切れないものが殆どですし、コメントが増えていく中で記事の内容から離れた議論が始まる事もあるでしょう。

もちろん、運営側が基準を設けて対応する方法もありますが、OMNの現状を考えれば、基準を設けたとしても運用が人によってバラバラになる可能性が極めて高いと思われます。そのような基準なら、最初から設けない方がマシというものです。

なお、罵倒系のコメントについては削除も含めた何らかの対応が必要でしょう。これは今更言うまでもない事のようですが、前述の未登録者用コメント欄では、軸丸靖子記者とおぼしき人物が罵倒系のコメントに対して真っ向から応戦してしまいました。元のコメントがなければ軸丸氏(らしき人)が何に対して怒っているかがわからなくなりますから、OMNとしては削除するわけにもいきません。罵倒された相手の反論があれば削除しないというのも一つの方法ではありますが、これについては未登録者用コメント欄であっても本人確認ができるようにする必要があります。

・成りすましの問題

成りすましはないにこした事はありませんが、かつてのオピニオン会員制度の下でも西野浩史氏に成りすましたコメントが出た事があります。この例を見ても、成りすましを完全にシャットアウトするのは不可能といってもいいでしょう。ただ、未登録者用コメント欄の現状では、成りすましに対する防御策が全く施されていません。

そんな事は昨年4月のリニューアル時から明らかでしたし、システムを導入したOMNがその問題に気づいていなかったはずもないので、OMNは未登録者用コメント欄の成りすましには寛容なのだと思っていました。ですが、朴氏、あるいはOMNが問題だと思うようになったのなら、今からでも対策を講じればいいでしょう。

対策といっても大げさなものではありません。未登録者用コメント欄を改善するか、廃止してしまうかのどちらかです。個人的には前者を支持しますが、改善するといっても、発言者を一意に識別できるようにするだけですから難しい話ではないでしょう。登録制にして、通常のコメント欄同様、書き込み時に登録したハンドルネーム(以下HN)が表示されるようにすればいいのですから。それでも多重登録による自作自演の可能性は残りますが、この問題は未登録者に限ったものではありません。

・ついでに

80文字制限はどうにかしてほしいものです。名前欄を本文の補助として使用できなくなれば、実質的に文字数制限は強化されます。市民記者と同等に扱えと主張する気はありませんが、400字(原稿用紙1枚分)くらいはあってもいいのではないでしょうか?

80文字制限の下では、当然の事ながら一つのコメント欄一つに収まらないケースが多々あります。そのたびにコメントを分割するのは面倒ですし、コメントが1度に10件ずつしか表示されない現状では、閲覧するにも不便です。この件については、以前平野日出木編集長インタビューを取り上げたエントリでも少しだけ触れましたが、動機がどうあれもし未登録者用コメント欄に手を入れるのなら、ついでにこちらの改善もお願いしたいところです。

・読者とのコミュニケーション

朴氏のブログでは、コメント欄の運用以外に、市民記者以外の読者とのコミュニケーションをどうやって取ればいいかという点についても意見を求めています。

ちょっときつい言い方になりますが、これは仕組みでどうこうできる問題ではなく、やる気の問題です。当の朴氏が、現状の未登録者用コメント欄と自らのブログを使ってしっかりとコミュニケーションが取れているではないですか。編集部内に読者としっかりコミュニケーションを取りたいと考える人がいるのなら、朴氏を見習ってコメントに対応し、議論に参加すればいいのです。

OMNは、およそ1年前、元木昌彦社長の編集長(当時)就任挨拶記事を掲載しました。そのコメント欄17・22・23番で、HN:scotwalker氏が編集部のノーコミュニケーションぶりを批判しています。それに対して編集部は無視を決め込み、scotwalker氏は自らのコメントを削除して抗議の意を示しました。なお、scotwalker氏は当該記事だけではなく、自らがつけたコメントを全て削除した模様です。

それから1年経って、OMNはどれだけ変わったのでしょうか?

私には、編集部内で読者とのコミュニケーションをどうしたらいいか、真剣に考えているのは朴氏だけのように思えてなりません。

現在、朴氏のブログでは、コメント欄の運用やコミュニケーションといった話題を超えて、OMNのあり方・方向性といったテーマにまで議論が広がっています。せっかくですから、他の編集部員やOMN認定プロの方も、議論に参加してみてはいかがでしょう。