岡山市立市民病院 総合診療グループ(ER+GIM)

岡山市立市民病院の総合診療グループである『総合内科』と『救急総合診療科』の日常の雰囲気を伝えていきます。

リハビリテーション科研修

2016-02-26 20:21:17 | システムやプログラムの紹介
こんばんは。Dr.Waveです。

昨年度より岡山市立市民病院にリハビリテーション専門医の難波先生が就任しました。
リハビリテーションサービスの質は早速向上しました。
そして今年度2月より研修医を含めたリハビリテーション教育の普及も開始となりました。

トップバッターは初期研修医2年目のA野先生でした。
ちょうどオリエンテーションをしているところを発見しましたので、写真にてレポートさせていただきました。



医師は「患者さんのゴールは元の生活に戻ることである」ことを忘れてはなりません。
つまり診療サービスは精査・治療のみでなく、リハビリテーションや社会サービス調整、転院調整などのスキルも医師は磨いていく必要があります。

しかし、こうしたリハビリテーション科研修などは一旦専門診療科の研修に入ってしまうと、なかなかまとまって学ぶことが難しくなります。
初期研修プログラムのときこそ、リハビリテーション科研修はやっておきたいところです。
(「総合内科」グループでは後期研修プログラムでは、こうした研修を選択できるように調整いたします)


今後当院での初期・後期臨床研修プログラムを考えている方々にはリハビリテーション科研修を検討してみることを是非お勧めします。







特別招待講演「AMED(日本医療研究開発機構)のミッションと展望」(2016/02/05)

2016-02-24 11:17:10 | 院外イベント
こんにちは。Dr.Waveです。
連投です。

2016/02/05は岡山大学鹿田キャンパスJホールで開催された特別招待講演「AMED(日本医療研究開発機構)のミッションと展望」を拝聴しました。
「日本医療研究開発機構」の末松誠理事長のお話は非常に明解で分かりやすかったです。
今後の日本の医療分野の研究開発の方向性を勉強することができました。

「病気の人を救いたい」という気持ちが研究を生み研究を推し進め、実用化されて初めて「病気の人を救う」という結果をもたらします。
その過程には幾つもの様々な形の「death valley」が待ち受けています。
システムで対応しなくてはならないもの、積み重ねで対応しなくてはならないもの、強い気持ちで対応しなくてはならないもの、ある程度運が左右してくるものなど様々です。

岡山市立市民病院では今後市中病院における臨床研究も地域貢献の一つと考え取り組んでいく予定です。
今後ともよろしくお願いします。



参考資料:
「日本医療研究開発機構のミッションと展望
2015/10/16 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/bukai92_s1.pdf
2015/12/05 http://atdd-frm.umin.jp/20151113/abstract/1-1ab_suematsu.pdf










2016年度岡山市民病院初期臨床研修「選択」プログラム説明会part1(2016/01/13)

2016-02-24 09:51:42 | システムやプログラムの紹介
おはようございます。Dr.Waveです。
来年度に向けて、今年度の総合内科・臨床研修センター・院内の委員会の活動をまとめ、来年への方針を打ち出す業務に取り掛かっています。

さて、2015年度臨床研修センターは様々な試みを行ってきました。
パンフレットの更新、ホームページの調整、プログラム説明会の改善、当院での「医師研修セミナー」の開催などです。

更にこの1/13には『2016年度岡山市民病院初期臨床研修「選択」プログラム説明会』part1を開催しました。
この説明会は初期研修2年目で選択する研修プログラムを各診療科が説明し、初期研修医が選択しやすくすることを目的としました。
来年度は9月頃に開催し、大学病院のたすき掛け研修医の方々にもオープンにする予定です。

第1回は循環器科、産婦人科、呼吸器内科、神経内科、心療内科、泌尿器科、外科、脳神経外科、皮膚科、糖尿病内科でのプログラム説明を行いました。

Dr.Waveは当院専属初期研修医と共に全プログラムを拝聴しましたが、かなり刺激となりました。
普段診療を通して(もしくは医局を通して)コミュニケーションをとっている各診療科スタッフの教育理念や方略を知ることができました。
私のほかにもスタッフクラスで共に拝聴していた者もいましたが、同様に「いい勉強になった」とおっしゃっていました。
実際スタッフ医師もこのように正式な場で自分達の研修プログラムを紹介することはなかったこともあり、頭の中でかなり整理できたとおっしゃっていました。

研修医とスタッフが共に育てる岡山市立市民病院初期臨床研修プログラムにしてまいりたいと考えています。



































岡山市立市民病院 卒後臨床教育研修センター

2016-02-12 14:42:40 | システムやプログラムの紹介
こんにちは。Dr.Waveです。
今日は連投です。

今回は『岡山市立市民病院 卒後臨床教育研修センター』の紹介をします。

岡山市立市民病院では2014年度より「臨床教育研修センター」を正式に設置しました。
初期研修プログラムの整備とリクルート部門の設置を主目的として始動しました。

臨床教育は医療と切って離せないものですが、診療スキルと教育スキルは全くの別物です。
岡山県自体職人気質の強い県民性であり、伝統ある岡山大学医学部もその影響を少なからず受けています。
師匠の背中を通して学ぶ。まず姿勢を学ぶ。
師匠は教えるが不器用でもいい。いい作品を真摯に作り続けていればいい。
克己心をもって自分を成長させることが後輩への教育となる。
いい表現をすれば、このように表現されます。
厳しい表現をすれば、教えることから離れているとも言えます。

初期研修プログラムの充実を目標にスタッフが臨床教育について向き合い教育スタッフとして成長していくことが「臨床研修センター」の潜在的な設立目的としました。
そして初期研修医を患者のニーズを答える「医師」に育成することが、岡山市立市民病院の地域貢献の大きな柱の一つとしたいと考えています。

またリクルート部門の充実は専属の事務スタッフをつけると同時にいいスタッフと研修医をリクルートすることが病院の診療サービスの向上に直結するということを病院全体として認識することを主目的としています。

「リクルート」と「臨床教育プログラムの充実」は背中合わせです。
何故なら臨床研修においては給与的な高待遇よりも教育環境の充実が一番の魅力となるからです。
スタッフはリクルート活動をすると同時に教育プログラムの充実を図らなければなりません。
そしてリクルートで獲得した研修医に対しては報酬としての臨床教育を約束したこととしてより一層努力をせねばなりません。

この2年間で岡山市立市民病院は大きく成長の一途をたどっています。
来年度は専属初期研修医数の増員と後期研修医の増員があります。
来年度は後期研修医の臨床教育という大きなチャレンジを迎えます。

2016年度より「臨床教育研修センター」から『卒後臨床教育研修センター』として一回り規模を大きくします。
構成メンバーを一部のスタッフだけでなく、各部門の医師スタッフに広げ、事務スタッフも拡張します。
「初期研修医」「後期研修医」そして「スタッフ」も卒後臨床教育の対象とする予定です。

何を教育目標とすべきか。
そのためにどんな教育環境やプログラムが必要か。
そして各スタッフが「まず」何をすべきであるか。

2週間に1度各スタッフが膝を交えながら真剣に議論し実践に向けて動き出しています。
スタッフや研修医が其々の段階において「患者のニーズに答えれる医師」として成長していける岡山市立市民病院に成長していきたいと考えています。
















神経内科カンファレンス

2016-02-12 13:27:16 | 理念やコンセプト
こんにちは。Dr.Waveです。

今年度岡山市立市民病院では「神経内科カンファレンス」「呼吸器カンファレンス」「循環器科カンファレンス」「肝臓内科カンファレンス」が開始となりました。

今までは研修医の人数もそれほど多くはなかったため、レクチャーなどは個別に行われていました。
たすき掛け研修医の受け入れ人数の増員と来年度からの専属研修医の増員により、各診療科が研修医教育や院内コンセンサス作りのために開始しました。

今回は神経内科カンファレンスのレポートをしたいと思います。

神経内科カンファレンスは毎週水曜日18:30-21:00に開催されます(今後は18:30-20:00となるかもしれません)。
神経内科医の出口先生と名古谷先生がファシリテーター兼レクチャラーとして運営されています。
神経内科は総合内科グループにも所属しているため、総合内科スタッフと後期研修医、ならびに総合内科・神経内科ローテーション中の初期研修医も参加します。
(神経内科は総合内科グループと脳疾患センターに所属しています。脳疾患センターでは毎朝SCUカンファレンスが開催されます。脳神経外科・神経内科のメンバーが参加します)。

このカンファレンスでは実際の症例を元に、神経疾患に様々な知識・スキル・知見を学ぶことができます。
入院患者の多くに神経症状を呈していることが多く、日常遭遇するコモンな病態についても勉強することができます。
また実際の診察・診断スキルだけでなく、画像診断、脳波診断も学ぶことができます。

Dr.Waveも参加していますが、非常に「勉強」になるカンファレンスです。
今までぼんやりしていた知識が明確になるため、明日からの診療にすぐに効くカンファレンスとして重宝しています。

多忙ななか労をとって運営してくださっている出口先生と名古谷先生に感謝をしながら、総合内科グループも含めたメンバー皆で今後も盛り上げていきたいと思います。







OCH救命救急 M&Mカンファレンス(2016/01/29)

2016-02-09 14:37:33 | 院内カンファレンス
こんにちは。Dr.Waveです。

1/29のM&Mカンファレンスは「ポリファーマシー」のリスク管理についてでした。
ある病院で症候性てんかんに対して処方されていたアレビアチンが、他院で胃癌に対して処方されたTS-1によって血中濃度が跳ね上がるというケースでした。
アレビアチンはかなり多くの薬物と代謝酵素を共有しており併用時に血中濃度が上昇します。
施設をまたいで薬が複数処方される場合、こうした併用注意(禁忌に関しては注意が行きますが)に対してどこでアラートを行うかというテーマとなりました。
アレビアチンを処方している医師が常に新規導入薬剤について目を光らせているか、もしくは追加薬剤を行う医師が常に注意薬剤について目を光らせているか、もしくは「かかりつけ」薬局が併用薬剤管理を統括的に行い検出するようにするか。決まってそうで決まっていない、決まりそうで決まらない、決めていても常時注意を注ぐには厳しい環境、コンピューター管理をしようにも施設をまたぐのでカバーしきれない。
まずはポリファーマシーのリスクを基本から理解すること、常に留意すること、一定のルーチンなりを身につけて対応していくことについて色々意見を出し合いました。

このポリファーマシー自体、M&Mカンファレンスの醍醐味である「システムの改善」が必要となる分野であると感じました(もちろん医師の処方薬に関する哲学教育も必要ですが)。












岡山市民病院ケースカンファレンス(2016/01/22)

2016-02-08 15:50:03 | 院内カンファレンス
こんにちは。Dr.Waveです。

1-2月は1年のなかでも集大成的な意味で忙しくなりますね。
やることが沢山あることは幸せなんだと思い(こませ)、日々を過ごしています。

1/15のケースカンファレンスは「テトロドトキシン中毒の一例」でした。

心肺停止後に発見され救急搬送された症例で、『丁寧な』問診でフグ毒による呼吸不全・循環不全が原因と診断されたケースでした。

趣味が釣りであること・フグを調理する習慣があることを確認した後、台所の生ごみの中の調査依頼を行ったところ、フグの調理跡がありました。保健所に相談し、尿検査依頼をしたところテトロドトキシン陽性となり診断がつきました。
身体所見や採血・採尿・生理学的・画像検査では特異的な所見なく、危うく致死的不整脈などの可能性について言及せざるを得ない状況でした。

心肺停止後に発見され救急搬送されるケースでは各検査で診断がつかない場合、中毒や代謝性を念頭においた丁寧な問診で死因を究明することがあることを皆で再確認しました。

O山先生、「丁寧な」スライド作成とプレゼンのほどありがとうございました。