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茅ヶ崎市の「高齢者」事故

2018-05-29 15:28:54 | 時事問題
90歳の女性が横断歩道や歩道にいた4人を死傷させる事故が発生した。この女性は今年3月の免許更新時の認知機能検査等では異常は認められていないとのことである。
しかし、テレビ等の報道では「90歳」を強調して、「高齢が原因」にしたい様子である。報道では、運転していた女性の言によれば、「赤信号は認識していたが人が来ていないので行こうとした」とのこと。すなわち、信号無視の確信犯である。単なる信号無視に基づく事故であり、高齢とは余り関係ないのではないか?
確かに高齢になると、反応も鈍くなる。多くの高齢者は自分の鈍さを自覚して、若い時代に比べて、速度は控えて交通標識を守り慎重に運転している。しかし、中には、若い時のままの運転をする御仁もいる。このような遵法精神の低い輩は年齢に関わらずに存在しているであろう。
そのようなことで、本当に高齢者の交通事故が「高齢者」「高齢者」と騒ぐ程に多いのかを、警察庁の統計資料で調べてみた。発表によれば「道路の交通に関する統計 / 交通事故の発生状況」というのがあり、この中に「平成29年中の交通事故の発生状況」というものがある。これは、2017年の調査で2018年2月15日にEXCELファイル及びPDFファイルで発表されている。この資料の中に、「年齢層別・状態別負傷者数の推移」というものがあり、ここでは、人口10万人当たりの事故数が示されている。ここでは、自動車乗車中、自動二輪車乗車中、原付乗車中、自転車乗車中、歩行中、その他の区分で、年齢を5歳刻みでその数が示されている。この表から免許が必要な「自動車乗車中」自動二輪車乗車中」「原付乗車中」を抽出して、その結果をグラフ化した。このグラフを示す。





 その結果は「高齢者の事故は少ない」との結果となった。否、高齢者の交通事故が最も少ないのである。この結果を考察すると、高齢者は免許証を所持していても、実際には運転をしていないことも多いためであろうとの推測もできる。しかし、少なくとも「高齢者」だけが事故を頻発しているとの証明はされていない。
 確かに、認知症などの影響で高速道路を逆走するなどの事件もあり、高齢者=ボケの図式は何となく納得できる材料ではあるが、認知症は50歳台でも発症する人がいる。認知症とそうでない人を“ごちゃまぜ”にして、一括りで「高齢者」は危険とのイメージは正しくない。
 マスコミは、時々、思い込み、あるいは、何らかの意図を持った誤報を声高に報道することがある。思い込みの報道の最たるものは、ダイオキシンは危険との報道があった。
 マスコミの報道は、この例にあるように信用できるものではない。テレビのことを「電気紙芝居」という。このことを忘れてはならない。怪しいと思ったら、自分の頭で考えて調べることが必要である。今回のことは、「また高齢者の事故」という言い方での報道があまりにしつこいので調べた次第である。

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