■7月1日(火)~7月5日(土)
□高橋正子選
【最優秀】
★透く器夫のみやげのさくらんぼ/大給圭江子
透く器というのは、ガラス器のことであろうが、こういう表現もある。つややかなさくらんぼは透ける器に入れたい。さくらんぼと透ける器の出会いが涼しげでかわいらしい。(高橋正子)
【特選/5句】
★紫陽花の花見る視野に瀬戸の海/大西 博(正子添削)
紫陽花の向こうに広がる、瀬戸の海が大きく迫ってきました。紫陽花にもまた、海の色があるように感じました。紫陽花と海とが、作者によって繋がれたと思いました。(網本紘子)
★六甲の空に湧き立つ雲の峰/小河原宏子
六甲山の上にもくもくと湧いた雲の峰が、六甲の地を雄大な夏の景色にしています。その情景を前に、本格的な夏が訪れを実感する作者の姿があります。(臼井愛代)
★あじさいを雫と共に食卓に/小口泰與
戸外で剪られたばかりの瑞々しいあじさいが、食卓に飾られたのでしょう。部屋の中に季節感が加わって、生活を彩るアクセントとなりました。(臼井愛代)
★何もかも眩しく晴れて七月来る/甲斐ひさこ
よく晴れた一日とともに、七月が始まりました。何もかもが眩しく見えるその一日は、また一歩夏を深める新たな月に寄せる、作者の明るい気持ちと重なるようです。(臼井愛代)
★早やばやと休暇申請雲の峰/桑本栄太郎
空には、夏本番を思わせる雲が湧いています。職場に、早々と休みの申請を済ませ、待ち遠しい夏季休暇に思いを馳せる作者の楽しげな気持ちが伝わってきます。(臼井愛代)
【入選Ⅰ/12句】
★少年ら帰る南瓜の花の中/多田有花
少年・・ですから、中学生の部活帰りの光景でしょうか?蒼々と葉っぱを茂らせ、黄色くて大きな南瓜の花は、元気溌剌とした姿そものもですね。どちらも元気溢れる真夏の、ワンシーンとして見事に調和しました。(桑本栄太郎)
★真つ新な句帖を開く半夏生/渋谷洋介
夏にむかい句作に意気込む姿を想像しました。(奥田 稔)
★夏草に座し少年の顔となる/尾 弦
草の上に座るといつもとは違う心持ちになる、その気持ちに共感します。勢いよく伸びる夏草ともなれば、いっそう心が開放されるようです。(池田多津子)
★夏椿落ちたる時も星めぐる/竹内小代美
★一面の光る植田やペタル踏む/國武 光雄
★空に声放ちて園児梅雨晴間/宮本和美
★青梅のあまたなる時期(とき)母を訪ね/丸山美知子(信之添削)
★純白を泰山木は頂に/古田敬二
★梅雨晴れの海の碧さは深みけり/篠木 睦
★もぎたての胡瓜塩振りまるかじり/大山 正子
★七夕竹節の太きが水に浸けられ/柳原美知子
★野菜をば持て呉れし麦藁帽子/堀佐夜子
【入選Ⅱ/12句】
★濃き香り部屋には二人月下美人/祝恵子
眠たくなる頃咲き始める月下美人を部屋に入れて二人で堪能されている様子が幸せそうに見えてきて好きな句です。(甲斐ひさこ)
★楊梅(やまもも)の大粒なるを掌(たなごころ)/小西 宏
★鳴りやまぬ水琴窟や濃(こ)紫陽花/吉川豊子
★父の日や親指太し指相撲/奥田 稔
★取りどりの短冊揺れて七夕竹/小川和子
★梅雨晴れて大地にくっきり水溜り/飯島治朗
★ともがきの集いて楽し梅雨晴れ間/河野啓一
★葉に隠る大き胡瓜を見つけたり/黒谷光子
★掬われて胡瓜にもろみ光る夕/臼井愛代
★カマキリの子の足細き強き線/網本紘子
★朝凪の傾れし花は陽に向う/志賀泰次
★梅雨明けに窓のひときわ輝けり/池田多津子
□高橋正子選
【最優秀】
★透く器夫のみやげのさくらんぼ/大給圭江子
透く器というのは、ガラス器のことであろうが、こういう表現もある。つややかなさくらんぼは透ける器に入れたい。さくらんぼと透ける器の出会いが涼しげでかわいらしい。(高橋正子)
【特選/5句】
★紫陽花の花見る視野に瀬戸の海/大西 博(正子添削)
紫陽花の向こうに広がる、瀬戸の海が大きく迫ってきました。紫陽花にもまた、海の色があるように感じました。紫陽花と海とが、作者によって繋がれたと思いました。(網本紘子)
★六甲の空に湧き立つ雲の峰/小河原宏子
六甲山の上にもくもくと湧いた雲の峰が、六甲の地を雄大な夏の景色にしています。その情景を前に、本格的な夏が訪れを実感する作者の姿があります。(臼井愛代)
★あじさいを雫と共に食卓に/小口泰與
戸外で剪られたばかりの瑞々しいあじさいが、食卓に飾られたのでしょう。部屋の中に季節感が加わって、生活を彩るアクセントとなりました。(臼井愛代)
★何もかも眩しく晴れて七月来る/甲斐ひさこ
よく晴れた一日とともに、七月が始まりました。何もかもが眩しく見えるその一日は、また一歩夏を深める新たな月に寄せる、作者の明るい気持ちと重なるようです。(臼井愛代)
★早やばやと休暇申請雲の峰/桑本栄太郎
空には、夏本番を思わせる雲が湧いています。職場に、早々と休みの申請を済ませ、待ち遠しい夏季休暇に思いを馳せる作者の楽しげな気持ちが伝わってきます。(臼井愛代)
【入選Ⅰ/12句】
★少年ら帰る南瓜の花の中/多田有花
少年・・ですから、中学生の部活帰りの光景でしょうか?蒼々と葉っぱを茂らせ、黄色くて大きな南瓜の花は、元気溌剌とした姿そものもですね。どちらも元気溢れる真夏の、ワンシーンとして見事に調和しました。(桑本栄太郎)
★真つ新な句帖を開く半夏生/渋谷洋介
夏にむかい句作に意気込む姿を想像しました。(奥田 稔)
★夏草に座し少年の顔となる/尾 弦
草の上に座るといつもとは違う心持ちになる、その気持ちに共感します。勢いよく伸びる夏草ともなれば、いっそう心が開放されるようです。(池田多津子)
★夏椿落ちたる時も星めぐる/竹内小代美
★一面の光る植田やペタル踏む/國武 光雄
★空に声放ちて園児梅雨晴間/宮本和美
★青梅のあまたなる時期(とき)母を訪ね/丸山美知子(信之添削)
★純白を泰山木は頂に/古田敬二
★梅雨晴れの海の碧さは深みけり/篠木 睦
★もぎたての胡瓜塩振りまるかじり/大山 正子
★七夕竹節の太きが水に浸けられ/柳原美知子
★野菜をば持て呉れし麦藁帽子/堀佐夜子
【入選Ⅱ/12句】
★濃き香り部屋には二人月下美人/祝恵子
眠たくなる頃咲き始める月下美人を部屋に入れて二人で堪能されている様子が幸せそうに見えてきて好きな句です。(甲斐ひさこ)
★楊梅(やまもも)の大粒なるを掌(たなごころ)/小西 宏
★鳴りやまぬ水琴窟や濃(こ)紫陽花/吉川豊子
★父の日や親指太し指相撲/奥田 稔
★取りどりの短冊揺れて七夕竹/小川和子
★梅雨晴れて大地にくっきり水溜り/飯島治朗
★ともがきの集いて楽し梅雨晴れ間/河野啓一
★葉に隠る大き胡瓜を見つけたり/黒谷光子
★掬われて胡瓜にもろみ光る夕/臼井愛代
★カマキリの子の足細き強き線/網本紘子
★朝凪の傾れし花は陽に向う/志賀泰次
★梅雨明けに窓のひときわ輝けり/池田多津子