2007年11月9日
廃棄物の所有権について整理してみたいと思います。
廃棄物とは、そもそも、誰も所有の意思を有しないものであるため、所有権という概念自体馴染まないものであるといえます。排出者は所有の意思がないがゆえに、その処理を委託するわけですし、処理業者は処理の委託を受けただけで所有権の譲渡まで受けたわけではありません。したがって、廃棄物の処理過程においては無主物が移動していると考えることができます。
廃棄物は、『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』において、一般廃棄物(主に家庭から排出されるごみ)と産業廃棄物(主に事業活動にともなって排出されるごみ)とに大別され、一般廃棄物の処理は市町村が、産業廃棄物の処理は事業者がそれぞれ実施することとされています。このうち、一般廃棄物の所有権については、条例で定められている例が多く見られます。たとえば、那珂川町廃棄物の処理及び清掃に関する条例では、『前条第1項により定めた一般廃棄物処理計画に従って家庭等から排出された廃棄物の所有権は、那珂川町に帰属するものとする(第3条)』と規定しています。
家庭ごみは通常、指定されたごみ集積場へ捨てられ、それを回収することがほとんどです。その際に、勝手に誰かに持ち出され、その結果、不法投棄されることのないようにこのような規定が置かれているものであると考えられます。
一方、産業廃棄物はどうでしょうか。産業廃棄物は、通常、事業者と産業廃棄物処理業者との委託契約によって処理されます。しかし、この契約自体は特定物の売買契約のようなものではなく、あくまで処理の委託契約に過ぎません。事業者の手元から離れ、処理業者の手に渡った時点で、所有権は消滅し無主物となっていると考えられます。
昨年4月から施行された改正省エネ法では、荷主の報告義務が規定されましたが、そのなかには産業廃棄物の運搬も含まれています。荷主=所有権者となりますから、産業廃棄物の荷主は誰かが問題となります。同法においては、この点を『排出事業者責任』という観点から構成することによって整理をしているようです。すなわち、「産業廃棄物は無主物であるため所有権者はいない。しかし、廃棄物を排出したものはその処理を適正に実施する義務があるので、排出者を荷主とみなす」という考え方です。
排出事業者責任の考え方は、『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』の2000年改正において、「不適正処分に関する支障の除去等の措置命令の強化」、「産業廃棄物管理票制度の強化」規定の創設によって徹底されました。これにより、不法投棄などがあった場合は、排出事業者にも責任があることが明確にされています。
【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【行政情報ウオッチング】
環境省
中央環境審議会循環型社会計画部会(第39回)の開催について
環境技術実証モデル事業 VOC処理技術分野(中小事業所向けVOC処理技術)における実証対象技術の選定について(財団法人東京都環境整備公社)(お知らせ)
持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン検討会(第4回)の開催について
石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく指定疾病の認定に係る医学的判定の結果について
経済産業省
特定サービス産業動態統計速報(平成19年10月分)
国土交通省
健全な河川水環境のあり方に関する懇談会の開催について
東京都
エコドライブ支援機器の装着費用を助成
【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【ISO14001】
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月29日から11月4日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.11.04
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月29日から11月4日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.11.04

廃棄物の所有権について整理してみたいと思います。
廃棄物とは、そもそも、誰も所有の意思を有しないものであるため、所有権という概念自体馴染まないものであるといえます。排出者は所有の意思がないがゆえに、その処理を委託するわけですし、処理業者は処理の委託を受けただけで所有権の譲渡まで受けたわけではありません。したがって、廃棄物の処理過程においては無主物が移動していると考えることができます。
廃棄物は、『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』において、一般廃棄物(主に家庭から排出されるごみ)と産業廃棄物(主に事業活動にともなって排出されるごみ)とに大別され、一般廃棄物の処理は市町村が、産業廃棄物の処理は事業者がそれぞれ実施することとされています。このうち、一般廃棄物の所有権については、条例で定められている例が多く見られます。たとえば、那珂川町廃棄物の処理及び清掃に関する条例では、『前条第1項により定めた一般廃棄物処理計画に従って家庭等から排出された廃棄物の所有権は、那珂川町に帰属するものとする(第3条)』と規定しています。
家庭ごみは通常、指定されたごみ集積場へ捨てられ、それを回収することがほとんどです。その際に、勝手に誰かに持ち出され、その結果、不法投棄されることのないようにこのような規定が置かれているものであると考えられます。
一方、産業廃棄物はどうでしょうか。産業廃棄物は、通常、事業者と産業廃棄物処理業者との委託契約によって処理されます。しかし、この契約自体は特定物の売買契約のようなものではなく、あくまで処理の委託契約に過ぎません。事業者の手元から離れ、処理業者の手に渡った時点で、所有権は消滅し無主物となっていると考えられます。
昨年4月から施行された改正省エネ法では、荷主の報告義務が規定されましたが、そのなかには産業廃棄物の運搬も含まれています。荷主=所有権者となりますから、産業廃棄物の荷主は誰かが問題となります。同法においては、この点を『排出事業者責任』という観点から構成することによって整理をしているようです。すなわち、「産業廃棄物は無主物であるため所有権者はいない。しかし、廃棄物を排出したものはその処理を適正に実施する義務があるので、排出者を荷主とみなす」という考え方です。
排出事業者責任の考え方は、『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』の2000年改正において、「不適正処分に関する支障の除去等の措置命令の強化」、「産業廃棄物管理票制度の強化」規定の創設によって徹底されました。これにより、不法投棄などがあった場合は、排出事業者にも責任があることが明確にされています。
【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【行政情報ウオッチング】
環境省
中央環境審議会循環型社会計画部会(第39回)の開催について
環境技術実証モデル事業 VOC処理技術分野(中小事業所向けVOC処理技術)における実証対象技術の選定について(財団法人東京都環境整備公社)(お知らせ)
持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン検討会(第4回)の開催について
石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく指定疾病の認定に係る医学的判定の結果について
経済産業省
特定サービス産業動態統計速報(平成19年10月分)
国土交通省
健全な河川水環境のあり方に関する懇談会の開催について
東京都
エコドライブ支援機器の装着費用を助成
【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【ISO14001】
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月29日から11月4日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.11.04
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月29日から11月4日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.11.04
買い物をするときには後先の事を考えて物を買わないとなぁ~ってつくづく思いました。
今は特に使い捨ての時代だから、使えるものでも直ぐに捨ててしまいがちですよね。
意識して物を買って、大切に使おうと思いました?
引越しの荷物整理はたいへんですね。捨てるものにも持っていくものにもそれぞれ思い出があり、感慨にひたりながら整理されていることと思います。
また、機会があれば遊びにいらしてください。
懐かしい本郷情報バンバン載せていきますのでよろしくですo(^-^)o
行政さん。もしや、東大出身ですか?ヾ( ´ー`)