縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

サクランボ・・・ぬなかわヒスイ工房増築プロジェクト

2022年06月11日 06時52分08秒 | ぬなかわヒスイ工房

屋根下地が終わり、週明けの板金工事を待つ間に間柱、開口部など造作しつつ、やっと小屋らしくなってきた。

屋根下地ベニアをひとりで屋根にあげるたび、ビス固定するたびに一歩づつ完成に近づいていく。

近所の桜の樹にサクランボがなっているのを初めてみて、落ちているのを食ったら正真正銘のサクランボ。すわ天変地異の前触れか!と母に教えたら、八重桜にはサクランボがなるのだと、驚きもしなかった。
 
屋根桁の上に屋根垂木をのせると、当然ながら垂木分の隙間ができる。素人仕事だと隙間の寸法がバラバラなので、隙間を閉じる埋木の寸法もバラバラだから、面倒くさい。
ところが今回は中川親方に桁と垂木をやってもらったので、同じ寸法に切りそろえた埋木がスパスパと収まっていくではないか。前回の時はホームセンター購入のツーバイ材を使ったが、今回は地元の製材所「ランバー羽入」さんの屋根垂木を使ったこともある。
 
生あくびがと溜息が出てくるようになったので、ここらが休憩の潮時のようだ。この土日は久しぶりに工事から離れる。
今日から8月まで、イベント講師や来客の予定が目白押しだから工事はペースダウンしそう。
 
しかし屋根さえできてしまえば、慌てることはない。6月中には7割がた完成して、7月中にはいい線いっているだろう。
 
 
 

糸魚川の民家に謎の縄文土器・・・ほんとに勝坂式土器?

2022年06月09日 06時33分26秒 | 糸魚川自慢
建材屋さんの支払いに普段は通らない道をバイクで走っていたら、ショーウインドウのある不思議な民家に縄文土器らしきものが展示されているではないか。
細長い深鉢形状にもしや大木式?とバイクを引き返したら、関東の中期の勝坂式土器と説明が書いてあった。
 
観察すると隆帯文様が東北の大木式に似ていているし、勝坂式にしては東北の円筒土器のように細長く、不思議な面白い土器だが、大木式か加曾利式っぽいが、本当に勝坂式土器なんだろうか?
 
主が縄文土器好きなのか、それとも好事家なのかは不明。
 
糸魚川には縄文談義できる友人がいないので、時間ができたら勇気をだして聞いてみようではないか。オラは古物も好きだし、縄文土器談義したいもんだ。火焔型土器は聖火を燃やす特別な土器なのである!なんてトンデモ説を唱える人なら沢山いるけどネ( ´艸`)
 
 
 
 

黄金のバンタムの継承者・・・井上尚弥VSノニド・ドネア戦 観戦記

2022年06月08日 07時23分25秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
ボクシングの階級で多くの天才を輩出したのがバンタム級(53キロ前後)であることから、「黄金のバンタム」とも呼ばれる。
ちなみに「あしたのジョー」の矢吹丈もバンタム級。
しかし本来の「黄金のバンタム」は、不世出のブラジルのボクサー、人格者でもあったエデル・ジョフレに冠された異名だった。
 
昨夜の井上VSドネア戦は、井上の圧倒的勝利に終わり、井上が正真正銘の「黄金のバンタム」の継承者であることが証明された。
 
強いだけでは「黄金のバンタム」に相応しくない。
 
アグレッシブでクレバーな試合運び、謙虚で紳士的な言動、対戦相手への敬意が揃ってこそ、「黄金のバンタム」。
 
おそらく同じ階級で井上に挑戦する勇敢なボクサーはいないだろうから、階級をあげていくことになるだろう。
 
井上の身長は165㎝だから、フェザー級くらいまでなら、粉飾なしのリアルな4階級制覇、統一王者も夢ではない。
 
強いボクサーがノックアウトされるのは淋しい。あのドネアがリングを降りて泣いていた。
 
「黄金のバンタム」が、ドネアから井上にバトンタッチされた歴史的な夜。
 
ジョフレに唯一勝利したボクサーは、ファイティング原田だけで、二人とも階級制覇をなしとげて、殿堂入りしている。
 
10代の井上がドネアに憧れたように、次は井上が若いボクサーに追われる立場。そしていつかはリングに這いつくばる日がくるかも知れない。
 
井上のみならず、ドネアへも拍手と謝辞を贈りたい。
 
 

観ずに死ねるか!・・・井上尚弥VSノニト・ドネアの世紀の再戦

2022年06月07日 06時15分34秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
アマゾンプライムビデオが視聴できる人は、ボクシングに興味なくても、本日18時30分から放映される井上VSドネアの再戦を観てみてちょうだい。
アマゾンが独占配信する世紀の一戦だけど、恐らく前座試合が2試合あると思うので、井上VSドネア戦は9時前後になると思う。
 
プロボクシングには主要4団体があるが、同じ階級のチャンピョン同士が所属団体をこえてパウンド・フォー・パウンド、すなわち最も強い真のチャンピョンを決めるイベントがあり、3年前に行われたその戦いの決勝では、井上がボクシング人生初の瞼カット、流血、クリンチ、ドネアも井上のボデイブロウで悶絶ダウンの大接戦の末、3ー0の判定で井上が勝利して、年間最高試合に選ばれたのです。
 
ドネアが敗因を質問されて、「9ラウンドに右クロスカウンターがヒットして井上をぐらつかせたが、その後の展開でカウンター狙いをしてしまった。数ある経験の中から、誤った経験をセレクトしたのです。最後まで前に出てアグレッシブに戦うべきだった。」と、クールに反省点を挙げている。
 
井上は序盤に浴びた左フックで眼底亀裂骨折をしてしまい、右目が観えない状態でフルラウンドを戦ったが、少年時代から憧れていたドネアのビデオを繰り返し観て、ドネアの戦い方の記憶を頼りに戦っていたそうだ。
 
繰り返し視聴しているが、双方ともに防御と攻撃が混然一体となった非常に高度な戦い。
 
例えば、左フックを同時に放って、井上が顔を横に逸らせて衝撃を逃がしながらもクリーンヒットさせるなど、漫画の世界が現実に観られるのです。
 
歴史の生き証人になる幸せ。観ずに死ねるか!
 
 

ついに棟上げ・・・ぬなかわヒスイ工房増築プロジェクト

2022年06月05日 06時22分17秒 | ぬなかわヒスイ工房
棟上げ前の休憩に、基礎工事をしたツッチーが、片道1時間をかけて建前の祝いの甘酒を持ってきてくれた。
 
 
屋根束を打ち込んでいるところ。大工さんのバランス感覚って凄いですわ。
母屋の取付け。片流れ屋根だからこの段階が棟上げです。
屋根垂木と順調に進み、夕闇せまる頃合いに鼻隠し・破風、広小舞までが完了して、中川親方の助っ人終了。
 
今日からひとりで野地ベニア、ルーフィング工事だが、屋根屋さんは天気次第ですぐに着工できるというから、ありがたい。
中川親方が本業を抜けられる期限があったので突貫工事だったが、ひとり作業では無理なところまで仕上がったので、仕事終わりにコーヒーを淹れて談笑。感慨無量。
 
屋根さえできてしまえば、風雨や酷暑に関係なく外装・内装工事ができるので、安心していられる。
 
車庫を占領していた建築資材も、残りは内装用木材や建材だけになりガランとしてきた。
 
今月中には8割がたの工事が終わる見込みで、7月以降に予定されている来客をギャラリーに迎え入れることもできるし、海のイベントのスタッフも心置きなく参加できる。もちろん内装工事と並行してヒスイ加工も再開して、8月中には完成の見込み。
 
友人たちの助けで、ギリギリながら結果オーライ!
 
 
 

屋根完成まであと一息・・・ぬなかわヒスイ工房増築プロジェクト

2022年06月04日 06時33分22秒 | ぬなかわヒスイ工房

ついに柱が建ち、梁、軒桁が繋がって、梅雨突入前に屋根下地が完成する見込みがたった。

既存部は私が作ったパネル工法モドキで、垂直・水平の手直しにえらく時間がかかったが、増築部は中川親方が作った木軸在来工法で、こちらは筋交いや金物なしでもグラグラ揺れずに垂直・水平と見事なもの。

軒桁の通りをみたら、頼りなかった既存部から増築部までまっすぐに通っていたので、プロのスゴ技に感動した。
 
ドキュメンタリー映画「くじらびと」で、舟でいちばん揺れ動く舳先に銛うちが直立してクジラを追う場面がなんどか出てくるが、ベテラン大工のバランス感覚も凄い。忍者みたいですわ。
 
中川親方が仕事を抜けられる最後の今日は、屋根束、母屋、屋根垂木、破風・鼻隠しの取付け。
 
明日からは独りで屋根下地ベニアとルーフィングか・・・来週から天気が怪しくなるが、今度は屋根屋さんの都合次第となる。
 
 
 

海、船、塩、そしてヒスイ・・・糸魚川産の「弁天塩」

2022年06月03日 07時02分49秒 | 糸魚川自慢
工房改装で材木の端材が沢山でたので、薪としていかが?とSNSに投稿した。
何件か欲しいと言ってくれる人がいて、真っ先に引取りに来てくれたのが高校美術部の後輩の滝君。
 
滝君は糸魚川駅ビルで居酒屋「多喜」の経営者で、以前から料理用の塩は、自宅前の弁天浜の海水を煮詰めて作っていて評判だった。
最近、塩の製造販売の許可をとったので、工房完成後にはぬなかわヒスイ工房でも売ってくださいというので、是非もない。
 
私の父方の先祖には、戦に敗れて上杉謙信を頼って越後に落ちてきた坂東武者がいて、江戸時代にはヒスイ海岸あたりに塩田を持ち、最盛期には3隻の船をつかって北前貿易で財をなしたそうだから、工房で塩を販売すると先祖も喜ぶだろう。ちなみに上杉謙信が甲斐に送ったとされる「義の塩」は、糸魚川産を含む越後の塩のことで、越中では能登産の塩の交易は妨害したと伝えられている。
 
しかも弁天浜は、私の海遊びの拠点だ。なぜだかヒスイにも海を感じる。
 
子供の頃、海の逆巻く波のなかに、白い泡、明るい黄緑、緑色、紺のグラデーションをみて、「オラはここから来た」とでもいうような胸が張り裂けそうな懐かしさを感じ、「この中に還りたい」と切望したことがあり、ヒスイを見ていても同じ感覚が蘇ってくる。
 
そういえば子供のころから北斎と横尾忠則が好きで、とくに北斎の「神奈川沖浪裏」にも同じ感覚を感じていたが、「弁天塩」のパッケージに使われているのは、滝君も何かを感じていたのだろうか。
 
なんの縁だか、「神奈川沖浪裏」のアングルの近くの借家を紹介されて住んでいたこともあったな。ある不思議な人から、北条政子に仕えた鎌倉武士時代に私が住んでいたから導かれたのですヨ、と言われたこともある。
 
海、船、塩、そしてヒスイ。工房改装の後には、ぬなかわヒスイ工房もまた生まれ変わる気がする。
 
 
 

神田のニコライ堂は高田屋嘉兵衛が関係していた!・・・「菜の花の沖」読書日記

2022年06月01日 07時32分37秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
ロシア正教のニコライ司祭が日本に布教に来たのは、神学生時代にゴローニンの著作「日本幽囚記」を読み、高田屋嘉兵衛のファンになったからだそうで、ニコライ司祭は嘉兵衛の子孫に逢いにまで行っている。
神田のランドマーク「ニコライ堂」は嘉兵衛に繋がっていた!
 
ロシア側から嘉兵衛は、「どういう状況下でも言葉に嘘がなく、快活で度量が大きく、聡明な人物」と評価されていたようだ。
「菜の花の沖」の後半には、欧州の後進地帯に住むスラブ人がいかにして帝政ロシアを作っていったのか?コサックの成立ち、シベリア・樺太・千島列島に支配を広げていった様子が仔細に描かれていて、時節柄、たいへんに勉強になる。
 
幕末の千島列島の北側はロシアが千島アイヌを極めて不平等な、というよりロシア本国の農奴と同じ扱いの恐怖支配をしていた。
 
エトロフ以南は幕命を受けた嘉兵衛が千島アイヌと対等の立場で漁場を開拓した結果、3年で人口が倍増して、後に嘉兵衛が囚われることになるロシア軍艦の乗員たちと同じく、千島アイヌからもタイショー(大将)と慕われた。
 
またロシア領で収奪の限りを受けていた千島アイヌが、エトロフではきちんとした家に住んで米の飯が食えて酒まで飲めると噂を聞いて、嘉兵衛を慕って逃げてきたそうだ。
 
武力を背景にした恫喝外交、支配地での強姦略奪は、「貴族が農奴を支配する国家」帝政ロシア時代、ソ連時代、そして今日まで変わらぬお家芸なのか?
 
この点は、松前藩のやってきた蝦夷地の統治システムとアイヌ民族の扱いもロシアと同じで、どちらもアイヌ民族の人口減と文化の衰退を起こしている。
 
個人的に接するロシア人は朴訥とした好人物でも、集団になると残虐な無法者・火事場泥棒になる・・・これはロシア人と接したことのある戦前戦中の日本人がよく口にする言葉。
その一方でゴローニンやリコルド、ニコライのように色メガネ抜きで日本人ならびに日本文化に敬意を示す知識人もいた。
 
個人と国家は別・・・どこの国でも同じですわね。