雑感「日々是好日2」

NO MUSIC,NO LIFE.音楽好きなのんびり屋さんの日常をつづってゆきます。きょう一日が良い日であるように…。

なぜ・・・

2009-07-15 05:37:58 | Weblog
日付が変わったので
昨日のことになるのですが、


昨年、短い期間だけですが、
同じ事務所で机を並べて
お仕事をさせていただいていた
大先輩が、
郷里で亡くなったという知らせを受けました。


この春、
定年を迎えて、
広島から
郷里の山陰へ越されたばかりでした。


あまりのショックと
やるせなさと
むなしさと
くやしさと
怒りが
こみあげてきて
私は
泣いてしまいました。



その大先輩は
在職中に
がんが見つかり
入院されました。

いま思えば
早い発見ではなかったのかもしれません・・
わかりませんが・・

のどが痛かったのだそうです。
部署柄、ストレスの多い、休みの取りづらい、
神経のやすまらないポジションです。
「風邪薬もらって飲んで
 『治った治った』と思ってたら
 違った」というようなお話を
うかがったこともありましたから・・。
食道がんでした。

初回の闘病時には
復職のために、
切除ではなく、
放射線治療を選択されて、
入院、自宅での療養を経て、
いったんは復職されました。

その復職時に
たまたまですが、
隣で机を並べていたのが
私でした。


定年前のラスト1年を迎えた
大先輩おふたりとともに
3人で事務所を守る毎日が
約2~3か月続いたのかな?

とにかく、
卒業式を
おふたりとも笑顔で
迎えていただきたい。
その一心で
お仕えしておりました。



亡くなったTさんからは、
短い間に
ほんとうに
いろいろなことを
教えていただきました。

短い間でしたが、
毎日が
ほんとうに楽しくて、
ためになって、
生き字引が隣にいるありがたさを
感じる日々でした。



Tさんは
もともと技術職のかたで、
根っからの文系&事務職である私とは
畑違いのかたでした。

若くして
肺がんで亡くなってしまった
理系出身のYちゃんと同様、
Tさんもまた、
鳥取の御出身でした。
鳥取のかたって、
実直で、現実的で、賢いんですよ。
Tさんはまさに
実直で、現実的で、合理的で、賢いかたでした・・・。


私は四国出身で山陰勤務の経験があり、
Tさんは山陰の御出身で四国勤務の御経験がある。
診療科が違うとはいえ、
同じ病院さんでの入院生活を送った仲間でもありました。


一年前、
私が出張や
容態の急変による応急措置で
事務所をあけるとき、
代わりに実務を助けてくださっていたのが
Tさんだったんです・・





昨年の秋
Tさんが再び闘病生活に入られて、
手術による喉の切開を選択せざるをえなくなったとき、
お守を携えて、
お見舞いにうかがいました。

かつて自分が右目にメスを入れる前に、
手術成功祈願をしに伺った
NHK広島放送局にほど近い神社の神主さんに
願掛けをしていただいて、
その足で、
通いなれた某大手病院さんを訪ねました。

Tさんは、点滴中にもかかわらず、
身体を起こそうとされました。

私は
「そのままでおってください」と申し上げて、
手短に要件をお伝えして
失礼させていただいたのですが、
その間もTさんは、
ベッドサイドに置かれた眼鏡を取ってかけられ、
私や、同室の患者さん、看護師さんへの気づかいを
ずっとなさっていました。


「あ~、お友達じゃ~」
 (点滴袋&点滴袋携行用ストレッチャーのことを
  「お友達」と呼んでいました)
「お友達^^;」

「痛いんじゃが、看護師さん忙しくしとってじゃし、
 言えんのよね」
「ここでは『痛い』言うちゃってええんですよ。
 そのために入院しとるんじゃし。
 『痛い』言わにゃあ、わからんし^^」




その後、Tさんへ
ゆっくり、ゆっくりでいいから、
お友達~おもゆ~おかゆ と
少しずつ、少しずつ
回復されるように願っています、と、

私は、栗ご飯が食べられるようになって、
栗ご飯がこんなにうまいとは思わなかった、と、
すごくうれしいです、と、
おはがきを書きました。

その後、Tさんからは、
手術は成功して、お友達は卒業しました、と、
これから抗がん剤の投与で通院します、と、
あなたも身体に気をつけてください、と、
おたよりを頂戴しました。



年が明けて、
2月ぐらいだったかなぁ?
デスクの中の私物整理に、
Tさんと奥様が
事務所へお見えになりました。

Tさんは手術で声帯を切除されているので、
お声は出せない状態でしたが、
サイレントで話しかけてくださるので、
それだけで充分聞き取れました。
そのときは、
とてもお元気そうにお見受けしました。


ついこの間のことのように思えます・・・
何もかも・・・





Tさん、
一年前に、
申し上げましたよね。

「なんのために、
 一生懸命働きづめに働いて
 なんのために、
 長いこと苦労してきたのか
 分からんようなことになるのだけは、
 絶対イヤなんですよ。
 Tさんには、
 いいおじいちゃんになってほしいんですよ。
 いいおじいちゃんになって、
 田舎でのんびりと
 楽しんで暮らせるようになってください。
 約束ですよっ!」って。

Tさんはそのとき
こんなふうなことを笑っておっしゃってましたよね?
「わし、おじいちゃん^^;
 すでにおじいちゃんなんよ。
 上のおねえちゃんのほうなんじゃけどね。
 下のおねえちゃんはまだじゃがね」

「だったら、『下のおねえちゃん』の
 ウエディングドレス姿見なきゃ^^」


Tさん、
あまりに早すぎるでしょう・・?
約束がちがうじゃないですか・・?


Tさんのような善良で真摯なかたが
なんで報われんのんか、
やっとこれから、というときに
なんで
こんなことにならなあかんのんか・・




Tさん、
おつかれさまでした・・

ありがとうございます・・


心から
御冥福をお祈りします。





Tさんのその実直さは
決してまちがいじゃないです。
むしろ
それは誇りだと
胸を張っていいんだと
私は思います。




Tさん、
まだまだ学びたかったです・・





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2 コメント

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大丈夫でしょうか・・・ (ファイヤー)
2009-07-17 18:49:47
私が1週間ひっくりかえっている間にいろいろ大変だったみたいじゃね。
実は今日退院したばかりでブログをじっくり読んでないんだけど(スミマセン)、ストレスの多い環境で無理がたたると悪化してしまうもんね。
どうか、気をつけてくださいとしか言えないけれど、お互い身体をだましだまし(汗)使っていきましょう。
お大事に(^^)。
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ファイヤーさんも・・ (ゆうた)
2009-07-19 08:50:45
ファイヤーさ~ん!
こちらこそすみません!自分のことばかりで横着してしもうて。ファイヤーさんこそ大変じゃったね・・。入退院直後じゃし、お大事になさってくださいです。
> お互い身体をだましだまし(汗)使っていきましょう。
→ホンマ、そうじゃね。
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