沼隈文化財研究所

「温故知新」
文化財を通して歴史を振り返ってみよう。
文化財です。歴史です。

「纒向遺跡と邪馬台国論争」を聴講しました。

2013年01月27日 | 福山歴史研究(文化財と歴史)

広島県立歴史博物館では、平成24年度考古学学習会の第6回のまとめとして
公開講座を行いました。

 講師は、桜井市纒向学研究センター所長の寺澤薫氏をお迎えし、
標記の「纒向遺跡と邪馬台国論争」について講演を聴講致しました。
 寺澤先生は、長く奈良県立橿原考古学研究所に於いて、「纒向遺跡」の
調査に携わられ、それらに基づいての講演を伺いました。


 日時:平成25<2013>年1月19日(土)14:00~
 場所:広島県立歴史博物館 講堂


 講演内容は、奈良盆地の三輪山の麓、纒向の地に二世紀末から三世紀の初めに
突如出現した巨大な計画都市「纒向遺跡」が出現し、しかも古墳時代の幕開けとも称される
前方後円墳の原型が出現する。
 更に、それまでの物流の中心と目されていた北九州から、纒向遺跡が全国の
物流の中心へと変貌を遂げ、その上、王権の象徴とも思われる祭祀跡や建物等が
出現する。
 それまで、奈良盆地の中央部に位置し、弥生時代中・後期に最大規模であった
「鍵・唐古遺跡」が、この「纒向遺跡」の出現により、急速に縮小する事も
判明している。
 またこの遺跡からは、全国から持ち込まれた土器が出土している。
 特に土器様式の編年から、庄内式から布留式土器への変化からも論証され、
ヤマトの国から邪馬台国への政治的変化を講演された。
 纒向遺跡は、倭国の大王都(邪馬台国の王都ではない)で、
ヤマト王権=「新生」倭国=卑弥呼の王権などを解説された。


 今回の講演会は、多数の参加者があり、配布資料が足らなくなる程の盛況で
急遽摺り増しをされる程でした。
 関心の高さと、著名な先生の講演での参加者が増えたものと感じています。
 興味深い内容の講演で時間の経つ間もアット言う間でした。
(文責:鳳来)


       (講演会の案内表示板)


         (スライドを使われての講演)


  (講演中の寺澤先生)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿