マネーボール公式サイト
DVDでレンタル解禁してたので久々に映画を観ました。
あらすじとしては、貧乏球団アスレチックスのGMである主人公ビリーが、ヤンキースなどの金満球団に看板選手を引き抜かれながらも勝てるチームを作ろうとしていくというお話。日本の貧乏球団で選手を育てては引き抜かれる広島カープファンとしてたっぷり感情移入しながら観ました。ビリーはスター選手に頼らず、各種データを分析して他球団であまり評価が高くないが秀でたものがある選手を引き抜きチームを新たに作り直します。そして一大旋風を巻き起こしていくのですが、、、。
野球ファンとして面白いのはもちろん、ビジネスマンにとっても見どころが多い映画だなあと観ていました。
例えば、看板選手をとられ、誰を後釜に据えるかという会議をスカウト達が繰り広げますが、その内容がすごく不毛。そしてそれにイライラしたビリーは「問題はなんだ!?」と問います。しかしみんな「問題はわかっているさ」と言いながらも答えられない。
「大切なのは勝つことだ、勝つためにはどうしたらいいんだ?」というビリーの考えに対し、「抜けた選手の代わりを探す」という返事しかできないのです。でも、看板選手の穴埋めをできるくらいの選手がいたら、とっくに芽を出してるんですよね。。。他球団から引っ張ってくるお金もないのですが、それを2軍から引っ張ってこようとしてるわけですから、ビリーのイライラもわかろうというものです。
そしてスカウト達の反対を押し切ってデータ中心で選手を選びチームを構成したにも関わらず、それを理解せず今まで通りの選手起用を続ける監督。本部の考えってなかなか現場に伝わらないんだよなあとビリーと一緒に嘆いてみたり。
また、相棒となったピーターに、GMとしての職務、トレード・解雇通告の仕方を教えるシーンがあります。最近、ちきりんさんのブログ(ちきりんさんからの引用ばっかしでごめんなさいw)でもあったのですが、これってすごく嫌な役割ですよね。言われる方が嫌なのは当たり前なのですが、長年一緒にやってきた仲間に伝える側も相当辛いものがあるでしょう。
現在、日本の企業は労働基準法によって簡単には解雇することができません。一方、外資はわりとサクサクと解雇しています。では、日本企業も労基法改正により解雇が簡単にできるようになったとき、じゃあ実際に解雇通告する人ってどれくらいいるのかな、って言われるとなかなか厳しいよなあ、と人事の人間として考え込んでしまいました。もう人事じゃないけど。
(Chikirinの日記:解雇するスキル)
なんだか重たい話になってしまいましたが、映画としての完成度は評判通り高いと思います。
ビリーの娘がビリーのために歌う曲がビリーの心情にマッチしていて、これがまたすごくいいんです。調べたらLenkaという方の"The Show" という曲だそうです。そのまま聴いても素敵な曲ですが、映画を観たあとだとよりジンワリときますよ。
ということで、とても面白い映画なのでまだの方は是非ご鑑賞を。オススメです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます