とあるスナックで
コー
これは田んぼの脇の用水路だ。これを (NO2)としよう。
これは用水路から田んぼに水を入れる取水口だ。これは(NO3)としよう。
こちらも取水口だが、別の田んぼに入れる取水口だ。こちらは(NO4)としよう。
小林
コー
(流通通貨は非金融機関)
(ベースマネーは中央銀行)、(預金・信用は銀行貸付)
ここから今日の写真の話なんだがその前にママ、きょうはちょっと寒いので日本酒をお燗して一本頂戴、お願いします。
コー
今日はちょっと写真を見てもらいたんだ。
これは川にある、堰だね、これを (NO1)の写真としよう。
これは川にある、堰だね、これを (NO1)の写真としよう。
これは田んぼの脇の用水路だ。これを (NO2)としよう。
これは用水路から田んぼに水を入れる取水口だ。これは(NO3)としよう。
こちらも取水口だが、別の田んぼに入れる取水口だ。こちらは(NO4)としよう。
小林
コーさん、一体何の話をはじめるんですか。
コー
いやいや実は<債務貨幣システム>の中央銀行と一般の銀行が行う(金融緩和)と(金融引き締め)について話がしたいんだ。その説明のために上の4枚の写真を思いついたんだ。
山口薫の表で言えば、上から3番目の(貨幣供給)の話なんだ。
(貨幣供給)は<債務貨幣システム>では、(ベースマネーは中央銀行)そして(預金・信用は銀行貸付)、そして(流通通貨は非金融機関)と書いてある。まず、この中央銀行と銀行と非金融機関のそれぞれの(貨幣供給)の仕方の違いを考えてみようと思う。
山口薫の表で言えば、上から3番目の(貨幣供給)の話なんだ。
(貨幣供給)は<債務貨幣システム>では、(ベースマネーは中央銀行)そして(預金・信用は銀行貸付)、そして(流通通貨は非金融機関)と書いてある。まず、この中央銀行と銀行と非金融機関のそれぞれの(貨幣供給)の仕方の違いを考えてみようと思う。
(流通通貨は非金融機関)
これはたとえばママが僕にお金を貸したときじゃないかと思う。ママは一生懸命に節約してお金を貯めて、そしてそのお金を僕に貸す。そのときママは<無からお金をつくる>ことは出来ないわけだ。そう<信用創造>でお金を貸し出すことができないんだよ、ママは。いわば右にあるお金を左に、左にあるお金を右に移動してるだけなんだな。政府も企業も一般の商店もみなそうだと思う。右にあるものを左に、左にあるものを右に移動してるだけなんだな。増えたり減ったりしていないんだ、全体のお金の量は。
(ベースマネーは中央銀行)、(預金・信用は銀行貸付)
こちらはそこが違うんだな。こっちは政府にも出来ない(お金を、増やしたり減らしたりできる)唯一の機関なんだ。
しかも、<無からお金を作れる>んだ。保有してる(金・きん)の量に応じてということではないんだ。
黒田日銀はせっせと銀行が持っている国債を買っている。その代金は、日銀にある銀行の(当座預金口座)に積み上がるわけだ。その時日銀は<無からお金を作っている>わけだ。銀行の日銀当座預金口座の通帳に、キーボードで数字を打ち込むだけだと思う。
一方銀行の<銀行貸付>もそうだと思う。<無からお金をつくる>ことだと思う。いままでさんざん話してきた、この事を<信用創造>、<部分準備銀行制度>というわけだ。
しかも、<無からお金を作れる>んだ。保有してる(金・きん)の量に応じてということではないんだ。
黒田日銀はせっせと銀行が持っている国債を買っている。その代金は、日銀にある銀行の(当座預金口座)に積み上がるわけだ。その時日銀は<無からお金を作っている>わけだ。銀行の日銀当座預金口座の通帳に、キーボードで数字を打ち込むだけだと思う。
一方銀行の<銀行貸付>もそうだと思う。<無からお金をつくる>ことだと思う。いままでさんざん話してきた、この事を<信用創造>、<部分準備銀行制度>というわけだ。
ここから今日の写真の話なんだがその前にママ、きょうはちょっと寒いので日本酒をお燗して一本頂戴、お願いします。
ママ
ハイハイ、いつもの純米酒ですね。
コー
だから、この中央銀行と銀行の貸付とで、全体のお金の量がコントロールされるということだと思う。ただこの関係が説明しづらいんだな、そこで今日の写真を使って説明したいんだ。
この4枚の写真は、田植えの時の写真と思って欲しい。
(NO1)は、大きな川にある堰だね。まずここの堰の高さを上げて水位を上げる。そうすると、その水は田んぼの近くの約1メートル幅の用水路(NO2)に流れる。でもこのままではまだ田んぼに水は行かないんだ。(NO3)と(NO4)の取水口を開けないと田んぼに水はいかない。
水は増えたお金としよう。そして川の堰は、中央銀行としよう。そして用水路の取水口は銀行貸付なんだな。田んぼは、一つは実体経済、もう一つは金融経済だ。
まず中央銀行が<量的緩和>をする。川の堰を上げて水位を上げる。そうすると水は用水路にどんどん流れる。でもまだ田んぼには水は流れない。
ここで銀行貸出が出てくるわけだ。銀行貸出が増える、(NO3)と(NO4)の取水口が開いて、そこではじめて実体経済または金融経済にお金が増えていくわけだ。
(NO3)を実体経済の田んぼの取水口としよう。そして(NO4)を金融経済の田んぼの取水口とする。
だから、お金の流れを見ていくときには、この(NO1)と(NO3)と(NO4)の関係を見ていかなければならない、ということなんじゃないかなと思う。
中央銀行の政策だけで、(NO1)の堰の高さを上げただけで、(NO3)と(NO4)のそれぞれの市場にお金は増えないというわけだ。
これが現在の黒田日銀の金融緩和の実体じゃないんだろうか。(NO2)の用水路には溢れるくらいの、水が流れているんだけどね。もう一部は溢れているのかな。
逆に堰の高さを少し下げても、用水路にある程度の水が流れていれば、用水路の取水口を大きく開けると水はどんどん田んぼに流れるという事だ。
この関係が、日本がかつて株式市場でバブルができ、土地の値段がどんどん上がって行った時の仕組なんではないだろうか。
日銀の<窓口指導>によって、強制的に金融市場の(NO4)の取水口が大きく開けられたということだ。当時はお金を借りたい人はいっぱいいたわけだから。
さらに堰の高さを下げていくと、こんどはいくら(NO3)と(NO4)の取水口を開けても、用水路に水が流れてこないわけだから、逆に田んぼから水が用水路の方に出て行ってしまう。これが中央銀行による<金融引き締め>だと思う。金利が高くなれば、お金を借りにくくなる。銀行の貸出額がだんだん減っていく。新しく増えたお金が株式市場、土地取引に流れなくなる。そうなればバブルは終わりだ。右肩下がりにならざるを得ない。
(NO3)と(NO4)は銀行の貸出だけれど、これは銀行だけで取水口を開けることは当然できないよね、借りる側がいないとできないわけだから。でもおおきく開いた口をだんだん小さくしていくことはできるんじゃないだろうか、銀行自身で。貸出を制限するわけだ。
だから中央銀行だけで、好景気やバブルを作り出すことはできないんだと思う。銀行の貸出が関係してくるわけだから。写真で言えば、(NO3)と(NO4)の取水口を開けなければならないということだから。この取水口は現在は<窓口指導>がなくなって、中央銀行で勝手に開けられないんだな。しかも肝心の田んぼの方でちっとも借りようとしない、水を引き入れようとしないんだな。いやーちょっと気温が低いもので水を入れてもなかなか稲が育たないといっているのか、日照時間が最近短くなってやっぱり稲が育たないと言っているのかわからないけれど、なにしろ用水路にはたっぷりの水が流れているんだけど、ちっとも肝心の用水路の取水口が開かないんだな。
そこで出てくるのが、<お金を直接ばらまく>という意見だと思う。ちっとも田んぼの方で銀行からお金を借りようとしないなら、ここは用水路からポンプで直接田んぼに水を流してしまえということだ。銀行貸出という取水口を通さずに、直接国民に(お金)を<無からつくって>渡しちまおうということだ。そのお金が使われれば、国全体のお金の量が増える。当然消費が増える。今の日本はデフレ傾向だから、そのデフレが止まり好景気になるきっかけを作れる。インフレの時は絶対出来ない政策なんだろうけど、ますますインフレになるからね。でもいまはできるんだな。
この4枚の写真は、田植えの時の写真と思って欲しい。
(NO1)は、大きな川にある堰だね。まずここの堰の高さを上げて水位を上げる。そうすると、その水は田んぼの近くの約1メートル幅の用水路(NO2)に流れる。でもこのままではまだ田んぼに水は行かないんだ。(NO3)と(NO4)の取水口を開けないと田んぼに水はいかない。
水は増えたお金としよう。そして川の堰は、中央銀行としよう。そして用水路の取水口は銀行貸付なんだな。田んぼは、一つは実体経済、もう一つは金融経済だ。
まず中央銀行が<量的緩和>をする。川の堰を上げて水位を上げる。そうすると水は用水路にどんどん流れる。でもまだ田んぼには水は流れない。
ここで銀行貸出が出てくるわけだ。銀行貸出が増える、(NO3)と(NO4)の取水口が開いて、そこではじめて実体経済または金融経済にお金が増えていくわけだ。
(NO3)を実体経済の田んぼの取水口としよう。そして(NO4)を金融経済の田んぼの取水口とする。
だから、お金の流れを見ていくときには、この(NO1)と(NO3)と(NO4)の関係を見ていかなければならない、ということなんじゃないかなと思う。
中央銀行の政策だけで、(NO1)の堰の高さを上げただけで、(NO3)と(NO4)のそれぞれの市場にお金は増えないというわけだ。
これが現在の黒田日銀の金融緩和の実体じゃないんだろうか。(NO2)の用水路には溢れるくらいの、水が流れているんだけどね。もう一部は溢れているのかな。
逆に堰の高さを少し下げても、用水路にある程度の水が流れていれば、用水路の取水口を大きく開けると水はどんどん田んぼに流れるという事だ。
この関係が、日本がかつて株式市場でバブルができ、土地の値段がどんどん上がって行った時の仕組なんではないだろうか。
日銀の<窓口指導>によって、強制的に金融市場の(NO4)の取水口が大きく開けられたということだ。当時はお金を借りたい人はいっぱいいたわけだから。
さらに堰の高さを下げていくと、こんどはいくら(NO3)と(NO4)の取水口を開けても、用水路に水が流れてこないわけだから、逆に田んぼから水が用水路の方に出て行ってしまう。これが中央銀行による<金融引き締め>だと思う。金利が高くなれば、お金を借りにくくなる。銀行の貸出額がだんだん減っていく。新しく増えたお金が株式市場、土地取引に流れなくなる。そうなればバブルは終わりだ。右肩下がりにならざるを得ない。
(NO3)と(NO4)は銀行の貸出だけれど、これは銀行だけで取水口を開けることは当然できないよね、借りる側がいないとできないわけだから。でもおおきく開いた口をだんだん小さくしていくことはできるんじゃないだろうか、銀行自身で。貸出を制限するわけだ。
だから中央銀行だけで、好景気やバブルを作り出すことはできないんだと思う。銀行の貸出が関係してくるわけだから。写真で言えば、(NO3)と(NO4)の取水口を開けなければならないということだから。この取水口は現在は<窓口指導>がなくなって、中央銀行で勝手に開けられないんだな。しかも肝心の田んぼの方でちっとも借りようとしない、水を引き入れようとしないんだな。いやーちょっと気温が低いもので水を入れてもなかなか稲が育たないといっているのか、日照時間が最近短くなってやっぱり稲が育たないと言っているのかわからないけれど、なにしろ用水路にはたっぷりの水が流れているんだけど、ちっとも肝心の用水路の取水口が開かないんだな。
そこで出てくるのが、<お金を直接ばらまく>という意見だと思う。ちっとも田んぼの方で銀行からお金を借りようとしないなら、ここは用水路からポンプで直接田んぼに水を流してしまえということだ。銀行貸出という取水口を通さずに、直接国民に(お金)を<無からつくって>渡しちまおうということだ。そのお金が使われれば、国全体のお金の量が増える。当然消費が増える。今の日本はデフレ傾向だから、そのデフレが止まり好景気になるきっかけを作れる。インフレの時は絶対出来ない政策なんだろうけど、ますますインフレになるからね。でもいまはできるんだな。
ママ
ほんと?うれしいわ。どうせやるなら思い切って国民ひとりあたり、子供から老人まで全員100万円を配って欲しいわ。そうすればすこしは景気が良くなるんじゃないの。売上が増えてみんなの給料も上がると思うわ。なにしろお給料が上がらなくちゃ話にならないわよ。
コー
そうなんだ。でも思い切ってやれる政治家は今の日本にいるんだろうか。おれはいないと思うな、残念だけど。それに次またと何回も何回も出来るわけはないんだと思う、この政策は。
小林
そうするとコーさん、金融経済のバブルや実体経済の好景気を作るためには、中央銀行の金融政策だけでは作れないということですか。
コー
そうなんだ、川の堰の高さを上げて用水路に水をいっぱい流しても、田んぼへの取水口が開かなければ、田んぼには水は行かないということだと思う。またその取水口は田んぼ側の要請があって初めて開くわけだ。水が流れてくれば、気温もあったかいし天気がよくて太陽もよく照って、稲も順調に育つなと思えれば水を田んぼに引き入れるんだと思う。
でもこれだけははっきり言えると思う。<バブル>や<好景気>を作るために、中央銀行は<必要条件>を作ることはできる、ということが。
<バブル>や<好景気>の前にはかならず中央銀行の金融緩和があったはずなんだ。
でも中央銀行の金融緩和があれば、かならず<バブル>や<好景気>が起こるとは限らないということだ。
だから中央銀行は<バブル>や<好景気>を作るための<必要条件>を作れるということだと思う。必ずしも<必要十分条件>を作れるというわけではないということだと思う。
でもこれだけははっきり言えると思う。<バブル>や<好景気>を作るために、中央銀行は<必要条件>を作ることはできる、ということが。
<バブル>や<好景気>の前にはかならず中央銀行の金融緩和があったはずなんだ。
でも中央銀行の金融緩和があれば、かならず<バブル>や<好景気>が起こるとは限らないということだ。
だから中央銀行は<バブル>や<好景気>を作るための<必要条件>を作れるということだと思う。必ずしも<必要十分条件>を作れるというわけではないということだと思う。
小林
でも一旦出来てしまった<バブル>や<好景気>を下り坂にしてしまうのは、簡単なんですよね。
コー
だいたい、<バブル>なんて、自然に壊れるんだよ。だって個人にしろ会社にしろ、借りられるお金の量は限度があるんだから。個人で言えば、いくらでもお金は借りられますといっても、収入が月20万の人が、返済額が月20万円を超えて借りられるわけはないんだよ。食べなくちゃいけないし家賃だってかかる訳だから、返済額が月20万円の前に、借りられる限度は来てしまうわけだ。会社でも国でも同じなんじゃないだろうか。
そうやって借りられる人が少なくなってくると、銀行貸出による、新しいお金がその市場に入らなくなってくるわけだ。そうすれば自然に右肩下がりになって、売りが売りを呼ぶようになるんだな。みんな銀行から借りて買っているからね。それが<バブル>なわけだ、金融経済で言えば。
そうやって借りられる人が少なくなってくると、銀行貸出による、新しいお金がその市場に入らなくなってくるわけだ。そうすれば自然に右肩下がりになって、売りが売りを呼ぶようになるんだな。みんな銀行から借りて買っているからね。それが<バブル>なわけだ、金融経済で言えば。
小林
ちょっとコーさん、ここで一休みしましょう。だいぶ寒くなってきましたよ。ママ僕にもお酒燗して下さい、お願いします。
ママ
はーい、いますぐ持っていきますからね。