がんばれナラの木

震災にあわれた東北地方の皆様を力づけたくて
The Oak Treeを地方ことばに訳すことを始めました

ナラの木 高槻訳

2012年02月03日 | ナラの木 高槻訳
ナラの木 (高槻成紀訳)

たいそう強い風が吹きました
昼となく夜となく
ナラの木のすべての葉っぱを吹き飛ばし
枝をびゅんびゅんと揺らし
木の皮も引きはがすほどでした

ついにナラの木は丸はだかになってしまいました
それでも地面にしっかり立っていました
ほかの木はみんな倒れてしまいました

くたびれてしまった風は
あきらめて言いました
「ナラの木よ、どうしてまだ立っていられるのだい?」

ナラの木は言いました
「あなたは私の枝を折ることも
すべての葉っぱを吹き飛ばすことも
枝を揺らすことも
私をゆさゆさと揺することもできます

でも私には大地に広がる
根っこがあります
私が生まれたときから
少しずつ強くなりました
あなたはこの根っこには決してさわれません

わかるでしょう
根っこは私のいちばん深い部分なのです

実は今日まで
私はよくわかっていませんでした
自分自身がどれだけものごとに耐えられるかを
でも、今おかげでわかりました
自分が知っていたよりも
私はもっと強くなったのです」


Johnny Ray Ryder Jr.原作, Copyright Hallmark Inc.

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3 コメント

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いい詩です。 (HIROKO)
2011-08-03 18:49:06
NHKのラジオで聞いてすぐに検索しました。
いい詩です。
じんわり力が沸いてくるような詩です。
教えていただき、ありがとうございます。
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先日ラジオで聞きました (katsuyuki)
2011-08-21 22:45:55
先日、ラジオで高槻さんの訳と岩手版を聞きました。大学で岩手に4年住みましたので、懐かしく岩手弁を聞きました。
私の根っこは生まれ育った群馬にあり、今も群馬で生活をしています。しかし、枝葉を十分伸ばせていない気がします。風や雨や気温に左右され、周囲の人のことばにオロオロとしてしまうことがあります。
この詩を読んで、根の張り具合はどうか、幹は太くしっかり育っているのか、枝はバランス良く伸ばせているのか、自分自身を自分で点検し、少しでも強くなれるようにと思います。
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圧倒されました (辻口)
2012-06-26 17:42:26
千葉県八街市にあります特別養護老人ホームの職員です。施設に飾らせていただいてる絵の作者、画家の斎藤さんのご紹介で、朗読を聴かせていただきました。感動しました。地方のことばは、心に沁みます。「ナラの木」の詩は、激動の時代を生き抜いた、施設にご入居の方々と同様の存在感・根っこの太さで、胸に迫ります。東北地方で根を張る皆様、この活動を支えるすべての皆様に、敬意を表します。
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