「どじょう汁」
主な伝承地域 栃木県平野部
主な使用食材 どじょう、ねぎ、ごぼう、たまねぎ
歴史・由来・関連行事
「どじょう汁」は夏に決まって作る料理のひとつ。厳しい夏場に暑さを乗り切ろうと食べられていた。内陸性の気候で寒暖の差が大きな栃木県は、夏季は暑さが厳しく、冬季は寒い日が続く。
どじょうをはじめとする川魚は、海から離れた内陸部では、貴重なたんぱく源で、用水堀がコンクリートで施される以前、宇都宮周辺地域ではどじょうはごく普通に見られていた身近な川魚であった。
田んぼを作る農家では、夏になると田んぼの水口(みなくち)にふたをしてどじょうを獲り、どじょう汁にして食べた。小さい子どもには、親が身を剥がし食べさせていた。左手でどじょうの頭の下をつまんで、右手のはしで頭の下から尾にかけて身をそぎ落とすと、きれいに身が剥がれて食べやすくなる。
食習の機会や時季
(宇都宮市)の一部地域では、昔から七月の暑い最中に行われる八坂神社の祭りの昼食にどじょう汁がつきものになっている。
暑さに体力を失いがちな夏場にどじょうを食べると精力がつくと喜ばれ、丸ごと食べるどじょう汁は不足しがちなカルシウムの供給源にもなる。
飲食方法
どじょうを水切りしてから鍋に、酒をひたひたに入れ、醤油を少々注ぎふたをして火にかけ動きをとめる。ねぎやごぼうを入れ、溶き卵を加えていただく。うどんを加えて食べてもおいしい。どじょう料理は、かば焼き、丸煮、天ぷらなどがあるが、どじょう汁は一番手軽な食べ方である。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
宇都宮市では、地域の祭りを復活させ、当時のように昼食にどじょう汁を振るまうなど、地元に伝わる文化の継承に取り組んでいる地域もある。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/31_28_tochigi.html より
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