ロシアが仕掛けたウクライナへの侵攻・侵略はウクライナ軍の反撃もあり、ロシアの描いていた筋書きの通りには進んでいないようである。すなわち、ロシアは、3~4日で、ウクライナのゼレンスキー大統領が逃げ出して、首都を奪い取れると考えていたようである。従って、兵員の食料、弾薬、燃料、そして、戦費なども「その程度」を予定していた筈である。しかし、思いのほか、ウクライナ軍の反撃は大きかった。この劣勢、すなわち、兵站の欠乏と、莫大な戦費の調達のこともあり、これを挽回すべく、テロリスト・ロシア軍は、国連憲章や国際法も無視し、原子力発電所への襲撃をし、加えて「核の使用」、「化学兵器の使用」と思わせることをチラつかせて恫喝している。加えて、病院や学校、一般人の居住している住宅など、更に悪質なのは、市民の避難所を狙い撃ちして砲撃し、一般市民を虐殺し、首都を制圧しようとしている。加えて、ウクライナ国内の市長を拉致している。このように、国連憲章に背き、戦時国際法で禁止されていることを、“ことさら” に無視して攻撃している。このことから、これは、軍事作戦・戦争と呼ぶことは相応しくなく、白昼堂々と行っているテロと呼ぶべきである。戦争にはルールがある。このルールを守らないのはテロである。テロを指揮しているロシアの大統領・プーチンは、世界一凶悪にして凶暴なテロリストであり、凶器を持った “ならず者” の頭目に過ぎない輩であり、犯罪人として処罰されなければならない。まさに「キチガイに刃物」「プーチンに核」である。
ロシアの暴挙は、2014年にウクライナの国土の一部であるクリミア半島を侵略して奪取したところ、国際社会は軽い経済制裁で済ませていた。この対応によって、国際社会を甘く見たプーチンは今回の凶行に及んだものであろう。
今回のウクライナに対する凶行も、国際社会は、自国にテロの害が及ぶことを恐れて、経済制裁しか打つ手がない。その反撃として、ロシアは国内にある、企業の接収、リースして運行していた航空機・数百機の接収など、まさに白昼堂々と強盗をしている。勿論、日本企業も被害を受けている。
ところが国際社会は、核戦争になることが恐ろしいため、隠れるように、恐る恐る小型の武器の供与をしている。
しかし、ソ連邦が崩壊した後に、ウクライナに残されていた核ミサイルをロシアに引き渡すときの、ブダペスト覚書きは紙切れになったのであろうか? なお、「ブダペスト覚書」とは、1994年にウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンが核不拡散に加盟したことに関連して、欧州安全保障協力機構会議において署名された覚書きであり、協定署名国がこの3国に安全保障を提供するというもので、米国、英国、ロシアの核保有国がこの覚書きに署名している。また、加えて、中共、フランスは別々の書面で個別保証をしているのである。これによってウクライナの核ミサイルはロシアに引き渡されている。
しかし、今回、ウクライナの安全を保証してくれている筈のロシアから、また、ウクライナと同じ立場にあるベラルーシから攻撃をされている。そして、残る米国、英国は、武器の供与であり・・勿論、しないよりはましであるが・・フランスは表だった動きはなく、中共に至っては、ロシアに付く可能性すら取り沙汰されているのである。この点からも、ロシアの信頼は地に堕ちている。ウクライナは騙されたも同然である。なお、国連の常任理事国・拒否権を持っているロシアは、テロ国家モドキであり、すぐにも国連から追放すべきである。
ところで、日本とウクライナは似ているところがある。すなわち、日本は北方領土を、ウクライナはクリミア半島をロシアによって武力によって不法占拠されている。それにも関わらず、国民の多くが「平和ボケ」していて、戦争によらず、「話し合いで解決」を旨としていた。更に、ウクライナは、折角持っていた核を手放してしまい、前述の「ブダペスト覚書」を信じて、自国の防衛を他国任せにしていたことである。まるで日本とそっくりである。
平和ボケであるから、米国から、今回のロシアからの攻撃について「詳細な情報」が提供されていたところ、「そんなことないさ」と、事前準備を全くしていなかった。そのため、初動対応が遅れて戦闘機を多数失ったとの話もある。
そして、今、ロシアがウクライナで「戦争という名称のテロ」を行っている最中、北方領土周辺でもミサイルの発射を伴う、軍事演習をし、加えて、津軽海峡を武器満載のボロ艦船を通過させて、日本に対する威嚇を行った。
こんなことをされて「遺憾」の一言である。こんな言葉が、ならず者・テロリストのロシアに通用するか否かは、アホでも判るであろう。ところが、国会議員の多くは、アホ以下で、ウクライナの出来事を、「明日は我が身」とは捉える想像力がないようである。
このロシアの暴挙に対して、日本は対抗すべきである。すなわち、不法占拠されている北方領土の日本側海域とされている場所で、日米合同の大規模軍事演習を行うべきである。これは、結果として、ウクライナへの軍事支援になる。すなわち、ロシアは、ウクライナの他にも、周辺国といざこざを起こしている。これに加えて、不法占拠している北方領土の警戒が加われば、今、ウクライナに派遣している極東軍を戻さざるを得なくなる。これは、ウクライナにおけるロシア軍の戦力を低下させることになる。その分、ウクライナは助かる筈である。また、国際社会に対しては、ロシアの不法占拠について、明らかにする機会でもある。
軍事演習であれば、ロシアも文句は言えない。先に軍事演習をしたのはロシアである。日本は、毅然として、ロシアの暴挙に対抗すべきである。
なお、今回、ウクライナへの援軍を乗せていたロシア船は、日本への威嚇も含めて、津軽海峡を通過していたが、国際的には、津軽海峡、宗谷海峡、大隅海峡、対馬海峡東水道・西水道は、日本の領海にできるところ、国際海峡として、その中心部を公海として開放している。これは、余りにお人好しである。否、核搭載艦艇が通過したとき、「日本への核の持ち込みだ」と騒がれ、国内的に問題になることを防ぐ意図とされているが、これは、日本の安全保障に関わることである。即刻、領海として宣言すべきである。
今回のロシアのウクライナへの侵攻・侵略ではっきりとしたことは、「国家間の約束は簡単に反故にされてしまう」ということ、そして、防衛を怠ると戦争を仕掛けられることである。
しかし、日本では、「日本さえ温和しくしていれば戦争は起きない」と思っている人がいる。日本に向けたミサイルが敵国で設置・配備されても、それを打ち落とすための迎撃ミサイルの設置・配備さえも反対されてしまう。ましてや、核武装などは議論さえしない。岸田首相は、「非核三原則は国是だ」と言い、議論することさえを封殺している。まさに役立たずのアホ総理であるが、「イザ」というときはゼレンスキー大統領のように化けるか否かは・・・不明であるが・・・。
そして、ウクライナは核恫喝された。これは、同時に世界が恫喝されたのである。しかし、ウクライナには核シェルターはある。しかし、日本にはない。日本には、「J-アラート」という全国警報のシステムはあっても、警報が発せられるだけである。核ミサイルの警報が発せられても、核シェルターは設置されていない。どう対処するのであろうか? 都心には地下鉄の地下駅に続く鉄道トンネルがあり、大きなビルには地下室があるが、核攻撃に対処できるか否かは聞いたことがない。勿論、田舎には避難に耐えられる構築物は何もない。
このような状況であり、万一にも、敵国からのミサイルが発射されて、全国警報が流されたとき、一体、どうすれば良いのか? まさか、「憲法9条があるからそんなことは起きない」とでも思っているのであろうか? そうだとすれば全国警報は何のために設備したのか? まさか、「憲法9条」・「憲法9条」と念仏のように唱えていれば、着弾しないとでも考えているのであろうか? 是非にも、日本政府に教えて頂きたいものである。
なお、ロシア軍がしている情報戦では、ロシアは荒唐無稽な大嘘を流している。平然と大嘘を流すのである。例えば、子供らが避難している劇場の敷地に大きく「こども」と書いてあっても平然と、寧ろ狙って爆撃する。これは人道的にも国際法的にも、あり得ないことである。ところが、ロシアは「これは、ウクライナの自作自演」と言う。日本人は、元々が正直であるので、このようなプロパガンダに惑わされてしまう。しかし、ロシア人や支那人は平然と大嘘を流す。このことを覚えておくべきであろう。
日本の防衛を「日米同盟」に全面的に依存していると、前述のブダペスト覚書きが反故にされているように、「イザ」という時に、日本の期待が過大である可能性もあり、役に立たない可能性もある。そのようなことは考えたくもないが、余りに期待するのは甘えである。逆の立場を考えてみよ。そもそも、自国の防衛は自国で行うのが主権国家である。同盟は大切ではあるが、他国には援軍は期待しても、あくまで、自国で守るのは当然である。今回のウクライナでの、ロシアのウクライナに対するテロ攻撃は、このことを教えてくれているのである。
【了】