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満州事変に手を打って喜んだ宮沢賢治・・・宮沢賢治とナショナリズム

2022年08月11日 06時58分47秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
人道主義者とばかり思っていた宮沢賢治が、満州事変の報道に接した時、手を打って大喜びし、大陸侵攻に感激する旨の書簡を友人に出していたと半藤一利著「あの戦争と日本人」にあり、賢治、お前もか!と驚いた。
賢治が法華経を深く信仰して、日蓮宗系の宗教団体に属していたとは知っていた。
 
 
が、その宗教団体こそ「八紘一宇」を造語した田中智学が主催する国柱会(こくちゅうかい)と知って、なぜ日本が世界を相手に戦争をおこしたのかの謎のいくつかが繋がった。
田中智学(たなかちがく)は元日蓮宗の僧侶。田中が大正時代に造語した八紘一宇は、道義的な意味を意味であり、帝国主義やファシズムとの関連はなかったが、昭和初期に政治家や軍人が軍事専制国家へと政治利用した結果、日中戦争や太平洋戦争の大義名分と認識されるようになった。
石原莞爾(いしはらかんじ・終戦時は陸軍中将) 田中の八紘一宇を独自に解釈して、日本・中国・朝鮮・モンゴル・満州の五族共和国家の建設を目指して起こしたのが満州事変。その結果が満州という傀儡国家。当初こそ石原の独断専行は非難されたが、やがて石原の野望とは別に日本の国益が優先されるようになり、日本は国際政治バランスの上で孤立化。
 
満州事変の首謀者だった陸軍の石原莞爾も熱心な会員で、満州事変は八紘一宇の実現の第一歩だったし、「八紘一宇は建国以来の国是」と、日中戦争の正当性を表明した近衛文麿首相の父親も会員だった。
 
八紘一宇・・・天皇を中心とした世界の統合を目指す思想。
 
賢治や石原の考えた世界平和とは、他国への軍事侵攻と支配の後にこそ実現されるが、戦国時代の国内政治ならいざしらず、近代の国際政治間では通用する由もない。
 
皇国史観をもたない他国の人からすれば、この思想は国家ぐるみのカルトといえ、近衛首相が表明した日中戦争の「正当性」は、ファシズム国家の言い訳と受け取られて当たり前。
 
安倍政権下で、自民党の三原じゅん子議員が、「八紘一宇はすばらしい考え」と国会で発言したことがあるが、保守政治とナショナリズムの境目が曖昧になってきているのではないか。
 
国会議員たるもの、太平洋戦争で300万人以上もの国民が犠牲となった経緯をしっかりと勉強して、国家をミスリードしないで欲しいと切に願う。
 
現在も国柱会は存続しており、日本会議と繋がっている。国際勝共連合、すなわち旧統一協会との関係はどうなのか?
 
政治家と統一協会の癒着をウヤムヤにしてはならない。