記日きつい思れぐま気 from バンクーバー

2012年4月から妻の海外赴任に伴い主夫業と育児に励む30代男性の日常。バンクーバー関係ないことも多々あります。

宮崎県口蹄疫問題のまとめ

2010-05-13 23:09:16 | Weblog
宮崎県で口蹄疫がえらい騒ぎになってます。ほんとにえらい騒ぎになってるのですが、あまりニュースとかでは大騒ぎしていないので宮崎県民や畜産関係以外の方はそんなやばいことになってるなんてご存知ないんじゃないかと思い、簡単にまとめてみました。

口蹄疫とは。
家畜の伝染病のひとつ。偶蹄類(牛、水牛、山羊、羊、鹿、豚、猪、カモシカなど)やハリネズミ、ゾウなどが感染するウイルス性の急性伝染病です。
出典:Wikipedia

なんでやばいのか。
感染力が恐ろしく強いからです。空気感染するため、場合によっては風に乗って100km離れた場所でも発生します。そのため、農場で一頭感染したらもうアウトです。他の牛や豚にも感染している恐れがあるため、全頭処分しなければなりません。口蹄疫は、畜産業界に大打撃を与える恐れがある病気なのです。

現場はどんな状況なのか。
これは「宮崎県の養豚所からのメール報告(1)(2)(3)」を読んでいただくととてもよくわかります。悲惨。この2文字がこんなに当てはまる状況というのはそうないんじゃないかというくらい悲惨です。まず、畜産農家は感染に怯え、とにかく家畜に感染しないよう万全の注意をしています。先にも書きましたが口蹄疫の感染力はとても強いため、農場への出入りは極力控え、そして出入りの際は念入りに消毒しています。新型インフルエンザのときの空港の物々しさに輪をかけたレベルです。それでも感染してしまうこともあります。風に乗って空気感染するのでしょう。ところが、処分も簡単ではありません。そこには二つの高いハードルがあるのです。

ハードル1:殺処分は獣医さんしかできない。そして圧倒的に不足している。
ハードル2:殺処分した家畜を埋設する土地を確保してからでないと殺処分自体できない。しかも殺処分には近隣の許可や、3m掘っても水が出ない、処分地からの移動が極力しないですむ場所等、確保が困難な状況。

この2つのハードルによって、感染しているのに殺すこともままならず、飼い続けることで餌代を含め多額の費用が発生しています。もちろん出荷もできないので収入はありません。
上の養豚所の方は、感染が判明したとき、ショックよりもこれで感染に気をつかわなくて済むと安堵されたそうです。そして、感染し水疱などの痛みに苦しむ豚に、せめてお腹一杯で死なせてあげたいと餌をたくさん与えたとのことです。商品としてでも、やはりかわいがって育てた豚が、誰に喜ばれることもなく殺されなければならない筆者の心中は察するに余りあります。

また、まだ感染していない農家も感染拡大防止のために牛や豚の流通を禁止されています。収入はなく、餌代等は膨らみ続け、消毒に追われる日々。現場の方々は疲弊しきっています。


それに対して政府は。
4月20日に口蹄疫が確認、同日、口蹄疫防疫対策本部を設置
4月30日、宮崎県の江藤議員(自民)が政府に対策要請申し入れ、鳩山総理、赤松農水相は当日にドタキャン。しかも赤松農水相はGWを利用してメキシコ・キューバへ外遊。
江藤議員ブログ
この段階で国からの援助はなし。農水省HPには消毒薬を配布したような記述があるが、実施したのは県。
5月8日赤松農水相帰国。
5月10日、赤松農水相、ようやく宮崎へ。

とにかくお粗末としか言い様がない対応は、調べれば調べるほど出てきます。泣けてくる。
このお粗末過ぎる対応に、江藤議員が吼えました。ニコニコ動画なのでIDがないと見れませんが、IDは無料なので、新たに作ってでも見る価値があります。、現場の辛さがヒシヒシと伝わってくるのと同時に、これだけ熱いハートをもった議員さんもいるんだなと感じます。

冒頭にも書きましたが、こういう現実はあまり報道されていません。ただ、同じ日本でこういうことが起きているということは皆さんにも知っておいていただければと思います。

参考)口蹄疫の酷さがわかりやすくまとめられたサイト・スレ
やる夫が宮崎県で牧場をしていたようです:ハムスター速報"
宮崎の「口蹄疫(こうていえき)」がどのような影響を与えているのかまとめ - GIGAZINE
東国原知事のブログ:口蹄疫の現状などが切々と綴られています。

募金とかできないかなと思ったら:赤星たみこの徒然日記