縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

青碧玉の代替品を発見したので博物館の仕事くださ~い!・・・緑色岩

2023年08月07日 07時10分21秒 | ぬなかわヒスイ工房
緑色岩が青碧玉の代替品になりそうなことを発見!
左は北部九州の定形勾玉、右が出雲の真名井の勾玉モデルで、上が使用原石。原石と勾玉を見比べた来客が、「この石がこんなキレイな勾玉になるの!」と驚いていたので、「仕事ですからっ!」とクールに答える。イエイ!
 
6年前に「大首飾り」の複製を依頼された際、大量に使われている出雲石(出雲産の青碧玉)が高価すぎて入手できず、運よく外国産の代替品をみつけて納品したのだが、珪質化(ガラス化)が甘い上に色も濃すぎるところが気に入らなかった。
そこで糸魚川産の緑色岩で勾玉を試作してみたら、白い脈(曹長石?)と黒い脈(角閃石?)のシマ模様がはいるものの、こちらの方が青碧玉の色に近いではないか。
流麗な姿をもつ定形勾玉。顎部が胴部に入り込む独特の形状がほほ笑んでいるように感じる。モデルにしている実物は考古学の専門家にもファンが多いようだ。
 
これで出雲産の勾玉や管玉の複製依頼があっても対応できるので、博物館方面の考古学の先生方、仕事くださいw
今日は管玉を試作。
 
 

操作願望をすてる学び・・・無斑結晶安山岩の石笛

2023年08月04日 07時58分06秒 | ぬなかわヒスイ工房
野尻湖周辺で打製石器がつくられていた「無斑結晶安山岩」を長野の友人からもらって石笛をつくったら、尋常ではない硬さに驚ろいた。
珪質安山岩系ならサヌカイトの加工経験があるが、サヌカイトより頑丈で手強く、ヒスイよりうんと「硬くて堅い」鉱物だ。
シンメトリックな「石製笄」の形状にすることを諦めて、原石なりに斜めった形状に整えたら・・・。
シンメトリック形状より縄文っぽい印象になり、イキイキとした躍動感が出た。強引な操作願望をすて、あるがままに整える、これが縄文イズムと勉強になった。
鉱物としての商品価値はなくとも、ヒトを介してモノから物語りが産み出される。芭蕉さんが云う処の「造化」というヤツだ。
 
 
 

舞キリ式発火法は縄文式ではないのデス・・・長者ヶ原遺跡で縄文体験

2023年08月02日 08時22分38秒 | 縄文
「縄文・ヌナカワ姫・ヒスイ探偵団」女子が来訪。
古代風首飾りとレゲイかつらが異様に似合うご婦人w 主婦4人組のノリの良さに圧倒されっぱなしでございます。
頭にかぶっているのは定置網の浮き球でつくった「ミッキーマウスヘルメット」で、赤い鼻とサングラスは百均製品。お客さんに喜んでもらうためのコスプレグッズである。
標高90mほどの長者ヶ原遺跡は涼しい・・・はずが今年は暑い!木陰で楽器演奏。右の女性はなにか食っているのではなく、ホラ貝を吹いているw
 
縄文遺跡をガイドするだけでは面白しろくないので、30分ほど火起こし体験をしてもらった。
 
火起こしは二人一組でおこなう「紐キリ式」を指導している。初心者でも成功しやすいのだ。
相手を思いやり、無駄に力まず、焦らず確実に、火キリ棒を垂直に押さえて紐を水平に引く。実は発火法を通した身体教育なのだ。
ほぐした麻紐に火種を落とし、息を吹きかけてから包み込んで数回グルグルと回わすと、突然ボワッと発火するのだが、誰もが「うわっ!」と驚いて手放す。この様子をみるのが楽しみ。
結果だけを求めるなら、市販キットのある「舞キリ式」は子供でも簡単に成功させることはできるが、参加者から縄文式の発火法と勘違いされては困る。指導者は江戸時代後半以降に考案された発火法なのだとの説明責任はあるのだが、摩擦式発火法ならなんでもいいだろとばかりに市販キットを使わせている人も多いようだ。
 
「火起こしができる」とは、発火具を自作できること。「火起こしをしたことがある」は用意された発火具で発火させてもらうことで、この違いを指導者は熟知するべきだし、発火具が自作できてこそ指導者といえる。
 
本当は「火起こしができる」体験会にしたいのだが、昨今の日本人の刃物扱いの基本を知らないから、短時間で結果だけを求められる今時の体験会的ではないのが残念。発火具を自作は、発火の理屈を知る上で大切なプロセスなんだけどナ。
 
残念ながら「日本人は手先が器用」は過去の話しになりつつある。