岡山市立市民病院 総合診療グループ(ER+GIM)

岡山市立市民病院の総合診療グループである『総合内科』と『救急総合診療科』の日常の雰囲気を伝えていきます。

岡山市民病院ケースカンファレンス(2015/02/20)

2015-03-10 23:54:40 | 院内カンファレンス
こんばんは。Dr.Waveです。
来年度がもうすぐそこまで来ています。

2/20の岡山市民病院ケースカンファレンスは、「偶発的にDdimer高値を見つけた場合どのように対応するか」について岸田先生よりレクチャーをいただきました。

Ddimerは様々な疾患で高値となりますが、まず懸念されるのは血栓症です。とくに疫学的に遭遇率の高いDVTとPTEが議論の焦点となります。
造影CTを含んだ精査を速やかに行うか、ヘパリンなどの抗凝固療法を速やかに導入するかのdispositionを検討せねばなりません。

DVTを疑う場合、経過や所見を複合的に評価するCPR(Clinical Prediction Rule)を用いて診断確率を導くため、「偶発的」なDdimer高値と言われると違和感を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。「偶発的」Ddimer高値とは、大動脈解離やDICなどの鑑別の際にこれらは認めなかったがDdimer高値だったという状況を示します。

controvesialな領域ではありますが、診療の標準化を目指して文献などを参考に当院でのアルゴリズムを提示されました。今後はデータを集め、アルゴリズムのフィードバックをかけていく予定です。

この日は岡山大学病院で「たすき掛け」研修をしている研修医の振り返りがあり、「2年間専属」研修医のみで行われたので、いつもよりはこじんまりとした会となりました。










研修医OSCE -Resident cup in OKAYAMA- (2015/02/14)

2015-03-10 19:14:26 | 院外イベント
こんばんは。Dr.Waveです。

2015/02/14に『研修医OSCE -Resident cup in OKAYAMA-』が開催されました。

シミュレーターや熟練された模擬患者さんを活用して、研修医が診療を行い、それを評価指導医が評価する「客観的臨床能力試験」です。

岡山と県外を含めた臨床研修施設から23名の初期研修医が集まって行われました。
当院からも3名の初期研修医が参加しました。

当院の総合内科・内分泌科の主任医長の岸田先生も評価指導医として参加されました。
Dr.Waveは今回は見学と写真撮影のみでした。

臨床現場では実践を通して成長を遂げていきますが、シミュレーションながらフォーカスをあてて自己評価できる機会は非常に有意義で貴重だと思います。

初期研修医の皆さん、今回のOSCEの企画・運営をしてくださったスタッフの方にはしっかり感謝しましょう。






















岡山市民病院ケースカンファレンス(2015/02/13)

2015-03-10 02:16:34 | 院内カンファレンス
こんばんは。Dr.Waveです。

02/13のケースカンファレンスは「粟粒結核」と続発性「血球貪食症候群」の一例でした。

今回のケースでは診断に至るまで特に難はありませんでしたが、粟粒結核は診断学的に難しいプレゼンテーションで来る場合があります。

結核自体あらゆる臓器で病態を形成するため、全症状について結核の関与を一度は考えてみることが肝要です。
そして粟粒結核の関与を疑ったら骨髄生検をためらわず行う必要があります。

また結核診療が難しい理由の一つに、慢性的な結核感染で徐々に体力が低下し誤嚥性肺炎など他の疾患を発症して搬送されることがあるということです。
もしくは悪性腫瘍などにより免疫低下が誘発され潜在性結核感染が粟粒結核に至り、そのうえに誤嚥性肺炎などを起こすなど三重に病態を作ることもあります。

診断の基本は、まず一元的に病態を考え(「Occum's Razor」)、一元的に説明がつかない場合や治療経過が合致しない場合に複合的な病態を考えていきます(「Hiccum's Dictim」)。
要は「確定診断は治癒に至って初めて得ることができる」というスタンスをもって、普段から診療に臨むことが重要です。

今回の考察では結核と血球貪食症候群の基本的な知識(疫学や診断、治療など)を盛り込んでくれました。
参加した研修医達は今回のカンファレンスで、結核は「すぐそこにある」疾患であることを再認識してくれたと思っています。


S尾先生、プレゼンテーションありがとうございました。














OCH救命救急 M&Mカンファレンス(2015/02/06)

2015-03-10 01:47:08 | 院内カンファレンス
こんばんは。Dr.Waveです。

金曜日のカンファレンスは2-4回のケースカンファレンスと1回のM&AMカンファレンスで構成されます。

02/06は『OCH救命救急 M&Mカンファレンス』となりました。
今回は「急変時対応の『Informed consent』」について話し合われました。

医療従事者と一般の人の「言葉」の認識や理解の違い、ICの本質、同意書の意義、キーパーソンの考え方、診療のサービス性について、対話の中で各人で考えることとなりました。

今後も医療スタッフ内でICについてお互いに認識を深める機会を定期的に設け、岡山市民病院全体の診療サービスの向上と標準化を図るようにしていく予定です。
















3S会(2015/02/03)

2015-03-10 01:15:25 | 院内イベント
こんばんは。Dr.Waveです。

2015/02/03は岡山市立市民病院の地域連携プロジェクトの一つである「3S会」がありました。

病院から診療所医療への連携を強化し患者さんの診療サービスを向上させるため、病院勤務医師や診療所勤務医師、そして各コメディカルスタッフが様々なテーマで話し合います。

今回は当院からは消化器内科医長の景山医師、血液腫瘍内科の牧田医師が、地域の診療所からはももたろう往診クリニックの佐能医師、安田内科医院から安田医師が、症例提示から考察や提言をプレゼンテーションしていただきました。そして長寿社会医学講座—衛生学・予防医学分野の土居教授の進行で会場の参加者と実践的なdiscussionを行いました。

この「3S会」は、明日からの地域連携に結びつくテーマについて話し合うので、毎回学ぶ事が多いです。


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『3S会』とは「岡山市立市民病院 病診連携研修会」のことで、「診療機関と市民病院による市民のための研修会」として頭文字の3つのSをとって命名されました。