岡山市立市民病院 総合診療グループ(ER+GIM)

岡山市立市民病院の総合診療グループである『総合内科』と『救急総合診療科』の日常の雰囲気を伝えていきます。

岡山市民病院ケースカンファレンス(2015/10/16)

2015-10-21 01:33:47 | 院内カンファレンス
こんばんは。Dr.Waveです。
今日は当直業務なので、連投します。

10/9のM&Mカンファレンスは「持参薬」についてでしたが、Dr.Waveは「DDW」に参加していましたので、レポートはスキップします。

10/16の岡山市民病院ケースカンファレンスは低髄液圧症候群の一例でした。頭痛を主訴に受診されました。

頭痛診療の流れ、低髄液圧症候群を疑う症状は何か、髄液検査を行う前にこの疾患の可能性を一度は検討すること、髄膜炎を否定できない場合は髄液検査を行うものの、低髄液圧症候群の可能性が高くて念のための除外の髄液検査を行う場合の穿刺針の選択などを勉強しました。

この回は倉敷中央病院のスタッフ医師も参加いただき活発な討論をいただきました。ありがとうございました。

そしてしっかり準備をしてくださったK田先生、ありがとうございました。









岡山市民病院ケースカンファレンス(2015/10/2)

2015-10-20 13:57:19 | 院内カンファレンス
こんにちは。Dr.Waveです。
長らく停滞していました。

10/2の「岡山市民病院ケースカンファレンス」の報告をしたいと思います。
ちなみに
 ★9/9ケースカンファレンス→剖検が夕方に決まり急遽中止。
 ★9/18ケースカンファレンス→「ネズミ咬傷の一例」。Dr.Waveは夏期休暇。
 ★9/25ケースカンファレンス→シルバーウィーク明けのため休み。
であり10/2までのカンファレンスレポートはスキップとなります。

この回はエタノール中毒の一例でした。


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薬物中毒診療は通常の診療のスタイルとは異なります。
とくに意識レベルが低下している際には情報収集のやり方を知っておく必要があります。

まず救命処置の必要度を評価して全身状態を安定させた後、
現場における「薬や容器の種類と量(カラ)」「部屋のにおい」「自殺か殺人か偶発かを示す所見」などを発見者や救急隊から聴取しなくてはなりません。
飲用した薬物が分かっても、商品に成分が網羅されていないこともあり、インターネットや会社への問い合わせ、中毒センターへの確認をする必要がでてきます。
またご家族や関係者から分かる範囲での時間経過を確認して発症時期を推定します。

常に「ブラックボックス」が存在しうることを念頭に情報を収集していきます。


また病態で薬物中毒が鑑別にあがった際に役立つのが「トキソドローム」という概念です。
臨床症状や所見から中毒となった薬物を推定するという方法論です。
今回はアルコールランプの液を飲用したとの報告がはっきりしていましたが、混入している薬物がないかも確認する必要がありました(実際はありませんでしたが)。

このように薬物中毒は特異的な診療スキルが必須となります。こうした領域の診療は救急に入る医師が一定のレベルを持っておく必要があると考えています。
ケースカンファレンスではこうした領域の勉強も進めていきたいと考えています。