2007年11月24日
産業廃棄物の処理については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)上、排出元と処理先の都道府県が異なることについての規定は存在しません。しかし、実際には、他都道府県からの流入について、条例や要綱などで何らかの規制をかけている自治体が多く存在します。
1.県外廃棄物の受入に関する自治体方針の類型
自都道府県外の産業廃棄物の処理の受入に関する各自治体の方針は、概ね、以下の4類型に絞ることができます。
A型 原則受入禁止:北海道、和歌山県、宮崎県など
B型 事前協議制:秋田県、茨城県など
C型 届出制:福島県、岐阜県、愛知県、山口県
D型 自由形:宮城県、東京都、神奈川県、など
2.類型ごとの特徴
(1)A型 原則受入禁止の特徴
A型は、『県外排出事業者は、宮崎県内において処分し、又は保管するために県外産業廃棄物を搬入してはならない。』として原則禁止をしたうえで、『前項の規定にかかわらず、県外排出事業者は、知事が認めたときに限り、特例として、○○県内において処分し、又は保管するために県外産業廃棄物を搬入することができるものとする。』と規定し、『前述の規定の適用を受けようとする県外排出事業者は、あらかじめ、搬入しようとする県外産業廃棄物に係る排出事業場及び当該県外産業廃棄物を搬入しようとする○○県内の処理施設ごとに知事に協議しなければならない。』というように、ある基準を満たす場合に限り、事前協議へと移行するものがほとんどです。
北海道における廃棄物等の処理に係る指導指針
和歌山県産業廃棄物の越境移動に関する指導要綱
(2)B型 事前協議制の特徴
B型は、『事葉者は、その県外に所在する事業場において生じた産業廃棄物(以下「県外産業廃棄物」という。)を県内で処分し、又は保管するために搬入しようとするときは、あらかじめ、当該事業場ごとに県外産業廃棄物搬入事前協議書により知事に協議しなければならない。』というように、A型と異なり、当初から事前協議によって、受入の諾否を決定しようとするものです。B型は、『○○県産業廃棄物最終処分場の設置等及び県外産業廃棄物の搬入に係る事前協議等に関する条例(要綱)』というような本テーマ独自の条例、要綱(告示)を制定していることが多く見受けられます。
秋田県県外産業廃棄物の搬入に係る事前協議等に関する条例
茨城県廃棄物処理要項
【補足:原則禁止及び事前協議に対する環境省の見解】
環境省は、『廃棄物の不適正処理を取り締まるためのツールはこれまでの法改正も含めて十分に提供してきた。不適正処理は指導を行うのではなく取り締まるべきである。そして、不適正処理が不可能となり、最終処分場の逼迫やその結果による処理費の高騰がリサイクルへの転換を促す。優秀なリサイクル業者を陶太育成するべきである。
産業廃棄物の処理は、経済原則(市場原理)にゆだねるべきもので、何処で処理しようとも適正な処理ができればよいのであって、むしろ流通に規制をかけるべきではない。
事前協議や越境移動の規制、住民の同意などは好ましくない。』
、として、こうした自治体の対応には否定的な見解を示しています。
(3)C型 届出制の特徴
C型は、『県外に設置する事業場において生ずる産業廃棄物を処分するため、自ら又は他人に委託して県内に搬入しようとする事業者は、規則で定めるところにより、当該搬入しようとする県外産業廃棄物の種類、数量その他規則で定める事項を知事に届け出なければならない』というように、届け出ることにより県外搬入を認めるものです。
ただし、『その届出に係る県外産業廃棄物について産業廃棄物の不適正な処理が行われるおそれがあると認めるときは、その届出をした事業者に対し、当該県外産業廃棄物の県内への搬入の中止その他必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。』と規定し、もしもの場合の中止措置を担保していることが多く見受けられます。
福島県産業廃棄物等の処理の適正化に関する条例
岐阜県廃棄物の適正処理等に関する条例
(4)D型 自由形
D型は、県外からの産業廃棄物の流入処理について、何ら規制を規定しないものです。東京都、神奈川県、大阪府など、もっぱら排出事業数が多く、最終処分場の数が少ない都府県が多く見られます。
【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【行政情報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【ISO14001】
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「11月12日から11月18日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.11.18
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「11月12日から11月18日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.11.18

産業廃棄物の処理については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)上、排出元と処理先の都道府県が異なることについての規定は存在しません。しかし、実際には、他都道府県からの流入について、条例や要綱などで何らかの規制をかけている自治体が多く存在します。
1.県外廃棄物の受入に関する自治体方針の類型
自都道府県外の産業廃棄物の処理の受入に関する各自治体の方針は、概ね、以下の4類型に絞ることができます。
A型 原則受入禁止:北海道、和歌山県、宮崎県など
B型 事前協議制:秋田県、茨城県など
C型 届出制:福島県、岐阜県、愛知県、山口県
D型 自由形:宮城県、東京都、神奈川県、など
2.類型ごとの特徴
(1)A型 原則受入禁止の特徴
A型は、『県外排出事業者は、宮崎県内において処分し、又は保管するために県外産業廃棄物を搬入してはならない。』として原則禁止をしたうえで、『前項の規定にかかわらず、県外排出事業者は、知事が認めたときに限り、特例として、○○県内において処分し、又は保管するために県外産業廃棄物を搬入することができるものとする。』と規定し、『前述の規定の適用を受けようとする県外排出事業者は、あらかじめ、搬入しようとする県外産業廃棄物に係る排出事業場及び当該県外産業廃棄物を搬入しようとする○○県内の処理施設ごとに知事に協議しなければならない。』というように、ある基準を満たす場合に限り、事前協議へと移行するものがほとんどです。
北海道における廃棄物等の処理に係る指導指針
和歌山県産業廃棄物の越境移動に関する指導要綱
(2)B型 事前協議制の特徴
B型は、『事葉者は、その県外に所在する事業場において生じた産業廃棄物(以下「県外産業廃棄物」という。)を県内で処分し、又は保管するために搬入しようとするときは、あらかじめ、当該事業場ごとに県外産業廃棄物搬入事前協議書により知事に協議しなければならない。』というように、A型と異なり、当初から事前協議によって、受入の諾否を決定しようとするものです。B型は、『○○県産業廃棄物最終処分場の設置等及び県外産業廃棄物の搬入に係る事前協議等に関する条例(要綱)』というような本テーマ独自の条例、要綱(告示)を制定していることが多く見受けられます。
秋田県県外産業廃棄物の搬入に係る事前協議等に関する条例
茨城県廃棄物処理要項
【補足:原則禁止及び事前協議に対する環境省の見解】
環境省は、『廃棄物の不適正処理を取り締まるためのツールはこれまでの法改正も含めて十分に提供してきた。不適正処理は指導を行うのではなく取り締まるべきである。そして、不適正処理が不可能となり、最終処分場の逼迫やその結果による処理費の高騰がリサイクルへの転換を促す。優秀なリサイクル業者を陶太育成するべきである。
産業廃棄物の処理は、経済原則(市場原理)にゆだねるべきもので、何処で処理しようとも適正な処理ができればよいのであって、むしろ流通に規制をかけるべきではない。
事前協議や越境移動の規制、住民の同意などは好ましくない。』
、として、こうした自治体の対応には否定的な見解を示しています。
(3)C型 届出制の特徴
C型は、『県外に設置する事業場において生ずる産業廃棄物を処分するため、自ら又は他人に委託して県内に搬入しようとする事業者は、規則で定めるところにより、当該搬入しようとする県外産業廃棄物の種類、数量その他規則で定める事項を知事に届け出なければならない』というように、届け出ることにより県外搬入を認めるものです。
ただし、『その届出に係る県外産業廃棄物について産業廃棄物の不適正な処理が行われるおそれがあると認めるときは、その届出をした事業者に対し、当該県外産業廃棄物の県内への搬入の中止その他必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。』と規定し、もしもの場合の中止措置を担保していることが多く見受けられます。
福島県産業廃棄物等の処理の適正化に関する条例
岐阜県廃棄物の適正処理等に関する条例
(4)D型 自由形
D型は、県外からの産業廃棄物の流入処理について、何ら規制を規定しないものです。東京都、神奈川県、大阪府など、もっぱら排出事業数が多く、最終処分場の数が少ない都府県が多く見られます。
【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【行政情報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【ISO14001】
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◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「11月12日から11月18日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.11.18