ナラの木
越後長岡版 金子 与止男(かねこ よしお)さん訳 2011.5.12
ばかごうぎな風が吹いたて
昼間も晩がたも
ナラん木の葉っぱをんーな吹き飛ばして
枝をびゅんびゅんと揺さぶって
木の皮もめくれてしもうぐれえらったや
しめえにゃナラん木は丸はだかになってしもうたて
だーろも地面にゃちゃんと立ってたてや
ほかん木はんーな転んでしもた
くたびれてしもうた風は
あきらめて言うたと
「ナラん木や、なんでまら立ってらっずがーや」
ナラん木は言うたと
「おめえは、オラん枝をおっぽしょることも
葉っぱをんーな吹き飛ばすことも
枝を揺さぶることも
オラを揺さぶることもできるこて
だーろもオラにゃ地べたに広がる
根っこがあっがーて
オラが生まれたろきから
ちょこっとずつ強くなったいや
だーすけんおめえオラの根っこにぜってさわらんねらーて
わかっろ
根っこはオラのいっちふーけえろこんがーや
ほんのこと言うとそー、今日まで
オラよくわからんかったがーて
自分がどっげんのに耐えらっずか
だーろもおめえのおかげで今わかったて
自分が思てたよりも
オラはまっと強くなったいや」
越後長岡版 金子 与止男(かねこ よしお)さん訳 2011.5.12

ばかごうぎな風が吹いたて
昼間も晩がたも
ナラん木の葉っぱをんーな吹き飛ばして
枝をびゅんびゅんと揺さぶって
木の皮もめくれてしもうぐれえらったや
しめえにゃナラん木は丸はだかになってしもうたて
だーろも地面にゃちゃんと立ってたてや
ほかん木はんーな転んでしもた
くたびれてしもうた風は
あきらめて言うたと
「ナラん木や、なんでまら立ってらっずがーや」
ナラん木は言うたと
「おめえは、オラん枝をおっぽしょることも
葉っぱをんーな吹き飛ばすことも
枝を揺さぶることも
オラを揺さぶることもできるこて
だーろもオラにゃ地べたに広がる
根っこがあっがーて
オラが生まれたろきから
ちょこっとずつ強くなったいや
だーすけんおめえオラの根っこにぜってさわらんねらーて
わかっろ
根っこはオラのいっちふーけえろこんがーや
ほんのこと言うとそー、今日まで
オラよくわからんかったがーて
自分がどっげんのに耐えらっずか
だーろもおめえのおかげで今わかったて
自分が思てたよりも
オラはまっと強くなったいや」