縄文晩期の石製笄(いしせいこうがい)を、大珠風にアレンジした石笛の4作目は蛇紋岩製。
石製笄の使用目的は不明だが、前期の天神遺跡出土のヒスイ大珠をイメージしたカタチを組合せている。
縄文人はどんな風に石に線刻したのか?どんな使い方をしていたのか?つくっていると畏敬の念が産まれる。
黒っぽい蛇紋岩は浅い線刻でも目立ってくれる。ヒスイなら倍以上の時間をかけて深彫りしないと目立たないので、有難い石材である。
吹けばピーと音がするだけなら鉛筆キャップと同じ。1オクターブ半を優に超える音域をもつので、楽器として楽しんでもらえると思う。
ヒスイの希少価値に寄り掛かかり、ヒスイなら売れるとばかりに粗雑な量産品が横行する時代がいつまで続くのか?10年後はヒスイの入手がもっと困難になるだろうから、ヒスイでなくとも魅力的なモノつくりを模索している。
誰もやっていない未開拓の領域だ。