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東京の田舎から

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米朝会談の中味はカラなのか? ドンデン返しがあるのか?

2018-06-13 11:31:31 | 時事問題
史上初と喧伝された米朝首脳会談であったが、その成果として発表されたものは、包括的で具体的な内容は全くない。空証文の取り交わしをしただけの如しに見えた。これでは、今までの北朝鮮の言い分と変わらない。具体的に「何時までに」「何をする」と言う内容はない。しかも北朝鮮の体制は保障するようである。これは、米国が大きく譲歩した単なる政治劇場なのか?もし、文面の通りであれば、北朝鮮の金正恩は「してやったり」の気分であろう。
しかし、実は、これは、トランプ大統領の巧妙な罠で、期限が書いてないのは「今、すぐだ」と、恫喝してあるのかも知れない。そう思いたいところであるが、果たして本当に核廃棄がなされるのであろうか? 暫く様子を見ないと判らない。

 今回の会談の結論を表面的に見ると、米国は自国にとっての最低限の利益さえ得られれば、後のことは「どうでも良い」と行動で示したように見える。その通りであるとしても、国際政治において、自国の利益を最大限にすることは当然であり、「日本は騙された」と文句を言うのは正しくない。自国の利益のために高い費用をかけて軍事力を高め、その裏打ちをもって外交をするのは当然のことなのである。

すなわち、今回の会談では、日本にとっての北朝鮮のミサイルの危機は何ら触れられていない。拉致の件も「話した」と言うだけである。おまけに、米韓軍事演習の中止の意向までを示している。北朝鮮とその裏にいるチャイナにとっては、もし、裏の話がなければ大成功の会談であったことになる。

 米国が今回の行動の通り、仮に、ドンデン返しが無いと仮定して、弱腰なのはトランプ政権が、どの程度の信憑性があるのかは不明ながら「・・疑惑」によって、基盤がグラグラしているからであろう。中間選挙までに、何とか得点が欲しい、できればノーベル平和賞も欲しいのかも知れない。

民主主義とは、大衆迎合主義につながるものである。これが大きな欠点である。対する北朝鮮は独裁国家である。好き勝手の政治が可能である。この両者が対峙したとき、勝負は「独裁の勝ち」となる可能性が高くなる。民主主義国家の政治家は、常に大衆の顔色を窺って、その意向に沿う政策を掲げざるを得ない。国家のためには本来は「こうあるべき」と考えても大衆に理解されなければ落選であるから、知らん顔をしてしまうのである。大衆が「国家のため」を考えるかと言えば、現状ではごく少数の人しかいないであろう。

この会談で、朝鮮戦争の終結宣言はなかった。もし、表の通りの筋書きであれば、中味がカラかもしれない核放棄の約束によって、米国は北朝鮮の現体制の保障をしてしまった。したがって、「あーだ、こうだと」ごねられて、時間稼ぎをされても、米国は北朝鮮を攻撃することはできなくなった。金正恩は「ホッ!」としていることであろう。そして、約束は、今までの例に倣って、なかなか履行されないのでは? と、危惧するところである。北朝鮮は戦争という手段以外には、核武力は絶対に手放さない。時間稼ぎをして、核保有国としての存在を目指しているのであろう。しかし、ひょっとして、米国はそれを待って、攻撃するのかも知れないと夢想するところであるが?いずれ時間が過ぎればわかることになる。
仮に、もし、文書の通りであれば、日本にとって、ヤクザも顔負けの核保有国が隣に誕生するのである。インチキ憲法を崇拝している時ではないように感じるが・・・大衆迎合主義政治家には伝わらないであろう。
かくして、拉致被害者も戻されずに、運が良ければ、ごく一部の拉致被害者が戻されるかも知れないが、それによって、また、金だけ将軍サマに貢がされることになりかねない。

一方、この会談で韓国は「統一に近づいた」と喜んでいるが、北朝鮮の金正恩は米国から「体制の保障」を取り付けたのである。つまり、北朝鮮は安泰である。その論理で考えれば、北朝鮮が安泰であるということ、すなわち、仮に、韓国との統一がされるということは、韓国は北朝鮮に吸収されるということになる。韓国の国民は金正恩を「将軍サマ」と崇めて暮らす気なのであろうか?

何れにしても、北朝鮮は核とミサイルを持ち、武力で威嚇した結果、米国大統領を引っ張り出し、世界にその存在を宣伝できた。核とミサイルという強力な武力を持ったからできたことである。
ところで、日本は・・・このような、“ヤクザの出入り”に等しい世界の実態に背を向けたままである。「日本以外の各国は皆紳士である」と信じ、そのように書かれている「イカサマ憲法」を崇め奉っている。
イカサマ憲法の縛りで、何をされても武力での威嚇はできない。「拉致被害者を帰せ」と言ったところで、日本は怖くないので相手にされない。そのため、日本の外交は「カネを出すから」と、身代金であれ何であれ、相手から要求された「カネ」を出すしかない。世界は、武力の後ろ盾を持ってこそ、話し合いが成立するという簡単なことが理解できないのである。理解させようと努力する政治家も少数しかいない。
簡単な例を示そう。日本国内では、警察官が暴漢を取り押さえるには「手を上げろ」「撃つぞ」と拳銃をかまえて威嚇し、暴漢を逮捕する。しかし、国際間となると、暴漢よりも更に凶暴・凶悪なヤクザ国家相手に、武力で威嚇されても、「カネを出すから勘弁して」としか言えないのが日本である。

今回の米国と北朝鮮の会談の実現は、互いの武力による威嚇合戦の結果として成立したものである。日本は、憲法改正をして普通の国にならない限り、マトモな外交はできない。

今回の米朝会談時に、日本は、米国トランプ大統領に「拉致被害者を返すように議題に入れてくれ」と頼んだ。まるで米国が日本の保護者・国のようである。しかし、日本は独立国であれば、米国が保護者・国である筈はない。もし、仮に、米国の威嚇の付録で「戻す」となっても、その交渉は当然に日本がすることになる。しかし、日本にとっての、手持ちの道具は「カネ」だけである。拉致監禁という重大犯罪者・国家に情けないことに身代金を支払って「返してもらう」しかない。勿論、米国の武力の影を借りて若干の脅しはできても、その程度である。加えて、このとき、米国からも北朝鮮の核の廃棄に向けて必要な「カネを出せ」と要求されるかも知れない。そのとき、日本としては、「拉致被害者の全員帰国が無い限り、ビタ一文出せない」と、断るべきであるが、その気概があるかどうか・・・。現状では、どのような展開になるかは予測もつかない。国家の安全は、最悪を考えて準備する必要がある。その点では、防衛大臣の「油断はしない」発言はよかった。

誠治劇場の第二幕はどうなるのか・・・。

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