岡山市立市民病院 総合診療グループ(ER+GIM)

岡山市立市民病院の総合診療グループである『総合内科』と『救急総合診療科』の日常の雰囲気を伝えていきます。

岡山市立市民病院 内科『初期』研修プログラム紹介

2015-05-30 21:12:48 | 理念やコンセプト
こんばんは。Dr.Waveです。

今日は当院での内科初期研修プログラムを紹介しようと思います。

現在内科研修は大きくグループA・B・Cに分けています。

内科グループA 「消化器内科・肝臓内科」「内分泌科・総合内科」「膠原病科」「神経内科」
内科グループB 「血液内科」「糖尿病内科」「呼吸器内科」
内科グループC 「循環器内科」

【1年目初期研修医】
1年目初期研修医はこれら内科グループに入って研修となります。

専属研修(岡山市立市民病院所属の研修医)は内科グループAとBがそれぞれ2カ月ずつ、内科グループCが1カ月となります(2年間で内科研修dutyは6か月ですので、残りの1か月は2年目に持ち越されます)。

たすき掛け研修(大学病院など他院所属の研修医)は内科グループAとBは2か月以上、内科グループCは1か月以上の期間で選択となります。

*2年目初期研修医は後述しますが、グループ選択でなく希望診療科選択となります。

内科グループAは経時的重点診療科のプランを決めながら、各診療科の患者をくまなく担当することとなります。
内科グループBは各診療科の患者を一定の割合で担当することとなります。割合は適宜スタッフのとの話し合いで調整されます。
内科グループCは循環器内科ですので、緊急カテーテル検査や心臓超音波検査を含めて一貫した研修を受けることとなります。

【2年目初期研修医】
2年目初期研修医は内科グループではなく、希望診療科を1カ月以上の期間で選択となります。専属研修もたすき掛け研修も同様です。
ただし専属研修医は1ヶ月間の必修内科研修期間が残っているので、4-5月の初期研修医指導もできるように前半に必修内科研修があたることとなります(どちらのグループになるかは他の研修医も含めてスタッフと調整することとなります)。

2年目の内科研修の内容ですが、希望診療科を中心に集中的に研修していただきますが、肺炎や尿路感染症などのcommon diseaseは「DD症例(Doctor's duty case)」として複数名は担当することとなります。



この内科グループシステムを選択した理由としては、
・初期研修1年目が各内科を1か月ごとにローテーションすると担当患者の入れ替わりが激しくなり、患者把握が難しくなることと、入院から退院までの一貫性のある臨床経験をする機会が減ってしまうため、グループ内に2-3カ月滞在することにして研修の一貫性を保つようにしました。
・初期研修1年目には基本的診療スキルの修得が主たる目的となりますが、指導医の立場からも一貫した診療管理をとおしてスキル指導をできるようにしました。

勿論初期研修2年目には様々な研修希望が出てくるため、専門的な研修が受けれるように設定しています。


岡山には、専属研修とたすき掛け研修と2つのタイプの研修プログラムがあります。
岡山市立市民病院ではどちらの研修プログラムであろうと「市民病院で研修をしてよかった」と思っていただけるよう環境整備に努めてまいりたいと考えています。




2014年救急外来での集合写真(たまたま救急外来にいた人で撮影)。内科研修では救急内科領域の対応も大切にしています。



岡山市民病院ケースカンファレンス(2015/05/22)

2015-05-27 11:58:40 | 院内カンファレンス
こんにちは。Dr.Waveです。

5/22のケースカンファレンスは「汎血球減少を伴う発熱の若年男性の一例」でした。

単なるウイルス性腸炎と思われるケースでしたが、採血検査で汎血球減少を認めたため、この時はどのようにアプローチをするかをdiscussionしました。

鑑別診断を非骨髄性疾患と骨髄性疾患に大きく分類して考え、感染症・膠原病・血液疾患・薬剤などの可能性を評価していきます(それらを示唆する臨床経過や所見がないかを確認)。潜在疾患の可能性を評価して抗菌薬投与の必要性、種類の選択を決め、各種培養・検体検査を提出します。骨髄検査は臨床経過を見ながら適宜適応を検討します。感染症ではリケッチア感染の可能性も念頭に特異的問診も仕掛けないとなりません。その後の経過や臨床所見次第では膠原病(とくにSLEなど)の可能性も念頭に各種抗体検査の提出を検討していくこととなります。

これまで何となく「こうすればいいかな」というのが各人にあったと思われますが、実際に議論をすることで当院なりのコンセンサスを導けたかと思います。

それなりに頻度が高いながら、診察医の知識次第で診療内容が不十分になってしまうようなケースについては、今後もケースカンファレンスで積極的に取り上げ、救急外来ならびに内科初診のレベルのボトムアップを図っていきたいと考えています。









第3回 2016年度岡山市立市民病院初期研修プログラム説明会 For 医学生(2015/05/16)

2015-05-26 08:43:55 | 院内イベント
こんにちは。Dr.Waveです。
ちょっと更新が出遅れてしまいました。
診療業務と管理業務の両立にすったもんだの5月となっています。


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5/16(土)に『岡山市立市民病院 初期研修プログラム説明会 For 医学生』を開催しました。
県内外含めて15名の医学生さんに参加いただきました。

岡山市立市民病院では2014年度より初期研修プログラム説明会を強化しています。
折角時間と労力の都合をつけて来院いただいている学生さんのために失礼のないようしっかりしたコンテンツを準備するようにしています。
今回で5回目となりましたが(2016年度プログラムは第3回目ですが)、回を重ねるごとにbrush upできているように思います。

今回はスタッフによるプログラム説明は最小限にし、初期研修医との交流の場を最大限に確保してみました。
「実際に病院に来たならでは」のコンテンツを目指して企画しました。
もちろん会場に年輩のスタッフがいると、初期研修医たちは発言に遠慮してしまいますので、年輩スタッフは締め出した環境で初期研修医開催の部は進行しました。
説明会終了後のアンケートでは評判上々でした。



こうしたプログラム説明会は病院のリクルート活動の一環となります。
リクルート活動には、説明会開催だけでなく、パンフレットやWebの作成、マイナビなどの合同イベント参加など様々な活動があります。
人を集めるには、どんな優れた文言よりも、実際の研修内容と環境を優れたものにすることが一番の吸引力となると考えています。
説明会と同様、初期研修プログラム自体も年ごとにbrush upを重ね、実のあるものにしてまいりたいと考えています。

今後とも岡山市立市民病院をよろしくお願い申し上げます。






























































岡山市民病院ケースカンファレンス(2015/05/15)

2015-05-17 23:30:02 | 院内カンファレンス
こんばんは。Dr.Waveです。
新病院に移ってシステム調整などに励んでいます。


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新病院に移って記念すべき第1回目のケースカンファレンスでした。

3週間続く下痢、咽頭痛、発熱を主訴に来院された若年男性でした。
IBDは鑑別診断に上がってきますが、すぐに飛びつかず丁寧に鑑別診断を上げていく作業が重要なケースでした。
内視鏡的には潰瘍性大腸炎で矛盾はない所見でしたが、他の臨床症状はBehcet病など他の自己免疫疾患を引き続き留意して経過を診ていくこととなりました。

診断学的に「early closure」というerror形式があります。
これは一つの診断名を得た際に他の病態の可能性について思案が止まってしまう状態です。
これを回避するにはきちんとプロブレムリストを列記し丁寧にアセスメントとプランを立てていくしかありません。

幾つものlearning pointのあるケースカンファレンスでした。

O智先生、プレゼンテーションのほど有難うございました。












ドクターヘリ初搬入(2015/05/11)

2015-05-11 21:13:21 | 院内イベント
こんばんは。Dr.Waveです。

新病院になり各部署も微調整を行いながらフル活動体制となってきています。

本日ドクターヘリによる救急搬送が行われました。新病院になって第1回目です。
しっかり準備を行っていましたので、とくにトラブルなくスムーズに搬入ならびに治療を開始することができました。

今後も地域の要望に答えれる救急体制を目指して頑張っていきたいと思います。

















病院移転(2015/05/01)

2015-05-07 10:16:06 | 院内イベント
おはようございます。Dr.Waveです。

5/1に新病院に移転しました。

繰り返し行っていたシミュレーションの成果で無事に患者さんの移送が終了しました。

5/2から救急センターは稼働となり、本日5/7より通常診療が稼働となりました。

連休の間「新」病院で働いての感想ですが、非常に働きやすく非常に快適になりました!
後は患者さんも同様に快適に診療を受けれるようにシステムやサービスを日々更新していきたいと思います。

今後とも岡山市立市民病院をよろしくお願いします。



Dr.Waveは搬送班でした。



初発搬送です。



雨天に備えテントも用意しましたが、快晴でしたので、日よけとして活用されました。



テレビクルーも来ていました。



新病院での受け入れです。



患者さんを安全にベッド転換をします。



最後の患者さんの搬送です。



無事に全患者さんの搬送が終了しました。