記日きつい思れぐま気 from バンクーバー

2012年4月から妻の海外赴任に伴い主夫業と育児に励む30代男性の日常。バンクーバー関係ないことも多々あります。

感想文「マックスウェルの悪魔」

2012-10-06 09:58:40 | 本の感想
ものすごく久々に手にしたブルーバックスの本。ブルーバックスには物理・数学系のタイトルが揃っていますが、今まで読んだのは数学系ばかりで物理系は手を出してきませんでした。苦手なんですよね、物理、、、大学の単位もごにょごにょごにょ、、、。ですが、この本は面白かったです。

マックスウェルの悪魔というのは、マックスウェルというおっさんが考えた空想上の生き物です。悪魔といっても別に魂と何かを交換しようぜとかは言ってきません。彼らは混ざったものを分けることができるだけです。容器の中についたてを立て、お酒と水が混ざったものもお湯と冷水が混ざったものも左右にお酒と水・お湯と冷水に分けることができます。お湯と水が混ざった状態のもの、つまりぬるま湯を分ければ容器の左右で温度差が生じ、動力として使えるようになります。つまり「永久機関」の誕生です。

本書では、実際にこのようなことが可能なのか?不可能なのであればその理由は?というのをやさしく丁寧に解説していきます(永久機関についてもやさしく説明されています)。少し専門的な言葉を使えば「エントロピー」についての入門解説書とも言えます。僕の部屋がなかなか片付かず、片付けてもすぐ散らかるのもエントロピーが増大する方向にあるからで、自然の摂理であるわけです。

考えれば当たり前の話だったのですが、エントロピーと確率論が密接に関係していることを理解でき、それだけでも非常に面白かったです。かなり専門的に突っ込んだ話も出てきますが、そのあたりをすっ飛ばして読んでも十分楽しめる内容だと思います。本書は40年前に書かれたものを10年前に組み直したものなので、挿絵とか話のところどころで昭和の匂いを感じられますが、面白さは色褪せません。物理や数学が好きな方はもちろん、苦手だけどちょっと興味があるという方にも読んでいただきたい本です。

新装版 マックスウェルの悪魔―確率から物理学へ (ブルーバックス)
クリエーター情報なし
講談社


マンガ版も出てるみたいですね。
マンガで読む マックスウェルの悪魔 (ブルーバックス)
クリエーター情報なし
講談社

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