環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

工場立地法の課題と今後のあり方について(案)を読む ③工場立地法見直しの基本的方向性

2007-11-22 08:30:02 | 環境行政一般
2007年11月22日 
 工場立地法の課題と今後のあり方について(案)を読む第3回は、工場立地法見直しの基本的方向性、です。
工場立地法については、構造改革特区提案等の中で、敷地外緑地・環境施設を緑地・環境施設面積に算入可能にしてほしいとの要望が寄せられています。また、本年6月22日に閣議決定された「規制改革推進のための3か年計画」においては、「工場立地法における生産施設面積率基準、緑地の定義の範囲等について、制度改善の検討を行い、早期に結論を得ることを目指す」とされています。
さらに、本報告書では、産業構造審議会地域経済産業分科会工場立地法検討小委員会における審議においても、『①緑地については工場敷地内に確保することを原則としつつも、より広域的な視点で整備を図ることも必要であること、②企業はセキュリティの都合上、工場構内への立ち入りをオープンにすることが困難なことから、市民開放型の運動施設については、敷地外の施設についても環境施設として認めるべき、③食品工場は、衛生上の観点から虫が集まる緑地を工場敷地内に置くことに支障がある等の指摘があった。』としています。
こうした要望を踏まえ、本報告書では、以下の方向性を示しています。

2.工場立地法見直しの基本的方向性
上記の生産施設面積規制の緩和や敷地外緑地に関する要望への対応以前の問題として、工業立地法制定以降の状況変化を踏まえて、本報告書では、工場立地法について、『①その立法の趣旨には、大都市から地方への工場誘導があったとすれば、工場制限3法のうち2法が廃止された今日、同様に廃止すべき、②緑地面積規制によって、工場内緑化は相当程度の効果をあげていることから、すでに役割を終えていると考えて廃止すべき、③もともと企業の社会的責任のような分野に、法律で緑地の保持を義務づけるような規制を設けることは不適切であり、少なくともPRTR法のように企業からの報告を求め公表するといった制度に留めるべきといった指摘があった。』としています。
一方、こうした廃止論とは別に、『①緑についての新しいニーズを取り入れるべき、②SOx、NOx といった従来の環境負荷物質のみに着目するのではなく、新たにCO2などのグローバルな環境問題に着目して生産施設面積規制を考えるべき、③国際競争力の観点から必要な緑地の範囲等について見直すべき』というように、工場立地法の役割を見直した上で制度設計を行うべきという指摘も記載されています。
本報告書では、上記の様々な意見を勘案しつつ、『生産施設面積規制については、環境規制体系の整備や技術の進展による公害防止効果等を慎重に見極めた上で、撤廃することが適当であるとの考え方で意見の集約が図られているが、工場立地法自体の廃止や役割の見直しについては、現時点で特定の考え方に意見が収束したとは言いがたい。緑地や環境施設に関する規制の必要性や、報告・公表制度の導入の適否、さらに工場立地法の必要性については、今後さらに議論を深めていくことが必要である。』としています。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
日光国立公園那須地域保全整備検討会(現地視察)の開催について
グリーン購入法に係る特定調達品目及びその判断の基準等の見直しの概要(案)に対する意見の募集について

国土交通省
「モビリティ・マネジメントによる「エコ通勤」促進行動計画」の採択について
社会資本整備審議会都市計画・歴史的風土分科会歴史的風土部会第3回歴史的風土の保存・継承小委員会の開催について

厚生労働省
薬事・食品衛生審議会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、化学物質審議会管理部会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会 合同会合(第1回)議事要旨

東京都
「自動車排出ガス対策に関する要望」を提出

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「11月12日から11月18日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.11.18
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「11月12日から11月18日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.11.18