東京の田舎から

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泥縄のコロナ蔓延対策

2021-08-29 17:12:23 | 時事問題

 コロナ・・・正しくは「武漢肺炎ウイルス」の蔓延が拡大している。政治家(「や」と読む)の菅首相は「先手・先手の対策を・・・」などと言っていたが、現状は、到底「先手・先手の対策」とは言い難い。寧ろ、「泥縄・泥縄」の対応である。

 すなわち、春の流行の後には、変異株が入り込み「もっと大変なことになる」と、随分と以前から予測されていたにも拘わらず何もしなかった。そして、「水際対策をしっかりとします」と、言いつつ、大甘の「水際対策」であり、完全なる「ザル対策」であった。そのため、ウイルスは易々と入り込み、現状では、9割以上が変異株の感染者と報じられている。

 そして、緊急事態宣言の最中のオリンピックの開催である。東京都知事の小池、首相の菅らは、バブル方式などと、またまた横文字を使って、「一般人と分離して開催します」などと言っていたが、関係者の中には、酒を飲みに出掛けていた輩もいたのである。そして、何らの対策もしないところ、口先だけ、「国民の命を守るため」、「安心、安全なオリンピックにします」などと言っていた。

 あげくは、バッハIOC会長に広島訪問、銀座散策の過剰な便宜まではかっていた。それでいて、国民・都民等には、「都道府県の境を超えた移動をするな」とか、「お盆の帰省は控えろ」などと言いたい放題である。オリンピックで「国境を越えた移動」をさせておいて、都道府県の移動を控えろとは、矛盾も甚だしいことをいう。

 さらに、東京都知事の小池は、昨年のコロナ禍の始まった頃には、「オリンピック」・「オリンピック」と浮かれていて、コロナ禍を甘く見ていた。ところが、「少し危ない」と判ってきた頃からは、都の費用、数億円も使ったテレビコマーシャルで、「おうちに帰りましょう」などと自分を目立たせつつ、都民を馬鹿にしたが如きことを言っていた。さらには、軽症者の療養施設としてホテルを借り上げ、そこからの退所者には、小池からの「メッセージカード」などを配布し、加えて、レインボーブリッジを赤く染める照明をしたりして、まさにコロナ禍を「自らを売り出すための好機」として、存分に利用していた。そして、ロックダウンとか、強烈なコトバで恐怖心を煽り、その一方、東京都の病床使用率を、過小にして発表し、危機を煽っていた。しかし、この流行が過ぎてからは、現在の第5波の準備をするどころか、借り上げの療養施設のホテルを返上してしまっていたのである。勿論のこと、入院の病床を増加するための努力もしていない。

 政治家に期待される能力の一つには、将来を見据えて、まさに「先手」の対策をすることであろう。菅首相は口だけの「先手・先手」であり、小池都知事は、そもそも何も考えていない。自分を目立たせることに利用することだけに熱心であり、そこには、将来を見据える能力の片鱗も感じられない、ただの詐欺師・アホのように感じられるのである。

 そして、今、第5波のコロナ禍もピークに近づいているように感じられるところ、今になり、慌てて、病床の増加を図ろうとしている。完全なる泥縄である。思うように増加できない。そして、形だけ「酸素ステーションを設置した」とか、渋谷に若者向けの「予約無し」にワクチン接種の会場を設けたなど言うが、そこでのワクチン接種の人数は1日にたった300人とのこと。当然に、初日には隣の原宿駅まで続く行列ができて、「密」そのものであり、詰め掛けた若者は、「不要不急の外出」をさせられたのである。これは、如何に予測能力が無いか、何も考えていないことの証である。渋谷で行うのであれば、その数は、桁が違うこと位は、考えなくても判るであろう。そして、予約なしで「ふら~」と行ってワクチンを接種できるという「華々しい発表」とは裏腹に、行列をして抽選券を受け取り、当選したら再度行くという、発表とは全く違うものになった。

 加えて、「酸素ステーションも設置した」とのことであるが、設置は都心である。酸素を吸わないといけない重症者が、「どのようにして」そこまで行くのか? 救急車も不足している状況である。どうして辿り着けるのであろうか?

 また、「軽症者に良く効く」という「抗体カクテル療法」も取り入れたとのこと。如何にも何かしているという風である。しかし、「抗体カクテル療法」は、感染初期に使えば効果は絶大であるとのことであるが、これは点滴でないとダメである。ところが、軽症者は、現状では入院もできず、その多くは療養施設にも入れない。そして、自宅療養と言う名前の「放置」同然で、病状が急変しても対応できずに、多くの人が亡くなっていることが報じられている。このような状態であるから、感染初期の軽症者は、いくら効いてもこの治療は受けられない。みすみす重症化させてしまうのである。このように論理的に成り立たない、継ぎ接ぎの対策を、いかにも「している」風に発表している。

 「自宅療養」などというのは、詐欺的な言い方である。家族全員が感染してしまう危険性か大きいのである。このように、医療の埒外に多くの感染者をおいておきながら、菅首相は、8月25日の記者会見では、「明かりが見えている」と、暢気なことを言っていた。菅首相はワクチン信奉者であるように感じるが、ワクチンを接種しても再感染の例もある。これを「ブレークスルー感染」などと横文字を使って誤魔化しているが、ワクチン接種は絶対ではないことには変わりがない。すなわち、「ワクチンが絶対ではない」ことを考えていないようである。そして、ワクチンの効果は数ヶ月であり、加えて、ワクチンに耐性のある変異株の発生も予測して対処をしておくべきであるところ、何も考えていないようである。

 現在、為政者の予測能力欠如による医療崩壊を引き起こし、多くの人が、まともな医療も受けられないで亡くなっていることが報じられているところ、「明かりが見えている」とは、暢気も甚だしく、現状の認識不足、否、コトバの使い方が変である。コロナの現場で働く救急、医師・看護師らには、過大な負荷が掛かっているであろう。しかし、政治屋は暢気なものである。「明かりが見えている」との認識である。

 そして、オリンピックの開催を強行して、次はパラリンピックである。その歓迎会に菅首相、小池都知事ら40人もが集まったと報道されている。国民には口先だけで「密を避けろと」言いながら、ここに集まった連中には危機感は皆無のように見えてしまう。

 そして、オリンピックは特別で、国民・都民には「移動制限」を言いながら、この態度は「自分らは特別」、「上級国民は別」、「仮に感染しても最大限の医療を受けられる」と高を括っているのであろう。そうとしか思えない。

 さらに、驚くのは、このパラリンピックの開会にIOCのバッハ会長を再来日させたとのこと。そして、義務付けられている3日間の隔離期間を無視して、入国させるという国賓級の扱いをしたのである。オリンピックの開幕時と、パラリンピック開幕時の感染状況は全く異なっていて、悪化の一途である。なお、オリンピック(IOC)と、パラリンピック(IPC)は異なる組織であり、会長も別である。バッハの挨拶が必要であれば、リモートで挨拶すれば十分であろう。

 すなわち、国民や企業には、「リモート勤務を7割にしろ」と要求しながら、IOCバッハ会長には、待機期間も免除して入国させる。橋本・東京オリパラ競技大会組織委員会会長、丸川オリパラ担当大臣、また、菅首相らは、強欲・ボッタクリの “たかが”  IOCの会長に対して「国賓級の扱いをさせられる」ことを「恥じ」とは考えないのであろうか? 何をヘコヘコしているのか。このように、たかがIOCの会長 を崇める「バカ大臣」は、存在することだけで悪をなしている。

 そもそも、オリンピック選手・関係者が勝手に外出し、都内のバーで飲酒していたことが発覚したとき、丸川は「決してあってはならず、東京大会を傷つけるもので・・」と言い、「不要不急の夜間外出は許されないこと」と厳しく指弾していた。しかし、IOCバッハ会長の自由気ままな銀座散策という行動に対しては、「不要不急の外出であるかどうかは、ご本人が判断すべきもの」と言ってのけたのである。このご都合主義、強いとされている者にはヘツライ、弱い者には強権を振るうという行為には呆れる他はない。人間のクズである。因みに、丸川は過去、国会で「この愚か者と」ヤジを飛ばした前歴がある。しかし、二枚舌の愚か者は丸川である。

 なお、東京都の小池知事は、義務教育の子供らにパラリンピックを観戦させるとのこと。教育委員の反対に対して「これは、報告事項です」と押し切ったのである。確かに、会場は恐らくは、ガラガラであり、感染の危険性は小さいかも知れない。しかし、そこまでの道中が危険である。さらに言えば、そもそもオリンピック、パラリンピックの開催、また、IOCバッハ会長の気ままな振る舞いを許していること、また、パラリンピックでの、40人もの多人数での歓迎会をしたこと、子供らにパラリンピック観戦させるなどのことが、世間の「空気」として、多くの人から危機感を失わせることに繋がるのである。

 また、為政者の「思いつき」で一部の者に対する「特別な扱い」が多ければ、庶民は為政者を信用しなくなる。為政者の姿勢こそが大切なのである。この点が欠落している。もっとも、都知事の小池は、自分を売り出すことにだけが目的で、都民の命などどうでも良いのであろう。都民も「緑のタヌキ」の本性を見抜く必要があろう。こんな、トンチンカンな狸ババアを首都の知事にしておいてはならない。口先だけの詐欺師、且つ“パフォーマンス” ババアに投票した都民は騙されているのである。

 感染爆発と医療崩壊の原因は、武漢ウイルスの変異株であるデルタ株の蔓延と、それが感染爆発したとき、「どのようにすべきか」を予め予想して、その対策をすべきところ、これを怠ったためであり、問題に対処する能力の欠如した政治家(や)の不作為に起因しているのである。都知事の小池、首相の菅らは、今回のウイルス蔓延に対して「災害級」などと言い、国民に自粛を要求しているが、この災害級の事態は、菅や小池の能力の欠如から生じているのである。それを「災害級」などと自然現象の如くにして、責任を曖昧にして逃げているだけである。

【了】



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